加納 慎太郎（かのう しんたろう）さん（車いすフェンシング）

東京2020大会の開催決定、これが車いすフェンシングを始めたきっかけです。

僕は父親の影響で、小学生の頃に剣道を始めました。2002年、16歳のときに交通事故で左足の膝から下を切断したのですが・・・大好きだった剣道は、その後も義足で続けていたんです。そして2013年、オリンピック・パラリンピックの東京開催が決まりました。

このとき、「もし自分が東京2020大会に出るなら・・」と考えたときに出会ったのが、車いすフェンシングでした。もともと剣道をずっとやっていましたし、剣を使う競技なら、これまで培った技術を活かして自分もできるんじゃないか、と思ったんです。ずっと竹刀を握っていましたし、サーベルにも違和感なく馴染めるかな、と。

ただ、楽しかったですが、やっぱり難しかったですね（笑）

写真：長田洋平／アフロスポーツ

車いすフェンシングは一般的なフェンシングと同様に、攻撃の場所や方法に応じてフルーレ・エペ・サーブルの3種目に分かれます。ですが、車いすフェンシングの場合は「ピスト」と呼ばれる競技台に車いすを固定して行います。これが最大の特徴ですね。フェンシングと言えば、前後に動くステップワークをイメージする方も多いと思いますが、車いすフェンシングでは、車いすが固定されているため動きません。そのぶん、超至近距離での激しい攻防やスピード、剣捌きや駆け引きが見どころですね。

写真：長田洋平／アフロスポーツ

海外の選手は、僕より身体の大きい選手が大半です。そのぶん腕のリーチも長く、相手が腕を伸ばすと、僕が届かないところに届いてしまうことも多いです。なので、僕には相手よりも速いスピードで、その距離感を埋める必要があるんです。これについては日々のトレーニングで手応えを感じていますし、自分はまだ、もっと速くなれると思っています。

今は、自分のなかで理想像も描けているので、そのために何が必要かを常に考えています。ネガティブなことは、あまり考えないですね。

写真：長田洋平／アフロスポーツ

パラリンピックですね。初めにお話ししたように、僕の車いすフェンシングは、東京2020大会の開催決定を機に、始まりました。少しでも大会に出られる可能性があるのならチャレンジしたい！という気持ちが原点なので、失うものはありません。ですから、これからも突っ走って行きます！ただ、前に進むのみですね。そして、自分ならやれると思っています。

写真：©エックスワン

僕はいま、このような環境で競技に臨めることをとても感謝しています。今後はもっと腕を磨き、最後までどちらが勝つかわからないような試合が見せられるような選手を目指していきたいと思っています。そのために、トレーニングはもちろん、競技に情熱を注ぎ込むことも大事だと思っています。

先ほどお話ししたように、僕は東京2020大会の開催を機に、車いすフェンシングを始めました。目標は初めから決まっています。

東京2020大会出場、そしてメダル獲得を目指して頑張りますので、応援よろしくお願いいたします！

そして、区民のみなさんが「応援してよかった！」と、また試合に足を運んでいただけるような選手になりたいと思っています。