電話番号:03-5626-3242開館日・開館時間:火曜日から日曜日(午後1時30分~午後5時)休館日:月曜日(ただし、祝休日の場合は開館)
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更新日:2024年5月30日
本所達磨横丁の左官・長兵衛、腕はいいが博打に凝り借金を重ね家計は火の車。うちへ帰ると、娘のお久が帰ってこないとおかみさんが長兵衛を責めます。やがて吉原の妓楼・佐野鎚(角海老でやる人もいる)から使いが来て、長兵衛はお久が身を売りに行っていたことを知らされます。女将のはからいで、お久の一年間の女中奉公をカタに五十両(百両の場合もある)のお金を借り、それを懐にした長兵衛が吾妻橋に差しかかると、主家の金を盗られて身投げをしようとしているどこかの商家の手代・文七に出会い、無理やりその五十両をやってしまいます。
さて、こんな見ず知らずの男にくれてやったなどという話をおかみさんが信じるわけがなく、長兵衛との夫婦喧嘩が延々と続きます。一方、白銀町の鼈甲問屋「近江屋」では、文七が盗られたと思ったお金は実は先方に忘れてきたもので、すでに先方から届けられているのに文七が帰ってこないので心配していました。そこへ文七が戻ってきてやれやれとなるのですが、文七がお金を差し出したので、これは一体どうしたことかと大騒ぎになります。翌日、夫婦喧嘩最中の長兵衛のところへ近江屋の旦那が文七を連れて訪れます。まずお金を返し(長兵衛が一度やったものだから受け取れないなどと意地を張って一悶着あるのですが)、お礼のお酒と肴に加えてもう一つ受け取ってほしいものがあるというので見ると、何とお久が帰ってきたのです。旦那が請け出してきたのです。
この人情噺、「のちに文七とお久が結ばれ、麹町六丁目に元結屋を開いた、というおめでたいお話です」で下げになります。
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