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更新日:2022年6月29日

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2022年(令和4年)6月29日 伝統工芸品「つりしのぶ」の出荷が最盛期

”都内で唯一の専業生産者「萬園」”

軒下などに吊り下げて、暑い夏を涼やかに演出する伝統工芸品「つりしのぶ」。都内唯一の専業生産者「萬園(よろずえん/松島1丁目)」では、出荷最盛期を迎え、園内にずらりと並んだつりしのぶに水やりや葉の手入れなどをする仕上げ作業が行われています。

つりしのぶの仕上がりを見る深野さんつりしのぶは、ヤマゴケを巻き付けた竹材にシダ植物の一種であるシノブの根茎をはわせた観葉植物。乾燥に強く寒い冬を耐え忍ぶことから「シノブ」と名付けられました。コケに水を含ませると青々とした葉を茂らせ、涼を感じさせます。江戸時代の庭師たちがお得意様へのお中元用に作ったのが始まりとされ、明治から昭和初期には一般家庭にも定着。昭和30年代頃までは区内でも生産者が20軒ほどありましたが、生息地の減少などにより、現在では、「萬園」が都内で唯一の専業生産者になりました。

つりしのぶを手掛けているのは、深野晃正(ふかのてるまさ/81歳/区指定無形文化財)さん。昭和10年から続く「萬園」の二代目です。先代である父親の手伝いから始めて、60年以上にわたって培われた技術・技能は高く評価されており、平成22年に都優秀技術者知事賞を受賞。深野さんのこだわりは素材にまで及び、良質で丈夫なシノブを求めて、東北地方の山まで自ら出向いており、一つ一つ丁寧につりしのぶを作り上げます。昭和30~40年代の最盛期には、先代と2人で年間約1万個を生産。高齢化によるしのぶの取り手の減少に加えて、新型コロナウイルス感染症の影響により、一部出荷先の見通しが立たず、今年は昨年の3分の1程度となる約300個を出荷する見込みです。

同園で生産されるつりしのぶは、芯材を「井」の字に組んだ「イゲタ」や木炭の形状を生かした円筒形に苔を巻きつけた「木炭」など全部で約15種類。昔ながらの吊り下げて楽しむタイプやインテリアとしてテーブル上に飾れる置き型タイプなど形も大きさもさまざまで、価格も税込3千円から数万円まで。中でも一番人気は、井桁に組み合わせた木材の中にシノブを入れた「井戸(税別2,800円(注))」。例年、売り上げ全体の約3割を占める看板商品です。

深野さんは「今年は暑い日が続いたので、鮮やかな緑に色づいたつりしのぶができました。乾燥したらたっぷり水を与えてあげると何年ももつので、涼を感じる一品をぜひ手に取ってもらえれば嬉しいです」と話しています。

同園では、各地の百貨店の催事などに出荷する他、直販や江戸川区の名産品を販売するWebサイト「えどコレ!別ウィンドウで開きます」、タワーホール船堀(船堀4丁目)内のアンテナショップ「エドマチ」でも販売を行っています。また、来月11日(月曜日)から22日(金曜日)には、区役所1階多目的スペースにて展示販売を予定しています。

(注)直販料金。インターネット販売は値段が異なります。

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