更新日:2021年11月10日
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相談事例から「トコジラミの発生」
寮の中のある部屋で、トコジラミが発生し困っています。
アドバイス
トコジラミ(別名ナンキンムシ)は、カメムシの仲間で、体長は5~9ミリで平たく楕円形をしており、色は褐色です。羽はなく飛べませんが、とても速く歩きます。昼間は壁や柱、家具のすきまやベッドの裏、畳の縁などのあらゆる隙間にひそみ(=潜伏場所)、主に夜に出てきて、寝ている人やペットを刺して吸血します。手足や首など露出した部分がねらわれやすく、くりかえし吸血されることによるアレルギー反応で激しいかゆみが出ます。トコジラミの潜伏場所には、黒いフン痕が点々と見られます。
相談事例では発生しているのはこの部屋だけでしたが、荷物などにまぎれて他の部屋に移動することもあるので、早期の段階で駆除が必要です。吸血しなくても1年くらいは生きていることがあり、完全な駆除には長期間を要します。近年の人や物の世界規模の移動の増加に伴い、トコジラミの相談・被害件数が増加しています。
個人での完全な駆除は難しく、保健所では専門の駆除業者による駆除をおすすめしています。安易にくん煙剤を使用すると、トコジラミが隙間の奥に入り込み駆除が難しくなる場合があります。
トコジラミ成虫
駆除法
近年、一般的に薬局などで市販されているピレスロイド系の殺虫剤(殺虫用エアゾール・くん煙剤等)が効かないトコジラミ(スーパートコジラミ)の被害が急速に広がっています。
- トコジラミを見つけたら、ガムテープや粘着テープで捕獲し、潰して駆除する。
- 整理整頓をしてすみずみまで掃除機をよくかけ、ごみはすぐ密封して捨てる。
- カーテン・寝具類・衣類などは熱処理し、処理後すぐに使用しないものはビニール袋等に封印し、トコジラミの再付着や生息を防止する。
- 布団などの大きな物の縁(ファスナー部・縫い目)にアイロンがけをする。
- 熱処理できない物(本やかばん等)はビニール袋を2重にして、防虫剤(パラジクロロベンゼン)と一緒に入れ封印する。封印期間は、夏は2週間、春・秋は1ヶ月、冬は半年間封印する。
- 殺虫剤を使用する場合は、スーパートコジラミに有効なプロポクスル(カルバーメート系)またはメトキサジアゾン(オキサジアゾール系)の成分を含む製品を使用する。
- 処理のたびに効果を見ながらやり方を見直すなど、しばらく経過観察が必要となる。