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更新日:2023年11月29日

ページID:11745

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樋口 健太郎(ひぐち けんたろう)さん(パワーリフティング)

樋口健太郎さん、パラパワーリフティング

写真:読売新聞/アフロ

競技

パワーリフティング

階級:72キログラム級

所属

コロンビアスポーツウェアジャパン

競技を始めたきっかけ

樋口選手

事故で義足になったからですね(笑)。2017年の9月、バイクを運転中に後方から車に追突され、右足の大腿部から下を切断しました。僕がパラパワーを知ったのは、その入院中です。怪我の状況から、切断することは自分でもわかりました。ですから、その時点で気持ちを切り替えました。そして、「今後の自分にできること」を考えたとき、自分のなかでパラスポーツに挑戦したい気持ちが強くなっていくのを感じたんですね。僕はもともと、スポーツトレーナーをやっていましたし、義足になったことで「パラリンピックに出るチャンスが巡ってきた」と前向きに考えることができました。そのため、落ち込むこともなく、しっかりと現実を受け入れることができ、パラパワーを始めることにしました。

3か月後の12月、まだ入院中だったんですけど(笑)、全日本選手権に出場して、優勝しました。周りの方々が驚いていたのを覚えていますね。

競技の特徴

舞台上の樋口選手パラパワーは、僕のような下肢障害者が主対象で、競技は体重別で行います。ルールは一般的なペンチプレス競技とほぼ同じですが、最も大きな違いはベンチプレス台の上に足を上げて競技することですね。だから下半身の力を使い、足で踏ん張ることができません。上半身の力のみでバーベルを持ち上げるところが、大きな特徴だと思います。

(東京2020大会の出場対象は下肢障害ですが、視覚障害や聴覚障害の選手たちもパワーリフティングに取り組んでいます。)

写真:森田直樹/アフロスポーツ

競技の魅力

先ほどお話ししたように、パラパワーは上半身の筋力だけで勝負します。実は、最重量級のパラパワー選手の記録は、ほぼ同じ条件による健常者の記録を超えているんですよ。このように、健常者より重いものを美しく持ち上げていることが一番の魅力だと思います。僕らがどれだけ重いバーベルを持ち上げることができるかを、ぜひ観て頂きたいですね。

トレーニングをする樋口選手

トレーニング中の樋口選手

集中。そして美しく

バーベルを上げる樋口選手

パラパワーは、美しいフォームでしっかりとバーベルを持ち上げることが大事なんです。というのも、もしバーベルを上げるときに腕が斜めになっていると、なかなか上がらないんですよ。でも、両腕が平行になるように持ち上げて均等に無駄なく上げることができれば、グッと上がりやすくなるんです。重さが変わっても、いつも変わらない美しいフォームをつくることが理想ですね。

あと、究極の集中力も重要です。試合では3回の試技があるんですが、競技時間はそれぞれ約3秒です。こんなに競技時間が短いスポーツ、他にありますかね?(笑)。ですから、僕らはこの計10秒に全てを賭けます!この瞬間に全てを発揮できるよう、日々のトレーニングに励んでいます。

写真:越智貴雄/カンパラプレス

応援をチカラに

バーベルを持ち上げる樋口選手

僕はふだん、小学校で理科を教えています。昔は江戸川区の学校で教えていた時期もありました。ですから先日、区内のパラパワーイベントで、かつての教え子に会えたときは嬉しかったですね。僕が義足になったのは、つい数年前ですから…我が子を抱えて再会した教え子たちは、僕の変化に驚いていたようでしたけど(笑)子どもたちとの触れ合いや応援は、僕の力になっています。

(注)現在は教職を離れ、日体大大学院に在学中

写真:田村翔/アフロスポーツ

区民へひとこと

樋口健太郎選手

僕を見ることで、大勢の方々が「よし、自分も頑張ろう!」と思ってもらえるような人間になりたいと思っています。別に、スポーツじゃなくていいんです。僕は「スポーツ」でしたが、僕らにはそれぞれ、自分の輝ける場所が必ずあります。ですから、僕はパラパワーを通じて、少しでも多くの方々のインフルエンサー(影響を与える人)になれればと思っています。そんな意味もあり、僕は世間に義足を知ってもらえたらと思い、できるだけ義足が見えるようにもしています。これが今の自分ですからね。応援よろしくお願いします。

記録

日本記録

186キログラム

主な戦績

年度 大会名 階級 記録 順位 備考
2023 杭州2022アジアパラ競技大会 72キログラム級 186キログラム 5位 日本新記録
ドバイ2023パラ・パワーリフティング世界選手権 181キログラム 10位

(日本新記録)

レジェンド部門(45歳以上)2位

第6回パラ・パワーリフティングチャレンジカップ京都

178キログラム 優勝 (日本新記録)
2022 第23回全日本パラ・パワーリフティング国際招待選手権大会 72キログラム級 170キログラム 優勝  
Fazza 12th Dubai2022 Para Powerlifting World Cup 176キログラム 3位 レジェンド部門(45歳以上)1位
ピョンテク2022アジア・オセアニア選手権大会 173キログラム 5位 レジェンド部門(45歳以上)1位
第5回チャレンジカップ京都 170キログラム 優勝  
2021

第22回全日本パラ・パワーリフティング選手権大会

72キログラム級 177キログラム 優勝 (日本新記録)
2020 第21回全日本パラ・パワーリフティング国際招待選手権大会 72キログラム級 170キログラム 準優勝  
2019 READY STEADY TOKYO パワーリフティング 72キログラム級 175キログラム 優勝 (日本新記録)
2019ヌルスルタン世界選手権 172キログラム 10位 (日本新記録)
エゲル2019ワールドパラパワーリフティング ワールドカップ 170キログラム 4位  
第19回全日本パラ・パワーリフティング国際招待選手権大会 170キログラム 優勝  
2018 インドネシア2018アジアパラ競技大会 72キログラム級 171キログラム 5位 (日本新記録)
北九州2018ワールドパラパワーリフティング アジア-オセアニア オープン選手権大会 165キログラム 4位 (日本新記録)
第1回パラ・パワーリフティング チャレンジカップ京都 160キログラム 優勝 (日本新記録)

2017

第18回全日本パラ・パワーリフティング選手権大会 72キログラム級 136キログラム 優勝

 

(日本新記録)は、当該大会で当時の日本記録を更新したことを表しています。

選手紹介動画

えどがわ区民ニュースの「EDOGAWA ATHLETE FILE」で、樋口選手を紹介しています。ぜひご覧ください!

「輝石の魂~EDOGAWA ATHLETE FILE 樋口健太郎~」別ウィンドウで開きます

このページに関するお問い合わせ

このページは文化共育部スポーツ振興課が担当しています。

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