更新日:2024年7月22日
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2024年7月22日 被爆者らでつくる親江会が証言映像集を初制作
”広島・長崎の原爆投下からまもなく79年”
区内在住の広島・長崎の被爆者らでつくる団体「親江会(会長:山本 宏(86歳)/会員数:146名)」は、会員が当時の体験や惨状などを語ったDVDを初めて制作しました。被爆者の高齢化が進む中、被爆の悲劇が風化されることのないよう、被爆者自身による証言を映像に残そうと企画されました。今後、原爆資料館や国会図書館、区内の図書館などに寄贈する予定です。
広島・長崎に投下された原爆による被爆者とその二世で、江戸川区内に在住する方々でつくる「親江会」は昭和40年に発足しました。毎年、区立滝野公園の慰霊碑で献花などを行う原爆犠牲者追悼式の開催や学校で体験講話を実施するなどの活動を行っています。
山本さんは7歳の時、爆心地から約2.5キロメートル離れた広島市己斐町(現・同市西区)の自宅から学校への登校途中に被爆しました。自宅へ引き返すと、爆風で家はほぼ柱だけの状態でした。家族と一緒に避難した山の上の防空壕から見た市内は火の海に。ようやく後頭部などにやけどを負ったことに気づきました。当時の辛い記憶を忘れようと、家族にも話すことを避けてきました。しかし、被爆者の高齢化が進む中、親江会と交流のあった同郷の妻が2017年に死去したこともあり、自らの体験を伝えることに。2019年からは会長として、継承活動に力を入れています。
タイトルは「ヒロシマの証言」と「ナガサキの証言」で、現在までに6巻完成。昨年12月から会員にインタビュー形式で収録しました。一度封じ込めた記憶を再び思い出すのは苦しみを伴いますが、証言者は後世へ伝えようと残された人生をかけて語っています。その一人、宮川武志さんは4歳9か月の時に自宅の防空壕で被爆。自宅は爆心地からわずか1.7キロメートルの広島市観音本町にありましたが、奇跡的に一命を取り留めました。瓦礫だらけの町にやけどした人や倒れている人があふれていました。宮川さんも妻や息子、娘にも話すことを避けてきましたが、インタビューでは当時を振り返り、「二度と原爆を使って欲しくない」と訴えています。
山本さんは、「自分のように当時のつらい体験を口に出せない人も多い。言葉にしたその人の姿を残すことは、その家族にとっても意味のあることです。戦争を知らない世代にも観ていただき、一瞬にして多くの命を奪った核兵器について考えるきっかけにしてもらいたい」と話しました。同会ではこれまでに、会員10名のインタビューを終えており、編集作業を終えた後、順次DVDとして制作。今年秋頃に開催される原爆展で上映するほか、原爆資料館や国会図書館、区内の図書館などに寄贈する予定です。
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