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更新日:2022年12月14日

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2022年(令和4年)12月14日 お歳暮や年賀向け「手ぬぐい」の出荷が最盛期

伝統技法で一つひとつ丁寧に染め上げる

染色加工を営む村井染工場(代表取締役・三代目:村井光寿(むらいみつとし)/60歳/一之江6丁目)では、年末年始に向けて、お歳暮や新年の贈答用などに使われる「手ぬぐい」の出荷が始まっており、染色作業などが最盛期を迎えています。

中小河川が多く流れる江戸川区では、その豊富な用水を利用して浴衣などの染色業が発展。最盛期となった昭和30年代には、同工場の周辺に約30軒の染色業者がありました。しかし、生活様式の変化や機械化などによって需要が減り、業者は年々減少の一途に辿ることに。「注染(ちゅうせん)」という伝統的な技法を用いて「東京本染」の浴衣や手ぬぐいを手掛ける染色工場は、現在都内に4軒、区内には2軒を残すのみとなりました。同工場でも浴衣から手ぬぐいの制作に比重を移し、伝統技術を今に残しています。

製作工程は、初めに長尺の白布に型紙を乗せてから防染糊をヘラで糊付けをします。生地を屏風状に折り返し、糊付けを約40枚分繰り返します。折り返した生地の上から調合した染料を注いで染色。防染糊や不要な染料を水洗いすることで、糊のついていないところが染めあがります。その後、高さ約15メートルある干し場「やぐら」で自然乾燥させ、乾いた布地のしわ取りをすると完成。12の工程からなる作業のほとんどを現在も手作業で行っており、複雑な柄によってはこの工程を何度も繰り返します。

干場に吊るされた手ぬぐい

同工場で手ぬぐいを作っているのは、光寿(みつとし)さんら10名。光寿さんは、高校卒業後に家業の染物に携わり、この道40年以上の職人です。2006年には「東京都伝統工芸士」として認定されており、父親で先代の村井米扶(むらいよねすけ/同社取締役会長/86歳)さんから受け継がれた伝統的な技法で製作しています。今では先代と同じく、すべての工程を光寿さんが中心となってこなします。

寒空に穏やかな陽射しが降り注いだ今日(14日)、同工場の干し場「やぐら」には、染め上げた生地が吊るされ、風にはためいていました。コロナ禍で注文が少なくなる時期もありありましたが、発注は徐々に回復してきました。今年は、年賀贈答などに用いられる企業用名入り手ぬぐいなどやお祭り用手ぬぐいなどの発注が増えており、寒空に揺れる反物が特徴的な染色の作業は28日頃まで続きます。

村井光寿さんは、「手作業だからこそ表現できる繊細なぼかしや風合いを楽しんでほしい。手ぬぐいは速乾性に優れるなど実用的なので、ぜひ日常から使ってほしい」と話していました。なお、同工場では受注生産と卸売りのみで小売りは承っていません。

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