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更新日:2023年10月15日

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区民の声を形にすべく さまざまな施策に挑戦

令和5年第3回江戸川区議会定例会が、9月20日から10月26日までの会期で開催されています。本会議冒頭に行われた斉藤区長の招集あいさつを紹介します。

今年は、国をはじめとする関係機関や報道などで大きく取り上げられていますように、関東大震災の発生から100年になります。

1923年9月1日午前11時58分、相模湾北西部を震源とするマグニチュード7・9の大地震が発生しました。この地震による死者・行方不明者は、首都圏を中心に10万人以上に及びました。揺れの大きさもさることながら、発生が昼食の時間と重なったため、燃え広がった火災によって多くの方が犠牲になったと記録されています。

私たちはその後も、阪神・淡路大震災や東日本大震災など数々の震災を目の当たりにしてきました。地震だけではありません。水害や富士山の噴火など、大規模災害のリスクは平穏な日常と隣り合わせにあります。

関東大震災から100年という節目に、「いつ、いかなる災害が起きてもおかしくない」という緊張感とともに、ハード・ソフト両面における「災害に強いまちづくり」への想いを新たにしたところです。

災害時にも迅速かつ的確に情報収集できる環境を整備

そのような中、先の定例会では地震時の電気による火災を防ぐ「感震ブレーカー」の全戸配布についてお諮りし、ご承認をいただきました。9月末以降順次、対象となる世帯に申込書を発送いたします。

そして本定例会では、さらなる災害対策の一環として、災害用カメラの設置に向けた調査・設計についてお諮りしています。これは、小・中学校や公共施設など区内200カ所程度を対象にカメラを設置し、いざという時、区内の状況をリアルタイムで把握できるようにするものです。これにより、迅速かつ的確な情報収集が可能となります。さらに今後は、カメラで確認できない箇所についてドローンの活用なども検討していきます。

また、電話やインターネットなどの通信サービスが使えなくなった場合には、避難所が孤立する可能性もあります。そこで、独自の通信網の設置も計画してまいります。

こうした災害対策は、今の区民の皆さまはもちろん、2100年に向けた未来の世代の命を守る取り組みでもあります。「未来を見据えて、今行うべきことを着実に実行する」。この姿勢は、災害対策だけでなく他の区政課題においても変わりません。その中でも特に重要な課題の一つが、かねてより申し上げているとおり少子化への対応です。

結婚から子育てまで総合的に支援策を展開

区では現在、出生数や婚姻数、合計特殊出生率などが軒並み減少傾向にあり、このままでは2100年の人口が今の半分、35万人にまで減少する可能性もあります。

人口減少は日本全体で起きている問題です。転入者を増やすための取り組みだけでは単なるパイの奪い合いとなり、根本的な解決には至りません。

そこで本区では、結婚や出産、子育てを希望する方がその望みをかなえることができるよう、「えどがわ50の子育てプラン」として総合的に取りまとめ、順次展開しています。

今後実施する施策として、まず、「プレコンセプションケア」があります。

結婚や出産前の方が将来の妊娠を考えながら、早いうちから自分の体や健康に向き合うことができる取り組みを「プレコンセプションケア」と呼びますが、本区では、男女問わず、アプリを活用した健康管理や医師による専門相談の実施、希望する方への無料の妊娠可能性検査などを通してその支援を行ってまいります。

また、縁があって区内で新婚生活をスタートされるカップルに対しては、区からのお祝いの気持ちと、区の魅力を知って長く住み続けていただきたいという願いを込めて「結婚パス」の事業を開始します。これは区の宿泊施設やスポーツ施設、また区内銭湯などをお得に利用できる、一人当たり1万円、夫婦で2万円相当のクーポンをプレゼントするもので、結婚後1年以内に江戸川区にお住まいの方であればどなたでもお使いいただけます。

そして、お子さんが生まれた家庭に対しては、その支援を拡充するために乳児養育手当の支給対象を拡大します。これまで設けていた所得制限を撤廃するとともに、「保育施設を利用する家庭を除く」という要件も見直し、0歳児を養育するより多くの家庭に1万3千円の手当をお渡しいたします。

さらに、0歳児のいる家庭に対しては「おむつ定期便」も実施します。これは、おむつなど子育てに必要となるベビー用品を、「見守り配達員」が月に1回程度、直接お届けするサービスです。子育て中の家庭の経済的負担を軽減するとともに、子育て経験のある「見守り配達員」が、対象の家庭と接する中で子育ての悩みや不安をお伺いし、必要な情報提供などを行ってまいります。

また保育料については、これまで補助の対象とならなかった、私立幼稚園の預かり保育を利用する第二子以降の満3歳児について、就労などにより保育の必要性が認められる場合にその利用料を実質無償化します。

これら「50の子育てプラン」は、財政状況を踏まえ毎年検証してまいりますが、2100年に向けて、これから生まれてくる子どもたちにとっても「住みよい江戸川区」であり続けるよう、多角的な視点をもって引き続き推進してまいります。

未来の江戸川区のために「アクションプラン」を策定

このように本区では、2100年を見据えた取り組みを進めているところですが、その目指す姿を9千人に上る区民の皆さまの声とともに描いたのが、令和4年8月に策定した「共生社会ビジョン」です。そしてこのたび、その理念を実現するための取り組みを「アクションプラン」として取りまとめました。

このアクションプランには、2100年にかけて人口が減少し財政規模が縮小すると見込まれる中、未来のために取り組むべき施策の方向性がまとめられています。中には、今を生きる私たちにとって耳の痛い話もあるかもしれません。しかし、そこから目を背けていては皆さまと作り上げたビジョンを実現することはできません。

アクションプラン策定の過程では、2度にわたって意見募集を行い、多くの方からご意見をいただきましたが、その中で区内40代の方から次のようなコメントをいただきました。

