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更新日:2022年4月1日

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2つの世界にそれぞれ生まれた、とある赤ちゃんのものがたり

これは、「協力しあうことなく2100年をむかえる江戸川区」「ともに力をあわせて2100年をむかえる江戸川区」の2つの世界にそれぞれ生まれた、とある赤ちゃんのものがたり。

協力しあうことなく2100年をむかえる江戸川区

水とみどりに満ちた江戸川区に、わたしは生まれた。
近所には友だちもすくなくて、なかよくなっても、ひとり、またひとりとひっこしていった。
公園をひろびろと使えるのは楽しかったけど、木や花のお世話をする人はいなくて、雑草がのびほうだい。
近所のみんなも、見て見ぬふりをしているみたい。

小学校でも、クラスメイトはだんだん減っていった。
体育館や校庭でのびのび動けるのはいいけれど、使われない教室があったり、校舎もところどころ古びていた。
「人口もお金も減っているからしかたない」と大人たちは言う。
わたしたちもほんとうはどうにかしたいと思っていたのに、けっきょくだれも、なにも言い出さなかった。
先生は「希望をもって明るい未来をつくろう」って話すけど、どこから、なにから始めればいいのか、ぜんぜんわからなかった。

わたしが大人になるにつれ、人と人が声をかけあうことも、だんだんと減っていった。
それがいいと言う人もいるけれど、わたしはすこしさみしかった。
大好きだったおまつりも、参加者がすくなくて、とうとう中止に。
商店街では、シャッターがおりたままのお店が増えていった。
「じまんのまち」と書かれた古いポスターを見かけたとき、にぎやかだった昔を思い出して、ためいきがこぼれた。

区の施設に人が集まっているところを見かけなくなった。
このまちに暮らしている人はいるけれど、たがいに無関心みたいだ。
そう思ったあと、自分もそのひとりだと気づいて、また、ためいきが出た。
いまの生活も悪いことばかりじゃないけれど、毎日なんとなく暮らしてはいるけれど、どこか物足りない。
もっとだれかと話したいな。いっしょになにかやりたいな。
おなじ気持ちの人はいないのかな。

歳を重ねるにつれて、後悔も強くなっていった。
意見を口にしなかったこと。
自分から動こうとしなかったこと。
仕方ないやと思いながら、ただただ日々を過ごしたこと。
もしも時間を巻き戻せるなら……。
だけどいまさら気づいても、もう、遅いんだ……。

ともに力をあわせて2100年をむかえる江戸川区

水とみどりに満ちた江戸川区に、わたしは生まれた。
ちいさいころから、外で遊ぶのが大好きで、お気に入りは、いろんな木や花が育てられている公園。
近所のみんなで手入れしているから、季節ごとにきれいな花が咲く。
なかよしの子も、ひとり、またひとりと増えていって、自然の中で元気いっぱい遊んだ。

小学校でも、いろんな子と友だちになった。
一人ひとりの個性をたいせつに、
こまったときは助けあう。
黒板や机を、長く、
ていねいに使いつづけるためにどうすればいいかみんなで意見を出しあったりもした。
「いまから、わたしたちから、始めなくちゃ」
が合言葉になった。

大人になったわたしは、
お客さんの笑顔や区のサポートのおかげで、
ずっと夢だったパン屋をオープンさせることができた。
大好きなおまつりにもスタッフとして参加するようになった。
感謝と笑顔が人と人を結んで、ここでの生活がどんどん好きになる。
「じまんのまち!」
って大きな声でさけびたいくらい、しあわせだ。

月に一度、
まちに住む人、まちで働く人が区の施設に集まって、
いろんな意見や希望について話しあう。
「この提案を実現するには、こうしてみるのがいいんじゃないか」
「これは我が社も協力しますよ。まかせてください」
まちのこれからについてにぎやかに語りあっていると、
ひとりじゃないって思えて、
やりたいことが増えてくるんだ。

あるとき、ふと考えた。
もしもあのとき、動いていなかったら。
もしもあのとき、助けあうことがなかったら。
きっといまごろ活気のないまちで、毎日なんとなく暮らしていたんじゃないかな。
そう思ったとき、「もしも」の世界で生きる自分の姿が見えた。
後悔ばかりで前に進めずにいるわたしを、わたしは助けたかった。
いままでいろんな人にささえてもらったように。
だからわたしは、わたしに手を伸ばした。


わたしは、わたしに、語りかけた。
「いまから、わたしたちから、始めなくちゃ」
だって、いつの時代にも課題はある。
答えがない問題だって、たくさんある。
だけどそれは「なにもできない」ということじゃない。
どんな「いま」も、「未来」につながってるんだから。
できることを探して、動きださなくちゃ。
ひとりじゃないよ。いつだって、ともに生きるだれかがいる。
あなたはどうしたい?どんな未来を思い描く?
あなたの思いを聞かせて。

そうしてわたしたちは、ともに考えはじめた。
自分たちにもできることがあると信じて。
さあ、つぎはあなたの番。
あなたはどうしたい?どんな未来を思い描く?
2100年は、今日生まれた赤ちゃんが80歳になるころ。
そう考えると、未来といまは、まっすぐにつながっていることがわかります。
わたしたちがどのような暮らしを選び、日々をどのように生きれば、明るい未来につないでいくことができるのか。
その答えは、人と人がささえあい、「ともに、生きる。」ことにあるのではないでしょうか。
今日から行動を起こすことで、未来はかわっていく。
だから、ともに話しあい、考えるところから始めましょう。

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