更新日:2024年4月1日
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たばこと健康
たばこの煙は有害物質
たばこには、ニコチンやタール、一酸化炭素など多くの有害物質、発がん性物質が約4,000種類も含まれています。そのため、たばこを吸う人(喫煙者)、そして周りの人の健康にも悪い影響を与えます。
たばこが原因の病気
- がん
たばこを吸う人(喫煙者)は、たばこを吸わない人(非喫煙者)に比べてがんになるリスクは1.6倍で死亡のリスクが1.7倍になります。肺がん、食道がん等様々ながんの原因になっていることが、科学的に証明されています。
- COPD(慢性閉塞性肺疾患)
たばこの煙は肺の奥まで入り込みやすく、細い気管支が炎症を起こすと(細気管支炎)、咳や痰が多くなります。また、肺の組織が破壊されると、古くなったゴム風船のように弾力がなくなり(肺気腫)、空気をうまく吐き出せなくなって息切れをおこします。このような状態が続くことをCOPDといいます。COPDになってしまうと、治療をしても元に戻ることはありません。
- がん、COPD以外のたばこが原因の病気
脳卒中や虚血性心疾患などの循環器の病気、結核などの呼吸器の病気、2型糖尿病、歯周病など多くの病気と関係しており、たばこは予防できる最大の死亡原因であることが分かっています。
たばこによるからだへの影響(一部)
たばこは、脳卒中、歯周病、がん、虚血性心疾患、COPD、結核、2型糖尿病など多くの病気の他、早産、低出生体重児の出産、生まれた子の発育遅延など人体に多くの悪い影響を与えます。
女性とたばこ
たばこの害は女性の方が男性より受けやすいと言われています。
健康はもちろん、妊娠・出産、美容にも悪い影響を与えます。
- 妊娠・出産
妊娠中に喫煙を続けていると、赤ちゃんや胎盤に酸素が十分行きわたらず、小さかったり、未熟な赤ちゃんが生まれる危険が高くなります。
また、乳幼児突然死症候群(SIDS)の要因となることも明らかで、不妊にも影響しています(男性も同様)。
- 美容
たばこの煙は老化を早めます。喫煙本数が多い人ほど閉経の時期が早まり、ホルモンが低下し、
骨量の減少を招き骨粗しょう症の発生が促されます。さらに、肌荒れやシワ、シミ、歯の黒ずみ等、美容にとっても大敵です。
受動喫煙
近くで他の人が吸っているたばこの煙を吸うことをいいます。たばこを吸っている本人が吸う「主流煙」より周りにいる人が吸う「副流煙」のほうが悪影響と言われています。たばこの煙は半径7mまで到達すると言われています。換気扇の下や空気清浄機があっても、受動喫煙を防止することはできません。
- 主流煙より副流煙に多く含まれる物質
ニコチン:がんや循環器系疾患の発症リスクを高めます。
タール:発がん性物質が数多く含まれています。
一酸化炭素:酸素欠乏状態となり、動脈硬化を促進します。
アンモニア:目やのどの粘膜に刺激を与えます。
加熱式たばこと電子たばこ
紙巻たばこに比べにおいが少ないことから健康被害も小さいことを期待し、紙巻たばこから加熱式・電子たばこに替えることがあります。しかし、それは禁煙したことにはなりません。
- 加熱式たばこ
専用の道具を使って、たばこの葉やたばこの葉を加工したものを電気で加熱し、発生する煙を吸入しています。主流煙には多くの種類の有害物質が含まれるもののニコチン以外の有害物質の量は少なかったと報告されています。しかし、販売開始から年月が浅いため、長期使用に伴う健康影響は明らかになっていません。
引用:“eヘルスネット「加熱式たばこの健康影響」”
- 電子たばこ
専用カートリッジ内の液体を加熱して煙を発生させ、吸入しています。電子たばこの使用と疾病及び死亡リスクとの関連について現時点では明らかではありませんが、海外では呼吸困難、息切れ、胸痛といった呼吸器症状や嘔吐や下痢などの消化器症状、発熱や疲労などの症状が報告されています。
引用:“厚生労働省「電子たばこの注意喚起について」”
禁煙することは健康になること
禁煙は病気の予防だけでなく、病気の重症化予防を期待することもできます。禁煙に遅すぎることはありません。
禁煙の効果
禁煙を始めたその日から効果があります。
禁煙を始めた20分後から効果が出始め、数日後には味覚や嗅覚が改善し、歩行が楽になります。2週間から3か月後には心臓や血液循環機能が改善します。1か月後から9か月後には咳や息苦しさが改善し、感染を起こしにくくなります。そして、1年も経つと軽度・中等度の慢性閉塞性肺疾患のある人は肺機能の改善がみられるようになります。
禁煙の方法
「たばこが体に悪いことは分かっている。」「できればやめたいが…」と、禁煙が必要なのは分かってはいるが、なかなか決心がつかない方、是非試してみてください。そして、今はまだ禁煙を考えてはいない方も、今後の参考にしてみてください。
- たばこの健康被害を知る。
まずは自身や周囲への健康被害と向き合ってみましょう。 - 禁煙した時のメリットを考えてみる。
禁煙に対し前向きになれるよう、メリットを書き出してみます。そして、たばこを吸ってしまう理由(原因)を探し、それぞれの対処法を考えてみましょう。 - 薬や禁煙治療等の活用を考えてみる。
たばこに含まれるニコチンは依存性があるため、自力で禁煙するのが難しいことがあります。身体的依存がある場合、薬や病院での治療方法があります。 - ニコチンガム・ニコチンパッチ等の禁煙補助薬
薬局などで購入することができます。禁煙補助薬を使うと、ニコチン切れの症状を抑えることができるので、自力で禁煙するより3~4倍禁煙に成功しやすくなると言われています。 - 禁煙外来への通院
標準的な治療プログラムは、12週間にわたり計5回になります。禁煙補助薬とカウンセリングを併せた治療が行われます。要件を満たせば医療保険が適用されるため、禁煙を成功させるための選択肢として利用を考えてみましょう。2020年12月からはデジタル機器を使った「禁煙治療用アプリ及びCOチェッカー」が保険診療として処方されるようになりました。
江戸川区では、治療を完了した方を対象に治療費を助成する支援があります。
たとえ禁煙に失敗したからといっても落ち込む必要はありません。失敗を恐れずに「とりあえずやってみる。」という気持ちで気楽にはじめてみてください。禁煙に成功した人の多くは、失敗を繰り返しています。何度も失敗をしながら何が悪かったのかを学び、次に進むことができます。
禁煙に遅すぎることはありません。
たばこと健康についてもっと詳しく知りたい方は『とうきょう健康ステーション』をご覧ください。
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