更新日:2023年1月6日
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展示内容について
展示室は4つのテーマに沿って、区民から寄託された戦争資料や解説パネル等約100点を展示しています。
1 昭和二十年三月十日の空襲
1945(昭和20)年3月10日未明、アメリカ軍の大型爆撃機B29による空襲によって一夜にして都内では推定10万人、区内でも約800人の尊い命が失われました。焼夷弾の残がい等、この大空襲の凄まじさを示す数々の資料や図表、実際に被災した方々の体験談のパネル等を展示して、当時の状況を伝えます。
主な展示品
焼夷弾の残がい
アメリカ軍が木造住宅の密集した市街地を焼き払うために開発した爆弾です。東京大空襲では、粘着性のある油脂(ナパーム)を詰めた、貫徹力の強い合金製の焼夷弾38本を束にした「M69収束焼夷弾」が用いられています。投下の数秒後に、油脂を詰めた焼夷弾単体がばらばらになって落下しました。油脂が燃えつきると、筒だけが残りました。
罹災証明書
空襲で家を焼け出された区民の方々に区が発行した罹災証明書で、救済物資や数日分の食料を得る大切な文書です。3月10日の空襲ではあまりにも罹災者が多く、ガリ版刷りや手書きのものもありました。写真の証明書には、旧町名の「逆井」、当時の江戸川区長名、「昭和二十年三月十日」の日付、「見舞金支払済」等の記載を確認することができます。
2 江戸川区の学童疎開
1944(昭和19)年8月に江戸川区内の児童が、山形県内の20か所に疎開しました。
これは戦争がいよいよ激しくなるなか、東京等の都市においては、食糧事情の悪化や本土空襲のおそれさえ出てくるなかで、児童を戦禍から守り、教育を続けるために、国策として実施されました。
疎開先からの手紙等を展示するとともに、学童疎開をきっかけに生まれた山形県鶴岡市との交流についても解説します。
主な展示品
疎開先からの手紙
疎開先への面会(父兄面会)も実施されましたが、離れ離れになった親子のやりとりは、手紙が主でした。自分の元気な様子を報告し、両親の安全・健康を気遣う内容となっています。また、絵手紙には疎開先から見た鳥海山(山形県と秋田県にまたがる活火山)が描かれています。
宮内町(現・山形県南陽町)熊野神社講堂での食事
集団疎開の対象児童は初等科の第3学年から第6学年まででした。1944(昭和19)年9月30日時点で、区内初等科児童25,336名のうち、5,111名が集団疎開に参加していました。また、地方の親類や知人を頼る縁故疎開で江戸川区を離れた児童は11,097名に及びました。
3 戦時下のくらし
日本が戦争へと歩みを進めていくなか当然江戸川区民も無関係ではいられませんでした。人々は、徴兵され兵役に就く出征兵士のために、寄せ書きや千人針を作り、送り出しました。
そのような状況下でも国民は、警防団や隣組を組織し、一致団結して地域を守りました。当時の区民の生活状況が分かる展示内容です。
主な展示品
寄せ書き日章旗
出征に際して、職場の同僚が寄せ書きをした日章旗です。「ライオン油脂」は1936(昭和11)年4月、平井に新工場を落成しています。また、中央上部に、戦場での幸運を祈る「武運長久」の文字が記されています。戦時中、出征する兵士を見送る光景は日本各地で見られました。
千人針
出征兵士へ女性が送った武運と幸運を祈る、腹に巻くお守りです。糸の玉留めは「弾を止める」というまじない。虎の絵は、虎が「千里を走って千里を帰る」の言い伝えによるものです。また「死線を越える」という験をかつぎ、中央部に五銭貨幣が縫い付けられています。
4 平和なふるさとに
江戸川区民は敗戦の焼け跡から復興を果たし、さらに幾多の困難を乗り越えて平和で安全なふるさとを築いてきました。1995(平成7)年12月1日には平和都市宣言を行い、また江戸川区内では戦争で犠牲になった方々を慰霊し、平和への誓いを新たにする事業、行事が続けられており、このコーナーではその活動を紹介しています。
主な展示品
国連平和の鐘(レプリカ)
国連平和の鐘は、元日本国際連合協会理事・元宇和島市長の故・中川千代治氏が自らの悲惨な戦争体験により、世界恒久平和を願い、当時の国際連合加盟60余か国の人々やローマ法王から寄贈されたコインを鋳込んで作り、1954(昭和29)年にニューヨークの国連本部に寄贈した鐘です。今回寄贈を受けて展示するレプリカには、多田前区長、小松川・平井地区の小・中・高等学校と地元の方々から寄せられた外国のコインが鋳込まれています。
5 その他の所蔵品
一般展示はしていませんが、貴重な資料をご紹介します。
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