更新日:2022年6月28日
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平井7丁目の天祖神社は旧中平井村の鎮守で、1874年(明治7)に村社となりました。創建は明らかではありません。祭神は天照皇大御神(アマテラスオオミカミ=神明)、合殿に布都主命(フツヌシノミコト=香取)、武甕槌命(タケミカヅチノミコト=鹿島)を祀ります。別当は、近隣の安養寺でした。
『新編武蔵風土記稿』の「中平井村」の項には、「神明鹿島香取合社、村の鎖守なり、貞享4年再興の棟扎あり、此社元は村の中央にありしが、いつの頃かここに移せりと云、其旧地に今も香取の社あり、安養寺の持、〇香取社、前に云旧跡の社なり、持同し」とあります。これによれば、すでに江戸時代に三社が合祀されているようですが、詳細は明らかではありません。地元の話では、この香取社は平井6丁目70番2号にあったもので、荒川放水路開削のために1902年(明治35)頃現在地に移されたということです。
この本殿は、江戸時代末期神社建築の一例としても貴重な建造物です。三間社流れ造りで、主部材はケヤキ(柱はヒノキ、はめ板はスギ)、屋根の茅葺きは銅板で覆っています。屋内には二本の八角の柱を建て、他の柱も内部は八角、外側は円になっています。外壁面には鳥をモチーフにした精緻な彫刻が多数あります。松に鶴・梅に鴬、そのほか鶏・雀・雉・各種水鳥・鷲・鷺などです。
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