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更新日:2023年12月15日

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「少子化への対応」「安全・安心なまち」「SDGsの推進」三つの視点からさらなる発展を

令和5年第4回江戸川区議会定例会が、11月21日から12月8日までの会期で開催されました。本会議冒頭に行われた斉藤区長の招集あいさつを紹介します。

記録的な暑さに見舞われた11月も半ばを過ぎ、ようやく冬の訪れを感じるようになりました。

振り返れば半年前、新型コロナウイルス感染症の位置付けが5類へと移行しました。それ以降、社会・経済活動は少しずつ元の姿を取り戻してきました。

今年は「4年ぶり」という言葉が特別な意味を持ち、新語・流行語大賞にもノミネートされました。本区でも、春以降の地域でのイベントや夏の花火大会、そして5年ぶりに開催された区民まつりなど、地域の皆さまが集まり、笑顔を交わす機会が区内各所で復活しています。

さらに今月3日には、区ゆかりの児童文学作家、角野栄子さんの世界観を体験することができる「魔法の文学館」もオープンし、大きな話題を呼んでいるところです。

なぎさ公園の丘の風景と一体となった文学館は、入る前から物語の世界へといざなってくれます。今後もますます区内に、にぎわいが生まれてくるものと期待しています。

そうした盛り上がりをさらなる発展につなげていくためにも、今後区が行う施策について三つの視点からご紹介をいたします。

10月17日には「魔法の文学館」のオープニングセレモニーが行われました

幅広い世代の声を聴き 少子化への対応を推進

まず一つ目は、「少子化への対応」です。

本区では今年度、少子化に対する施策を「えどがわ50の子育てプラン」として取りまとめ、集中的に展開しています。すでにそのうちの9割以上の施策が実現に至っています。

特に給食費については、今年9月、区立小・中学校や幼稚園、認定こども園で無償化し、10月には保育ママでも無償で給食の提供を開始したところです。そして今回は、その対象になっていなかった盲学校、ろう学校を含む国公立の特別支援学校に通学する児童・生徒についても、区立小・中学校の給食費と同額を、今年の9月にさかのぼって補助します。引き続き「食」の面から子どもの健やかな成長を支援するとともに、子育て世帯の経済的な負担の軽減を図ってまいります。

また、こうした施策と併せて現在、「未来を担う子どものための区民基礎調査」を実施しています。これは当事者である子ども・若者や保護者はもちろん、シニア世代や子育ての経験のない方も対象としたアンケート調査です。幅広く少子化や子どもに対する考えをお伺いし、頂いた声は今後の少子化への対応や子育て施策に役立てていきたいと考えています。

現在進めている「えどがわ50の子育てプラン」についても、この調査結果や今後の財政状況を踏まえながら、単年度ごとに検証を行い、より実効性をもって展開してまいります。

集合住宅での防犯カメラ実証実験

二つ目は「安全・安心なまち」です。

コロナ禍からの回復により社会・経済活動が活発化している反面、今年の区内の刑法犯認知件数、特に自転車盗難の件数は昨年を大幅に上回るペースで増加しています。

被害状況を分析すると、特にマンションやアパートなど集合住宅での被害が約半数を占めることが分かります。しかも、夜間から早朝という人の目が少ない時間帯に多く発生しています。

そこで本区では「集合住宅における防犯カメラ設置の実証実験」を行います。現在、公道に向けた防犯カメラに対しては設置のための補助制度がありますが、私有地に向けたものは補助の対象外となっています。

ついては自転車盗難の被害が多い区内の集合住宅10カ所にご協力をいただき、防犯カメラ計80台を設置して、私有地における効果を検証してまいります。

防犯カメラは時間帯を問わず犯罪抑止の効果が期待でき、また実際に被害が発生した際には捜査の助けにもなるものです。今回の実証実験の結果をもとに、今後の対策に生かしてまいります。

24時間利用可能なAEDを増やすために

また、「いざという時の人命救助」という観点から、「区立施設に設置してあるAEDの屋外化」にも取り組みます。AEDとは、突然、心停止を起こした方の命を救うための医療機器です。現在、学校や保育園を含む区立施設、警察署、消防署、民間施設など、区内1100カ所以上に設置されています。しかし、ほとんどが屋内に設置されているため、使用できるのは施設が開館している時間帯に限られます。24時間通して確実に使用できるものは、区内に50カ所しかありません。

そこで、今年度は区立施設128カ所、来年度は100カ所以上のAEDを屋外へ移設します。これにより全ての区立小・中学校をはじめ、設置可能な施設において屋外化が進み、機器の利用環境が整います。大切な命が助かる可能性を1パーセントでも高められるよう、集中的に取り組んでまいります。

