更新日:2025年8月19日
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2025年8月19日 本区の伝統工芸品「江戸風鈴」、「音響遺産」に認定
歴史的背景や音色などを評価
本区の伝統工芸品「江戸風鈴」が、一般社団法人日本音響学会(会長:坂本慎一/東京都千代田区)が選定する「第6回(2025年) 音響遺産」に認定され、本日(19日)、認定証が授与されました。
音響遺産とは
音響遺産とは、音に関するあらゆる分野を扱う研究者や技術者らが所属する一般社団法人日本音響学会が、音響学や音に関わる事象を一般に広く普及させるために、聞き覚えがあり音響的な特徴を持つ具体的事象や物事に対して認定を行っているものです。2019年から始まり、今回(第6回)は、「江戸風鈴」とともに、「シーボルトから贈られた日本最古のピアノ(熊谷美術館)」と「麺類をすする音、すすって食べる文化」が認定されました。
篠原風鈴本舗の「江戸風鈴」
1915年の創業以来、風鈴を作り続けている篠原風鈴本舗(代表取締役:篠原惠美/南篠崎町4丁目)。1965年頃に二代目の篠原儀治(江戸川区無形文化財/2004年名誉都民)さんが、昔の東京「江戸」で江戸時代と同じ製法で作られているという理由から同社の風鈴を「江戸風鈴」と命名。型を使わず空中でガラスを膨らませる「宙吹き(ちゅうぶき)」や、音を良くするために鳴り口をわざと砥石でギザギザに削る仕上げ、内側から行う絵付けが特徴です。本区の伝統工芸品でもあり、現在は同社と1990年に同社から独立した篠原まるよし風鈴(東京都台東区)の2カ所でのみ製作されています。
今回「江戸風鈴」は、古代中国で占いの道具として用いられていた青銅製占風鐸が日本に伝わり、魔除けの風鐸から涼を得るための風鈴へと移り変わっていった歴史的背景や、製法が判明している最古の風鈴であり、現在2カ所の製造所のみがその技術と音色を伝承している音響的観点が評価されました。本日(19日)、篠原風鈴本舗では認定証の盾の授与に先立ち、視察に訪れた日本音響学会の会員らが実際に「宙吹き」と絵付けを体験。ややいびつな形に膨らんだ風鈴を前に、習得までに3年以上を要する技術であることを改めて認識していました。盾を受け取った惠美さんは「東京の片隅で細々とつないできた江戸風鈴に光を当てていただき、このようなかたちで応援していただけることをうれしく思います」と笑顔で話しました。
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