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更新日:2023年5月16日

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2023年(令和5年)5月16日 夏の訪れを前に「江戸扇子」の出荷が最盛期

伝統の技が光る粋な逸品

江戸時代から伝わる伝統工芸品「江戸扇子」の技を今に受け継ぐ江戸扇子工房「まつ井(北篠崎2丁目)」では、夏の訪れを前に注文が増え始め、連日制作に追われています。

「江戸扇子」は元禄年間に京都から江戸に伝わったのが始まりと言われ、貴族社会で誕生した繊細で雅やかな「京扇子」に比べて江戸の町人文化が感じられる粋ですっきりとした印象。約30本の骨を使用し、扇面にも華麗な綿や絹が用いられる京扇子とは対照的に、15本の竹の骨と和紙のみで制作され、京扇子の「雅」に対し「粋」な江戸扇子と言われます。パチッと音を立ててきれいに閉じるのが特徴で、寄席などで高座扇子としても使用されています。2枚の表紙に芯紙をはさんで貼り合わせて平地を作る「扇面加工」や、型紙で平地をはさんで折り合わせる「折り」など、30以上ある全制作工程を一人の職人が全て行うことから、こだわりや趣が扇子に現れるのが魅力です。

江戸扇子を制作しているのは、都内でもわずかとなった職人の一人である松井宏(まついひろし/76歳/江戸川区指定無形文化財/平成26年度東京都優秀技能者知事賞受賞)さん。昭和50年代頃までは都内に20人以上の職人がいたものの、現在は2、3人となり、区内では松井さんただ一人が江戸から続く伝統を守り続けています。伝統的な絵柄の扇子を制作するとともに、新たな伝統工芸品を創る事業「えどがわ伝統工芸産学公プロジェクト」を通じて、女子美術大学の学生たちとコラボレーションした作品も手がけています。

職人の松井さんと江戸扇子

今年は5,000本ほどの注文があり、その約5割が5月から8月に集中。お祭りやイベントが復活してきたこともあり、コロナ禍前までとはいかないまでも徐々に注文が増え、昨年より2割ほど増加しました。本格的な夏を前に、松井さんは連日深夜まで作業に追われています。今年の売れ筋は、発売から10年以上のロングセラー商品となった「グラデーション扇子(税込4,430円から)」。扇ぐ時に着物の袖に当たらないように片側が短くデザインされているのが特徴で、閉じたときの扇面の美しい模様とグラデーションが目を引きます。江戸の粋を継承する松井さんと美大生の斬新なデザインアイデアから生み出された評判の逸品です。

常に流行するデザインや色などを意識しているという松井さんは「手にした人の事を思い、1本1本丁寧に作っています。省エネにもつながる夏の必需品として、多くの方に使ってほしい」と話しています。

現在は、タワーホール船堀内の「アンテナショップ エドマチ(船堀4丁目)」や篠崎文化プラザ内の「江戸川区名産品アンテナショップ(篠崎町7丁目)」で店舗販売しているほか、インターネットサイト「えどコレ!(http://www.rakuten.ne.jp/gold/meipro/別ウィンドウで開きます)」でも販売しています。

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