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更新日:2022年10月20日

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2022年(令和4年)10月20日 「しめ縄」の生産が最盛期を迎える

年の瀬に向け、正月に神社などで飾られる「しめ縄」を専業で生産する岸野正義さん(鹿骨5丁目)の作業場では、出荷に向けた作業がピークを迎えています。

「しめ縄」は、神事の神聖な場所を区別するために張る縄のこと。区内農家では、農閑期の副業としてしめ縄づくりを行ってきました。昭和の初め頃、区内では約540戸の農家が作っていましたが、都市化により農家の数も年々減少。現在、生産・販売を行っているのは7軒のみとなりました。

岸野さんは、専業でしめ縄の製造を営む3代目。農家を兼業していた先代が亡くなってから家業を継ぎ、30年近くしめ縄づくりをしています。しめ縄の材料となる稲は自家製にこだわり、埼玉県吉川市で3種類の稲を栽培。毎年、4月中旬の苗づくりから始まり、5月初旬に田植え、8月初旬から中旬にかけて、「実とらず」と呼ばれる穂が出る前の稲を早刈りします。収穫した稲はすぐに持ち帰り、岸野さんの作業場で乾燥機にかけることで、青々とした美しい状態を保つことができます。

しめ縄づくりは、芯となる束ねた藁に、長さ120cm程の「実とらず」を足しながら縒り合わせます。乾燥しておいた実とらずは一度水に浸し、藁打機というローラーで潰して柔らかくします。藁打ちをすると、しなやかで強くなり、使いやすくなります。縒り上げた3本の縄は、さらに1本に縒り上げて仕上げます。両手両足で押さえ、緩みのないように、一定の強さで縒るのはかなりの重労働。縒り上げた後は、余分な稲を切り除いてようやく完成です。

近年、生産者の減少により、岸野さんには年間を通して、地方の神社など全国から仲介業者を通じて注文が入ります。長さ30cm(1尺)から10m(33尺)のものまで、太さや形状も様々。飾る場所などに応じて、稲の種類を使い分けるなどのこだわりで、その品質の高さから毎年受注が続きます。特にこの時期は、生産最盛期となり、種類によって異なりますが、朝早くから夜遅くまでかけて1日50~60本生産。作業は今年も12月30日頃まで続けられます。

岸野さんは「年末年始は納期が立て込んで今が最も忙しい時期です。作業は大変ですが、ひとつひとつ丁寧に心を込めて作っています」と話しました。

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