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更新日:2025年12月11日

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2025年12月11日 区内園芸農家で「七草かご」出荷準備大詰め

一年の無病息災を願う正月の縁起物

一年の無病息災を願って正月の縁起物として用いられる「七草かご」。区内で花卉園芸農家を営む植重農園(代表:首代一重(しゅだいかずしげ)/67歳/鹿骨5丁目)では、年末に向けて、春の七草を寄せ植えした七草かごの出荷準備が大詰めを迎えています。

春の七草は、1月7日の「人日の節句」に粥にして食べることで、厄を祓い万病を除くとされている7種類の若菜。7種類の野菜を入れた汁物を食べて無病息災を願う中国の風習「七種菜羹(ななしゅさいのかん)」が、年の初めに若菜を摘んで食べる「若菜摘み」や7種類の穀物を入れた「七種粥」などと結びつき、「七草粥」として江戸時代に庶民の間に広まったとされています。

同園では、主に夏季はアサガオ、秋から冬にかけて七草を生産。春の七草を寄せ植えした鉢を竹かごに入れた鑑賞用の「七草かご」は、新春を祝う縁起物として1980年から生産・販売を始めました。

同園で使われる七草(セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ)は、ほとんどが自家栽培。下町ゆかりにこだわって、「金町小かぶ」や「亀戸大根」などの江戸東京野菜を使用しています。9月に種をまき、花摘みや種取りをしながら手間暇をかけて栽培。七草はそれぞれ栽培方法が異なるため、全てを同時に育てるのは一苦労です。水分を好むホトケノザや湿気に弱いゴギョウなど、天候に合わせて根気よく丁寧に栽培しています。今年は種をまいた後も暑い日が続き、乾燥に弱いセリの生産量が減るなどの影響があったものの、無事に生産することができました。

本日(11日)、同園では出荷を目前に控え、配置のバランスを確かめながら、七草の名前が書かれた木札を立てる作業などを行っていました。真冬の雪に見立てた真っ白な寒水石を土の上に敷き、竹かごに入れたら出来上がりです。首代さんは、「今夏は猛暑で管理が難しかったですが、例年並みの出来となりました。目で見て楽しんで、よい新年を迎えてもらいたい」と話しています。

「七草かご」は、自宅での鑑賞用だけでなく、お世話になった方への贈答用としても喜ばれています。同園では今シーズン、大小(大:鉢径21センチメートル、小:鉢径15センチメートル)合わせて約2千鉢を生産。16日(火曜日)から全国に向けて順次出荷を行い、作業は12月下旬まで続く予定です。同園での購入も可能です(在庫限り、価格等の問い合わせは直接同園へ)。七草かごは、一定の温度を保つことができる玄関などに飾り、大きく育った葉を取り除いて水をあげるなど上手に手入れをすると、春先まで楽しむことができます。

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