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更新日:2023年12月1日

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2023年(令和5年)12月1日 本格的な冬の到来に備え、平成庭園に「雪吊り」を設置

冬の訪れを知らせる風物詩

師走初日の今日(1日)、江戸川区立行船公園内(北葛西3丁目)の平成庭園では、雪の重みから樹木を守る冬の風物詩「雪吊り」がクロマツなどに設置されました。来園者は、庭師らの巧みな技に足を止めて見入っていました。

1989年3月に開園した「平成庭園」は、池を取り囲む緑豊かな「築山池泉廻遊式(つきやまちせんかいゆうしき)」の日本庭園。池畔を回る散策路では、四季折々に移り変わる自然の美しさと身近にふれあうことができます。

「雪吊り」は、樹木に雪が付着することで、枝が折れたり幹が傷ついたりしないように縄で枝などを守る豪雪地域伝来の技法。降雪量の少ない東京では実用性は少ないものの、同園では伝統文化の伝承や季節感を楽しむ美観目的のため、1989年の同園開設当初から毎年この時期に行っています。樹高4メートルになるクロマツなど5本の樹木に雪吊りを施しており、維持管理を受託する「有限会社鈴嘉植木」の庭師が作業にあたっています。

雪吊り作業中の写真

雪吊りには「兼六園式」、「北部式」、「南部式」の基本三様式があります。同園では細めの荒縄を沢山吊り込んだ装飾的な「南部式」を採用。頭飾りにはバレン(まとい)といわれる吊り縄を編み込んだ装飾がされています。作業はまず、熟練の技を持った職人が、樹木全体の枝ぶりを観察し、美しく効果的に取り付けられるようにイメージすることから始めます。樹高約1.5倍かつ枝幅以上の長さに裁断した太い青竹の帆柱にして、幹に取り付けて立てます。下方に広がる枝幅より長い細竹を幾つも裾まわりに渡して、幹や地面に打った棒杭に結んで固定。渡した細竹の先端をシュロ縄でつなぎ合わせ、帆柱の頂上から伸ばした約60本の縄を放射状に張り巡らせていき完成です。

本日(1日)は朝から5名の庭師が作業を実施。全体のバランスを見ながら声を掛けあい、何度も縄を結びなおすなどして、慎重に作りあげていました。11月28日(火曜日)から始まった作業は、本日で全工程を終え、本格的な冬の到来に備えた衣替えを済ませます。雪吊りは、来年の2月末まで楽しむことができます。

現在、同園ではイチョウやモミジなど紅葉シーズンの終盤を迎えており、秋から冬に移り変わる風景を楽しむことができます。

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