更新日:2024年5月31日
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大橋 俊(おおはし すぐる)さん(パラアーチェリー、パラクレー射撃)
生年月
1976年9月
所属
株式会社エスイー
パラアーチェリー
種目・クラス
- 障害クラス:STクラス(注1)
- 使用する弓:コンパウンドボウ(注2)
(注1)立位もしくは、椅子に座って競技をするクラス
(注2)一般的にオリンピックなどで使用されるのはリカーブボウだが、コンパウンドボウは、先端に取り付けられた滑車の働きによって、リカーブボウの半分くらいの力で引くことができる
パラアーチェリーを始めたきっかけ
足で弓を引くパラアーチェリー選手の姿に衝撃を受けたことがきっかけです。
僕はトレーニング中に怪我をして、右腕に障害が残りました。スポーツが大好きで、怪我をする前はサッカーやフットサルをやっていましたが、怪我で以前のように動くことができず、マイナス思考になっていました。
そんな時にテレビで見たリオデジャネイロパラリンピックで、両腕がないパラアーチェリー選手が足で弓を引く姿に衝撃を受け、「自分にもできるんじゃないか!」「アーチェリーで世界を目指そう!」と直感的に思い、パラアーチェリーを始めました。
パラアーチェリーの特徴
パラリンピックのアーチェリーでは一般的な弓であるリカーブボウと、先端に滑車がついて小さい力でも引くことのできるコンパウンドボウの2種類の弓が使用されます。ルールは一般のアーチェリー競技規則に準じていますが、障がいの種類や程度に応じて一部ルールを変更したり、用具を工夫したりすることが認められています。
競技種目
- リカーブオープン
的は直径122センチメートルの的を使用し、弓はリカーブボウを使用します。リカーブボウはオリンピックのアーチェリーでも使用される一般的な弓です。選手は自分の身体のサイズや筋力、障がいに合わせて、自分専用にカスタマイズされたリカーブボウを使って競技しています。
- コンパウンドオープン
的は直径80センチメートルの的を使用し、弓はコンパウンドボウを使用します。パラリンピックや一般の国際大会ではコンパウンド種目が実施されていますが、オリンピックでは採用されていません。
日本人初のショルダーアーチャー誕生!
ショルダーアーチャーとは、矢を放つための装置を肩につけて弓を引くパラアーチェリー選手のことです。僕は最初、見た目のインパクトの強さから口で弓を引くスタイルで競技をしていました。しかし、このスタイルは歯や顎を痛めやすく、選手生命が短くなってしまいます。長く競技を続けていくために、口以外の方法で弓を引くことができないか・・・。悩んだ末たどり着いたのが、世界で主流になりつつあるショルダーアーチャーへの転向でした。
しかしながら、当時、日本には肩で弓を引くために必要な装置はありませんでした。それならば、自分で作ってしまおうと研究を始めたんです。データも実績もないなか、失敗続きの毎日でしたが、諦めずに何度も何度も改良を重ね、ようやく安全に使える装置の開発にたどり着きました。
選手生命を伸ばすことがきっかけで始めましたが、自分がショルダーアーチャーの第一人者となることで、「自分にもできるんじゃないか」と可能性を感じてもらい、パラアーチェリー界が盛り上がるきっかけになればいいと思っています。
信念
「障害があるからできない。自分はこうだからできない。」と決めつけてできない理由を探すのではなく、「どうしたらできるのか」を常に考え突き詰めていくことが、アスリートとしてはもちろん、人として大切だと思っています。
困難に直面したときは、できない理由ではなく、できる方法を探していくことで、アスリートとして、そして人として成長していきたいと思っています。
自分の強み
僕は「他の人に勝ちたい」「他の人に負けたくない」と思ったことは一度もありません。「今日の自分、今の自分に負けないように」という気持ちを常に持って試合に臨んでいます。これが絶対譲れない自分の強みです。
今後の目標
実はアーチェリーのルールは健常者も障害者も一緒なんです。もちろん、パラリンピックへの出場が目標ですが、私はもっと高い目標を持っています!それは日本代表として、健常者が出場している国際大会に出場することです。会場にショルダーリリーサーを付けた日本人が颯爽と現れたら皆びっくりするでしょ!観客をあっと驚かせたいんです!もちろん、叶える自信はあります!
