更新日:2019年1月31日
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不登校の意外な理由
小学3年生のAくんは、めったに学校を休まない子でしたが、珍しく風邪で数日休んだのをきっかけに、頭痛や腹痛を訴えて遅刻や欠席を頻繁にするようになりました。病院で診てもらうと身体は健康とのことでした。ご両親や担任の先生は、学習や友人関係など、何か悩みがあるのかとAくんに聞いてみたり、Aくんの様子を観察してみたりしましたが、不登校の理由になりそうな事柄は思い当たりませんでした。
Aくんの遅刻や欠席が続く中、お母さんは教育相談室を訪れました。Aくんはどういう子なのか、どういう状況で不調を訴えているのかなどを相談員と話し合う中で、「Aくんは周りを気遣う優しい子だけれど、それを言葉や行動に移すのはためらうことが多い」、「実は、両親の間で子育てに関する方針の違いがあり、意見がすれ違っていた」といったお母さんのお話がありました。そして、お母さんと相談員は『Aくんは無意識のうちに両親の仲を取り持つために頭痛や腹痛を起こしている』と考えました。その気づきをお父さんと共有し、一緒にAくんの症状の意味を話し合う中で、両親の意見のすれ違いが減るとともに、Aくんが不調を訴えることは次第になくなり、学校にも通えるようになっていきました。
このAくんの例のように、周りの大人がお子さんを取り巻く環境を丁寧に見つめ、お子さんが抱える問題の背景を考えてみることが、問題の『意外な理由』への気づきと、お子さんの状況の変化につながるかもしれません。
「広報えどがわ」平成31年1月10日号に掲載されました。
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