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更新日:2023年12月11日

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2023年(令和5年)12月11日 区内園芸農家で「七草かご」出荷準備大詰め

一年の無病息災を願う正月の縁起物

一年の無病息災を願って正月の縁起物として用いられる「七草かご」。区内で花卉園芸を営む植重農園(代表:首代一重(しゅだいかずしげ)/鹿骨5丁目)では、年末に向けて、春の七草を寄せ植えした「七草かご」の出荷準備が大詰めを迎えています。

春の七草は、1月7日の「人日の節句」に粥にして食べることで、厄を払い万病を除くとされている7種類の若菜。7種類の野菜を入れた汁物を食べて無病息災を願う中国の風習「七種菜羹(ななしゅさいのかん)」が、年の初めに若菜を摘んで食べる「若草摘み」や7種類の穀物を入れた「七種粥」などと結びつき、「七草粥」として江戸時代に庶民の間に広まったとされています。

同園では、主に夏季はアサガオ、秋から冬にかけて七草を生産。春の七草を寄せ植えした鉢を竹かごに入れた鑑賞用の「七草かご」は、新春を祝う縁起物として約40年前に先代が生産・販売を始めました。

同園で使われる七草(セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ)はほとんどが自家栽培。下町ゆかりにこだわって、「亀戸大根」や「金町小かぶ」などの江戸東京野菜を使用しています。9月に種をまき、花摘みや種取りをしながら手間暇をかけて栽培。七草はそれぞれ栽培方法が異なるため、全てを同時に育てるのは一苦労です。水分を好むホトケノザや湿気に弱いゴギョウなど、天候に合わせて根気よく丁寧に栽培しています。今年は気温が高い日が続き、生育が早かったり芽が出にくかったりと、七草それぞれの生育状況に影響が出ましたが、例年通りこの時期に出荷準備を行うことができました。

七草かご

本日(11日)、同園では出荷を目前に控え、鉢に七草の名札を差すなどの作業を行っていました。真冬の雪に見立てた真っ白な寒水石を土の上に敷き、竹かごに入れて出来上がりです。首代さんは、「この七草かごは、冬の寒さにも負けず芽を出す七草の生命力を表現しています。この季節の風物詩として楽しんでもらうと同時に、その力強さも感じ取ってほしい」と話しました。

「七草かご」は、自宅での鑑賞用だけでなく、お世話になった方への贈答用としても喜ばれています。同園では今シーズン、大小(大:鉢径21cm、小:鉢径15cm)合わせて約2,200鉢の七草かごを生産。全国に向けて出荷が始まっており、15日頃をピークに12月下旬まで続く予定です。同園での購入も可能です(在庫限り、価格等の問合せは直接同園へ)。七草かごは、一定の温度を保つことができる玄関などに飾り、大きく育った葉を取り除いて霧吹きで水をあげるなど上手に手入れをすると、2~3か月楽しむことができます。

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