区民へひとこと
アーチェリーはまだまだマイナーなスポーツで、メディアに取り上げられる機会も少ないです。だからこそ、会場に足を運んでいただき、実際に競技を見てもらいたいと思います。何十メートルも先にある的を狙う選手は何を考えているのか・・・そんなことも想像しながら観戦するのも面白いですよ!また、会場に大きなモニターがない場合、双眼鏡を持っていると便利です。的に当たる瞬間や選手の表情が見えるので、よりダイナミックに試合を楽しむことができます!
上半身に障害がある選手にとって難易度の高いアーチェリーですが、僕がショルダーリリーサーを開発したことで、少しでも選手の役に立ち、パラアーチェリー界を盛り上げていきたいと思っています。もちろん僕自身もショルダーアーチャーとして活躍できるよう、日々練習を重ね頑張っていきますので、応援よろしくお願いします!
主な戦績(パラアーチェリー)
年度 | 大会名 | クラス・カテゴリー | 記録 |
---|---|---|---|
2023 | 特別全国障害者スポーツ大会 | CP男子30メートル | 優勝 |
2019 | 第18回横浜市50メートル60メートル70メートルラウンド大会 | CP男子 | 6位 |
第29回交流アーチェリー大会 | CP男子 50メートル | 準優勝(パラ) | |
第43回のじぎく杯アーチェリー競技大会 | CP男子 | 決勝トーナメント進出 | |
第5回JPAF杯 パラアーチェリートーナメント大会 | 出場 | ||
2019年小川杯 千葉県身障者アーチェリー大会 | CP男子 50メートル | 総合優勝 | |
2018 | 第19回東京都障害者スポーツ大会 | CP男子 50・30メートル | 優勝 |
第28回交流アーチェリー大会 | CP男子 50メートル | 13位 | |
王子オープン アーチェリー大会 | CP男子 50・30メートル | 4位 | |
第18回全国障害者スポーツ大会 | CP男子 50・30メートル | 優勝 | |
2017 |
文部科学大臣杯争奪 第46回全国障害者アーチェリー選手権大会フェニックス東京大会 |
個人総合 | ベスト8 |
団体(東京都選抜) | 優勝 | ||
第3回JPAF杯 パラアーチェリートーナメント大会 | 14位 |
パラクレー射撃
種目・クラス
トラップ種目 SG-Uクラス
パラクレー射撃を始めたきっかけ
パラアーチェリーで培った経験やスキルを活かせると思ったから。
パラクレー射撃の特徴
大会は健常者と同じ部門、ルールで競います。健常選手とパラ選手が垣根なく本気で競技できる魅力があります。
今後の目標
日本代表強化指定選手に選考され、国際大会に出場しメダルをとる事です。もちろん国内の全日本選手権(健常者大会)に出ることも目標です。
区民へひとこと
パラアーチェリーとパラクレー射撃の二刀流で、国内のみならず国際大会で活躍し、区民の皆様へ健常選手より凄腕の選手がいることを自慢していただけるように頑張ります!
パラクレー射撃は令和4年から始めましたが、既に健常者大会にも出場しながら世界のメダルを取るために腕を磨いています。
片手で本物の散弾銃を撃てるのか?という常識では考えられない事を私は実現しております。片手で撃つ姿は現役選手からも「凄すぎて理解が出来ない」と言われます。
銃の所持許可についても健常者(両手)でも難しく、厳しい試験を片手で難題を乗り越え、健常者基準で合格しています。
「すごい」→「すごすぎる」の領域で競技しているだけでなく、大会でも健常者以上の成績も出しているので「片手でも競技が出来る」だけでなく「トップクラスでも戦える」夢や希望を超越した、究極のパラアスリートと呼ばれるよう頑張っていきます!
選手紹介動画
えどがわ区民ニュースの「EDOGAWA ATHLETE FILE」で、大橋選手を紹介しています。ぜひご覧ください!
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