「なんとなく、今のまま逃げ切れればいいかなと思いながら暮らしている自分に刺さる提言でした。慣れ親しんだまちでこれからも長く暮らしていきたいので、もっと関心を持って行動していきたいと思いました」

この「逃げ切れればいい」という言葉は、もしかしたら私たちの心の奥底にある本音を言い表しているものかもしれません。しかし、「自分たちさえよければ」と見て見ぬふりをし、このまま成り行きに任せていては明るい未来を見いだしていくことはできません。今を生きる私たちには、この住みよい江戸川区を未来の世代へとしっかりと引き継いでいく責務があります。

区民の声を形にふるさと納税制度を活用

今後はいよいよ、このアクションプランの方向性に沿って区民の皆さまの声をお聴きしながら行動に移していく段階に移ります。

その試みの一つとして、8月下旬、「区民と区職員による政策提案プレゼンテーション」を開催しました。これは、区民の皆さまや区の若手職員から政策の提案を募り、実際にプレゼンテーションを行っていただくというものです。

この取り組みには、小学4年生から80代の方まで、子育て中の方や留学生、障害のある方など、合計32グループ、1‌03人のさまざまな立場の方にご参加いただきました。

当日の様子はライブ配信を行いましたが、環境・防災・子育て・教育・魅力発信など幅広い分野についてご提案をいただき、今すぐに実行できそうなものから、これまで区では発想の無かった新しい視点でのご提案まで、多様なアイデアをお寄せいただきました。

今後は区民の皆さまの声をお聴きしながら、頂いたご提案を形にしていきたいと考えています。そこで、その実現のための手段としてふるさと納税の仕組みを活用してまいります。

ふるさと納税による区民税の流出額の影響は深刻で、23区全体の令和5年度の流出額は、過去最高の828億円になると見込まれています。本区においてもその額は年々増加しており、令和5年度は30億円に迫る額となっています。

区は以前より、ふるさと納税の過剰な返礼品競争には反対の立場をとってきましたが、今回の取り組みでは、制度本来の趣旨を踏まえ、返礼品無しの「ふるさと納税型クラウドファンディング」を導入します。

まず、区民の皆さまから頂いたご提案について、目標額を設定の上、実現のための寄付を募ります。その結果、目標に届いたものについては事業化して実施していきたいと考えています。

まさに、区民の皆さまの声を区民の皆さまの想いで形にしていく取り組みです。新たな区政参画の仕組みとしてチャレンジしてまいります。


8月23日・24日に行われた「区民と区職員による政策提案プレゼンテーション」では、参加者からさまざまな提案を頂きました

わくわくするような本の世界へ「魔法の文学館」がオープン

さて、来たる11月3日、いよいよ「魔法の文学館」がオープンします。

児童文学界のノーベル賞ともいわれる国際アンデルセン賞を受賞した角野栄子さんの文学館であり、世界的な建築家・隈研吾さんが設計を手掛けた建物とあって、すでに多くの注目が集まっているところです。10月には区民限定の先行内覧会や記念イベントが開催され、角野さんの代表作をまとったラッピングバスが最寄りを走るなど、オープンに向けた期待感も盛り上がりを見せてきます。ぜひ多くの方にお越しいただき、わくわくするような魔法の世界に触れていただければと思っています。

将来に向けてにぎわいの広がるこのエリアをはじめ、区内各地域において地域ごとの「江戸川区らしさ」を大切にしながら、今後も多くの方に「訪れたい」「住んでみたい」と思っていただけるよう、区民の皆さま、区議会議員の皆さまとともに、区の魅力の創造・発信に努めてまいります。ご理解ご協力のほどよろしくお願いいたします。


なぎさ公園内に開館する魔法の文学館(南葛西7丁目3番1号)

透明性の高い区政運営を

最後になりますが、区はこれまで申し上げてきたような皆さまに喜んでいただく施策の発信だけでなく、良くない内容の発信も行っていく姿勢であります。

今年6月に公表しております、生活保護受給者の死亡後の対応を区職員が行わないまま、2カ月半経過していた件につきましては、亡くなられた方のみならず、多大なご心配とご迷惑をおかけしました関係者の皆さまに、深くおわび申し上げます。本件はあってはならない事案であり、あらためて亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げます。

またその後も、生活保護費の支給における不適正な処理や、児童相談所での措置費の算定における誤りが判明し、区民の皆さまの信頼を損ねてしまったことを、重ねておわび申し上げます。

そのうち、生活保護の件に関しては現在、有識者などにより構成される委員会において、事案の検証および再発防止対策の検討が行われているところです。委員会での議論を踏まえ、生活保護業務の適正化と信頼回復に取り組んでまいります。

さて、本定例会にお諮りしております令和4年度の一般会計決算につきましては、令和3年度に比べ、新型コロナウイルス感染症対策経費の減少により、歳出の総額は前年度比97億円減の3185億円となりました。

一方で、景気の順調な回復を背景に、歳入の多くを占める財政調整交付金、特別区税は、ともに過去最高額となっています。

社会・経済がコロナ禍からの回復を見せ、区政も平時に戻りつつある中、本区は今後も堅実な財政運営に努め、健全財政を堅持してまいります。

また、今回提案いたします補正予算でありますが、先ほど申し上げた案件をはじめ、一般会計、特別会計合わせて総額は57億7千万円余であります。

本定例会にはこれら補正予算に加え、「ともに生きるまちを目指す条例」に関連する四つの条例の新設など、合計で21件の議案をお諮りしています。さらに、決算の認定など5件の報告事項もございます。それぞれご審議の上、ご決定いただきたいと存じます。

このページに関するお問い合わせ

このページはSDGs推進部広報課が担当しています。

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