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更新日:2023年6月26日

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2023年(令和5年)6月26日 伝統工芸品「つりしのぶ」の出荷最盛期

軒下などに吊り下げて、暑い夏を涼やかに演出する伝統工芸品「つりしのぶ」。出荷最盛期を迎えた都内唯一の専業生産者「萬園(よろずえん/松島1丁目)」では、深野英子さんが、亡き夫の想いを胸に心を込めてつりしのぶの手入れをしています。

つりしのぶは、ヤマゴケを巻き付けた竹材にシダ植物の一種であるシノブの根茎をはわせた観葉植物。乾燥に強く寒い冬を耐え忍ぶことから「シノブ」と名付けられました。コケに水を含ませると青々とした葉を茂らせ、涼を感じさせます。江戸時代の庭師たちがお得意様へのお中元用に作ったのが始まりとされ、明治から昭和初期には一般家庭にも定着。昭和30年代頃までは区内でも20軒ほどが生産していましたが、シノブを採取する者の減少や後継者不足などにより、現在では、「萬園」が都内唯一の専業生産者になりました。

青々と葉が茂るつりしのぶ

今年4月、60年以上にわたってつりしのぶを生産してきた「萬園」の二代目、深野晃正(ふかのてるまさ/区指定無形文化財)さんが亡くなりました。昭和10年(1935年)から続く同園で、先代である父親の手伝いから始め、81歳までの生涯をつりしのぶとともに歩みました。培われた技術は高く評価され、平成22年に都優秀技術者知事賞を受賞。深野さんの情熱は良質な材料までに及び、丈夫なシノブを求めて東北地方の山林まで自ら出向くなど、一つ一つ愛情込めてつりしのぶを作り続けてきました。

同園で生産されるつりしのぶは、芯材を「井」の字に組んだ「イゲタ」や円筒形の木炭にシノブを巻きつけた「木炭」など約10種類。昔ながらの吊り下げて楽しむタイプやインテリアとしてテーブル上に飾れる置き型タイプなど形も大きさもさまざまで、価格も税込3千円から数万円まで。一番人気は、息子さんがつくる井桁に組み合わせた木材の中にシノブを入れた「井戸(税別2,800円(注))」で、同園の看板商品です。

出荷の最盛期を迎えた本日(26日)、同園では英子さんが、青々と茂るシノブの葉にたっぷりと水やりをしていました。今年のつりしのぶは、晃正さんが丹精込めてつくったものを英子さんや息子さんが仕上げて出荷します。同園の90周年を迎える頃までは生産を続けていきたいという英子さんは、「主人が心を込めてつくったつりしのぶに、鮮やかな緑がたくさん芽吹きました。ぜひ手に取ってもらい、夏の涼を感じて頂ければ嬉しいです」と話しました。

同園では、伝統工芸展や夏まつりなどに展示販売するほか、江戸川区の名産品を販売するWebサイト「えどコレ!」や、タワーホール船堀(船堀4丁目)内のアンテナショップ「エドマチ」で販売しています。同園での販売は、事前にお問い合わせください。

(注)直販料金。インターネット販売は値段が異なります。

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