更新日:2022年6月28日
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当家の先祖田島図書は一之江新田の開拓者と知られています。田島家は元禄頃から一之江新田の名主をつとめた旧家です。
広大な屋敷地には、防風林が生い繁って、屋敷のまわりの堀も残っています。東方入口に長屋門を構え、東向きの主屋は茅葺きの曲り家造りです。式台を設けた玄関は間口2間ですが、天井は低く、この地方特有のものです。
主屋は、記録によると安永年間(1772~1780)の再建で、敷居や鴨居も三本溝になっているなど、江戸中期の建築様式を伝えています。ドマは30坪あまりで、中央の大黒柱は径45センチメートルもあるケヤキの丸柱を使用し、これを境にしてドマが二分され、一方は農作業の場で、他方はカマドのあるカッテです。「マス」とよばれる穀物収納庫も四間の長さがあり、往時の繁栄がしのばれます。ドマの天井は踏板天井で農具や川船の収納場所になっていました。
曲り家はこの地方の旧家建築の代表形式ですが、この屋敷は当時の名主屋敷の面影を今に伝えています。
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