屋外に設置するAED(イメージ)

一人ひとりの行動をSDGs推進の大きな力に

三つ目は「SDGsの推進」です。

この秋も区立小・中学校の周年行事に参加していますが、篠崎小学校の140周年記念式典では6年生の皆さんが「篠崎SDGs」について発表してくれました。これは「SDGsえどがわ10の行動」を基に自分たちが取り組めることを調べ、考えたものです。

例えば、食品ロスを減らすための提案は「全校児童が給食をあと一口ずつ食べる。そうすれば、ひと月に120キログラムの食べ残しを減らすことができる」というものでした。また、電気を大切に使うために「学校にある51個のトイレのふたを必ず閉める。そうすれば年間5万
5千円分の節電になる」という提案もありました。いずれも子どもたちならではの視点で具体的にまとめられておりました。発表の最後には、「大切なことは、一人ひとりの意識が変わっていくこと。そして行動していくこと。小さな力が集まれば大きな力になる」と力強く締めくくっており、その真剣さと頼もしさに大変心を打たれました。

このようにSDGsに対する意識の高まりを感じる中、本区では、その達成につながる行動を区民の皆さまに広く実践していただくため、先月SDGsアプリ「eito(エイト)」をリリースしました。

このアプリは民間と共同開発したもので、SDGsの目標達成につながる行動などが日替わりで提示され、実践するとそれに応じてポイントが貯まります。貯まったポイントは区立施設やお店で使うことができ、毎日楽しみながら行動を継続することができます。ぜひ一人でも多くの方に活用いただきたいと思います。

また本区では共生社会の実現を目指し、令和3年7月に「ともに生きるまちを目指す条例」を制定しましたが、それに関連する条例として本定例会には「多文化共生のまち推進条例」をお諮りしています。

区には現在、4万人以上の外国籍の方がお住まいです。今後もその数は増えると見込まれており、2100年には区民の6人に1人が外国籍の方になると推計されています。生まれ育った国や地域にかかわらず、全ての人が「一人の江戸川区民」として尊重される社会。その実現に向けた基盤としてこの条例を制定し、さまざまな施策を展開してまいります。

区では9月25日〜12月9日までを「SDGs Season」として、SDGs FESの開催などさまざまな取り組みを実施しました

SDGsアプリ「eito」のトップ画面

時代の流れを読みメリハリある新年度予算に

さて、現在本区では令和6年度予算の編成作業を行っています。昨年度は「共生社会ビジョン」と「SDGsビジョン」、そして今年度はその実現のための「アクションプラン」を取りまとめました。引き続き区民の皆さまの声をお聴きしながら、その実現に向けて行動していく段階に入ります。

2100年に向けて人口が減少し財政規模も縮小すると推計される中において、区政を持続可能なものにしていくためには、今から考え、一つずつ着手していかなければなりません。

コロナ禍を経て景気は回復基調にあり、現在のところ区の税収も堅調に推移しています。しかし、物価や人件費の高騰など急速に変化する社会情勢への対応をはじめ、いつ発生してもおかしくない大規模災害への備えや、公共施設の再編・整備など、財政面における課題は待ったなしの状態です。さらに、「都市圏の自治体は裕福であり、充実した施策展開ができている」という一方的な認識に基づいて都市圏から税源を奪い、それを地方に配分するという国の動向なども引き続き注視していかなければいけません。

こうした状況も踏まえつつ、新年度予算の編成に当たっては、前例踏襲に陥ることなく施策や事業の効果を適切に見極めながら、時代に即したメリハリのある予算となるよう十分に留意してまいります。

将来世代に負担を先送りすることなく、長い歴史の中で先人たちが育んできたこの江戸川区を、今も、そして未来も守り続けていくことができるよう、区民の皆さま、区議会議員の皆さまと力を合わせ歩みを進めてまいります。引き続き、ご理解ご協力のほどよろしくお願いいたします。

さて、今回提案いたします補正予算でありますが、先ほど申し上げた案件をはじめ、一般会計、特別会計合わせて総額は25億7千万円余であります。

本定例会にはこれら補正予算に加え、条例の新設・改正や指定管理者の指定など合計で20件の議案をお諮りしています。また、1件の報告事項もございます。それぞれご審議の上、ご決定いただきたいと存じます。

未来に向けた二つのビジョンを基に今年度は実現に向けた「アクションプラン」を策定

このページに関するお問い合わせ

このページはSDGs推進部広報課が担当しています。

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