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更新日:2020年8月4日

落語入門

落語の歴史とともに

落語は、その多くは、おもしろく、おかしい話で進められ、機知にとんだオチ(サゲとも言う)で話が結ばれるという、日本独特の芸能です。オチがあるので「落とし噺」と呼ばれ、「落語」という名称につながっていったようです。その成立からの歴史を見てみましょう。

「落語」の起源は戦国時代

「落語」の起源は、戦国時代の大名のそばに仕えた「おとぎ衆」のおもしろおかしい話がもとになっていると言われています。その「おとぎ衆」のひとりに浄土宗の僧、安楽庵策伝がおり、江戸時代の初めに笑い話を「醒睡笑(せいすいしょう)」という本にまとめました。この中には、今日でも演じられている落語の原型が含まれています。

「落語の祖」と言われる策伝の名は、出身地の岐阜市で開催する全日本学生落語選手権『策伝大賞』にも見ることができます。

江戸時代も進み、1,670年代を過ぎる頃から「落語家の祖」と言われる人があらわれました。ほぼ同年代に京都に露の五郎兵衛、大坂に米沢彦八、江戸には鹿野武左衛門が登場し、簡易な小屋をつくり、不特定多数の聴衆から代価を得ておもしろおかしい話をしました。

これを「辻噺」と言いますが、この人気が去ると以後約100年衰退します。

「落語中興の祖」と言われる烏亭焉馬が、向島の料亭で落とし噺の会を主宰したのは1,786年のことです。これを契機にやがて江戸で初めて寄席を開いた三笑亭可楽や三遊亭圓生らが登場し、江戸落語の再興に至りました。明治になると落語界のレジェンド三遊亭圓朝があらわれ、以降、現在に至るまでに多くの落語家により落語の継承、発展がなされてきました。

「落語」は庶民が楽しんできた娯楽

このように落語は、江戸時代からの歴史を持つ日本の伝統芸能です。こう書くと何やら古めかしく、難しいイメージを持つかもしれませんが、決してそんなことはありません。江戸時代に生まれて、今でも現在進行形で発展しているのは、大衆の中で育ってきた芸能だからです。その時代、その時代の“今”を話に採り入れ、庶民が「おもしろい」と楽しんできた娯楽であったからです。

落語は、落語家が座ったままで、扇子と手拭いを小道具に、一人で何人もの登場人物を会話を通して演じ分け、物語を進めます。人間の持つ喜怒哀楽の感情を巧みに表現し、聴き手を物語の世界へ引き込みます。同じ話でも演じる落語家の技量や個性によって話の色合いもまた違ってきます。落語家の聴き比べも楽しいものです。

先ずは、理屈抜きで気軽に落語を聴いてください。見てください。

参考文献

  • 山本進編(2007)「落語ハンドブック(第3版)」三省堂
  • 大友浩(2017)『日本の伝統芸能を楽しむ 落語・寄席芸』偕成社

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