更新日:2024年10月29日
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2024年10月29日 正月の風物詩「しめ縄づくり」最盛期
地域に受け継がれる熟練の技
正月に玄関や神棚などに飾られる「しめ縄」の製造・販売を行う岸野明(きしのあきら/56歳/鹿骨2丁目)さんのご自宅の作業場では、年末の出荷に向けて最盛期を迎えています。
「しめ縄」は、神の領域と現世を分け隔てる『結界』として、不純なものが入るのを防ぐために、新年に玄関や神棚などに飾るようになったと言われています。以前までは、農家が稲刈り後の藁を使って「しめ縄」をつくり、それを近隣の家々に配っていましたが、その後は農家が副業としてしめ縄づくりを行うようになりました。区内でも、昭和初期には500軒以上の農家がしめ縄を作っていたものの、都市化とともにその数も年々減少。現在、生産・販売を行っている7軒のみとなりました。
岸野さんは、3代目の兄・岸野正義(きしのまさよし)さんとともに、しめ縄の販売・製造を行っています。先代は小松菜などを生産する農家との兼業でしたが、現在ではしめ縄づくりを本業としています。岸野さんのしめ縄は自家製にこだわり、埼玉県吉川市で稲を栽培。4月の苗作りから始まり、5月初旬に行われる田植えを経て、8月初旬から末にかけて青田刈りをします。稲は収穫後、すぐに乾燥機にかけられ、湿度管理をしている暗所で保管。この稲を使って、年間を通して製造しています。
今日(29日)、岸野さんのご自宅の作業場では、年末の出荷に向けて「しめ縄」づくりの作業に追われていました。初めに「しめ縄」の芯の部分に使用される稲穂の実を採った後の「稲わら」に、出穂前の青々とした稲の「実とらず」を縒り上げます。次に、縒り上げた3本の縄をまとめて1本に縒り上げていき、長さ約100センチのしめ縄を完成させました。緩まないように両手両足で押さえるなど、全身を使って縒り上げる作業に、熟練の技が光ります。縒り上げた後は、余分な稲を切り取って仕上げます。大きさや種類によって違いますが一日に約30本を製造。繁忙期の9月から12月中旬にかけては土曜日・日曜日も休まず作業をしており、作業は今年も12月末まで続けられます。神社などへの出荷が多くを占めますが、しめ縄を知らない人にも手に取ってもらいたいと、わら製品を取り扱う業者と一緒にインテリアとして飾れる新しいしめ縄の製造にもチャレンジ。区内の名産品を紹介するインターネットサイト「えどコレ!」で販売しています。
岸野さんは、「飾ってくれる人のことを考えながら、1本1本丁寧にしめ縄を縒り上げています。しめ縄という日本の伝統文化を1人でも多くの人に知ってもらえたら嬉しい」と話しました。
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