2024年9月13日 中学3年生を対象にした無料塾「EDO塾」開講

様々な事情で塾に通うことができない生徒を支援

江戸川区は10日（火曜日）から、家庭の事情などで学習塾に通うことが難しい成績中・上位層の中学3年生を対象にした無料塾「EDO（えど）塾」を、区立図書館3館で開講しました。入塾テストに合格した生徒約50名が、民間の講師による質の高い学習支援により、ワンランク上の高等学校への進学を目指します。

令和5年度に区立中学校で実施した全国学力・学習状況調査によると、成績中・上位層の2,420名のうち、635名が学習塾に通っていないことが分かりました。そのうち、就学援助世帯の生徒は約120名。家庭の経済的な事情で塾に通えていない可能性があります。区では、学ぶ意欲があるものの、学習塾に通っていない成績上位層の受験生に質の高い学習支援を提供しようと、今月（9月）から無料塾を開設しました。

「EDO塾」は、家庭の様々な事情で塾に通っていないワンランク上の高等学校等への進学を目指す中学3年生が対象。入塾テストなどによる選考を経て登録することができます。講義は、区立図書館3館（中央・小岩・西葛西）で、平日の週2日、18時から21時に実施。民間の講師が専用のテキストを活用し、数学・英語・理科・社会の4教科を指導します。本格的な受験シーズンの前には、4教科に国語を加えた冬季講習や模擬試験なども実施。受験のある3月までの期間で、生徒の学力向上をサポートします。授業料・教材費・模擬試験などの塾の費用はすべて無料。運営費には区民などからの寄付金を活用しています。

開設初日の10日（火曜日）18時、区立中央図書館（中央3丁目）には、火曜日・木曜日クラスの中学3年生22名が集まりました。生徒たちは、今後のスケジュールや授業の進め方などを説明するガイダンスを受けたあと、さっそく2クラスに分かれて英語と社会の講義を受講。高校受験に向けて、本格的な学習をスタートさせました。

区ではこのほか、学習に課題を抱えている小・中学生を対象にした「放課後補習教室（EDOスク）」を区立小・中学校全98校で実施。在学する学校の教室を使い、数学（算数）・英語の2教科を民間の講師から学ぶことができます。また、今年から新たに、中学生が学校・自宅以外で落ち着いて自習することができる場として「EDO学舎」を7月から開設。週1回、区内7カ所の共育プラザで開設しており、常駐するスタッフが各自の学習課題の指導などを行っています。

教育研究所の百々和世（ももかずとし）所長は、「家庭の環境に左右されることなく、すべての生徒の学ぶ機会を提供することで、今まで自分が目指していたよりもワンランク上の高等学校への進学を支援していきたい」と話しました。