更新日:2022年6月28日
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折りたたみできる扇子は古代日本で発明され、平安時代に上方で発達し、室町時代にほぼ現在のような形態が完成しました。上方では、古くから分業が進んで量産もおこなわれていました。これに対し、江戸時代に江戸で発達した扇子は抑制のきいた意匠を特徴とし、ほぼ一人の職人が全工程を手がけます。
江戸川区指定無形文化財・工芸技術「扇子」技術保侍者の松井恒治郎さん(大正6年生まれ)は、1992年に逝去されました(1992年度認定解除)。恒治郎さんは、浅草駒形の江戸扇子職人井上福次郎方に住み込みで師事し、昭和26年(1951)に独立して、現在地で江戸扇子の正統な技法による製品を製作していました。
松井宏さん(昭和22年生まれ)は恒治郎さんの長男です。10歳頃から仕事を手伝い、20歳から父親について修業し、しばらく企業に勤めましたが、30歳のとき、扇子づくりを専業としました。その技術は、全工程にわたってきわめて高く、江戸の文化をよく伝えているものです。豆扇からに中啓にいたるまで、注文に応じて仕上げます。
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