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更新日:2024年4月12日

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2024年(令和6年)4月4日 鶴岡出身作家の絵本を初寄贈

疎開による両都市の交流 次世代へ伝える

戦時中の学童疎開から今年で80年。江戸川区と交流が続く友好都市の山形県鶴岡市の鶴岡地区物産協同組合(山形県鶴岡市山王町3丁目14番)が、同市とのつながりを江戸川区の子どもたちに知ってもらおうと、区立小学校などに同市出身の絵本作家の絵本などを初めて寄贈しました。

鶴岡市から寄贈された絵本たち

鶴岡市と江戸川区の縁が生まれたのは、第二次世界大戦中の1944年。戦況の悪化に伴う食糧事情の悪化や本土攻撃の危機が迫り、都市部の児童らは地方都市や農村などの安全な地域に集団疎開しました。江戸川区内の国民学校でも数十か所に分散して集団疎開が行われ、現在の鶴岡市では約4,200名の児童が生活しました。このことがきっかけとなり、疎開経験者を中心に、文化やスポーツなど市民レベルで親交を深め、1981年5月に両自治体間で友好都市盟約を締結しました。

学童疎開が行われてから今年で80年を迎え、疎開経験者の高齢化が進んでいることから、若い世代が当時の話を聞く機会は減少しています。こうした中、鶴岡地区物産協同組合は、「江戸川区民まつり」をはじめ、区内の主要駅前の広場で開催する物産展など、多いときには年40回以上も出展して、友好都市として同市のPRを行ってきました。しかし近年では、特に若い世代の人から、「鶴岡市がなぜ江戸川区で催事をしているのですか」といった声を聞くことが多くなりました。そこで、同組合は、同市とのつながりを若い世代にもっと伝えていきたいと考え、当時疎開を経験した児童と同世代の子どもたちに身近な絵本などの寄贈を決めました。

今回初めて寄贈した図書は、同市出身の絵本作家ましませつこさん、つちだよしはるさん、さとうまりこさん3名の作品。同市で長く学校司書を務め、現在は学校図書館アドバイザーとして活躍する五十嵐絹子(いがらしきぬこ)さんらが選び、区立保育園1園、区立幼稚園1園、区立小学校2校に合計80冊を寄贈しました。裏表紙には、疎開をきっかけに両自治体の交流が始まり、現在も続いていることを伝えるメッセージが添えられています。

同市と交流がある区立第七葛西小学校(西葛西7丁目)には、20冊の絵本や児童書が届けられました。児童は目を輝かせながら、友達と一緒に読んだり、読み終えた本を交換したりと、思い思いに読書を楽しんでいました。

同組合の眞田順久(さなだよりひさ/65歳)事務局長は、「絵本などを手に取った子どもが、集団疎開から続く両都市のあたたかい交流を知って、平和のありがたみを感じてもらえたら嬉しいです」と話しています。同組合は、区内の子どもたち全員にメッセージを届けることができるよう、今後も保育園や小学校に毎年寄贈を行っていく予定です。

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