更新日:2025年1月23日
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自分らしさを取り戻して
中学1年生のAくんは、ある朝突然、ひどい腹痛で登校できなくなりました。お母さんが学校に欠席の連絡をすると、腹痛は治まります。毎朝続くので内科を受診しましたが、体に異常はありません。それまで学校生活は順調だったので、本人にも周りの人にも理由が分かりませんでした。
お母さんはAくんの状態を心配して、教育相談室を訪れました。小さい頃のAくんがのんびり屋で、絵を描いたり本を読んだりするのが好きだったことを、お母さんは振り返りました。中学入学後は勉強と部活を両立させようと必死で、毎日塾に通いながら、夜遅くまで宿題をこなしていたと言います。有名な高校に進学した兄を見習って、中学校での成績を気にしてかなりがんばっていたようです。
お母さんはAくんが無理をしていたことに気付きました。塾のスケジュールを調整して、Aくんがゆっくりできる時間をつくりました。そして「がんばっているから大好物のカレー作ったよ」「がんばりすぎてない?大丈夫?」と、日々の努力をさりげなく褒めてねぎらうように意識しました。Aくんには次第に笑顔が増え、いつのまにか腹痛の訴えはなくなりました。そんなAくんの姿を見て、お母さん自身も思春期の息子二人を抱えて余裕がなくなっていたことに気付きました。
自分らしさを見失ってしまうと、体調を崩したりイライラして落ち着かなかったりするなど、自分自身の内側からSOSが出ます。そのサインに耳を傾け、今の生活や心の状態を見直してみると、解決のヒントは隠れています。忙しい毎日を過ごしている子どもにも親にも、ちょっと立ち止まって振り返ることが必要なのかもしれません。一休みしながら自分らしさを再発見できると、また新たな一歩を踏み出すことができるのだと思います。
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