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更新日:2022年9月8日

ページID:38742

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いまから、わたしたちから。~2100年の江戸川区~

202X年、江戸川区に2人の赤ちゃんが誕生します。この赤ちゃんは、これからどんな人生をおくるのでしょうか?
2つの「ものがたり」が同時に始まります。

協力しあうことなく2100年をむかえる江戸川区

挿絵(赤ちゃん)

水とみどりに満ちた江戸川区に、わたしは生まれた。

挿絵(子どもが走っている)

近所には友だちもすくなくて、なかよくなっても、ひとり、またひとりとひっこしていった。
公園をひろびろと使えるのはうれしかったけれど、木や花のお世話をする人はいなくて、雑草がのびほうだい。
近所のみんなも、見て見ぬふりをしているみたい。

挿絵(授業を受けている子ども)

小学校でも、クラスメイトはだんだん減っていった。体育館や校庭でのびのび動けるのはいいけれど、使われない教室があったり、校舎もところどころ古びていた。「人口もお金も減っているからしかたない」と大人たちは言う。わたしたちもほんとうはどうにかしたいと思っていたのに、けっきょくだれも、なにも言い出さなかった。先生は「希望をもって明るい未来をつくろう」って話すけれど、どこから、なにから始めればいいのか、ぜんぜんわからなかった。

挿絵(シャッターのしまったお店を見る人)

わたしが大人になるにつれ、人と人とが声をかけあうことも、だんだんと減っていった。
それがいいと言う人もいるけれど、わたしはすこしさみしかった。
大好きだったおまつりも、参加者がすくなくて、とうとう中止に。
商店街では、シャッターがおりたままのお店が増えていった。
「じまんのまち」と書かれた古いポスターを見かけたとき、にぎやかだった昔を思い出して、ためいきがこぼれた。

挿絵(街を歩く人たち)

区の施設に人が集まっているところを見かけなくなった。
このまちに暮らしている人はいるけれど、たがいに無関心みたいだ。
そう思ったあと、自分もそのひとりだと気づいて、また、ためいきが出た。
いまの生活も悪いことばかりじゃないけれど、毎日なんとなく暮らしてはいるけれど、どこか物足りない。
もっとだれかと話したいな。いっしょになにかやりたいな。
同じ気持ちの人はいないのかな。

挿絵(たたずむひとりの人)

年を重ねるにつれて、後悔も強くなっていった。
意見を口にしなかったこと。
自分から動こうとしなかったこと。
仕方ないやと思いながら、ただただ日々を過ごしたこと。
もしも時間を巻きもどせるなら……。
だけどいまさら気づいても、もう、おそいんだ……。

ともに力をあわせて2100年をむかえる江戸川区

挿絵(赤ちゃん)

水とみどりに満ちた江戸川区に、わたしは生まれた。

挿絵(走っている子どもと車いすの子ども)

小さいころから、外で遊ぶのが大好きで、お気に入りは、いろんな木や花が育てられている公園。
近所のみんなで手入れしているから、季節ごとにきれいな花が咲く。
なかよしの子も、ひとり、またひとりと増えていって、自然の中で元気いっぱい遊んだ。

挿絵(教室で話をしている子どもたち)

小学校でも、いろんな子と友だちになった。
一人ひとりの個性を大切に、こまったときは助けあう。
黒板や机を、長く、ていねいに使いつづけるためにどうすればいいか、
みんなで意見を出しあったりもした。
「いまから、わたしたちから、始めなくちゃ」
が合言葉になった。

挿絵(お店の前で話をしている人たち)

大人になったわたしは、みんなのサポートのおかげで、近くの商店街にずっと夢だったパン屋をオープンさせることができた。
商店街はにぎやかで、空き店舗が出ても、すぐに新しいお店がオープンし、わたしの小さなお店にもたくさんのお客さんが来てくれた。
大好きなおまつりにもスタッフとして参加するようになった。
感謝と笑顔が人と人を結んで、ここでの生活がどんどん好きになる。
「じまんのまち!」って大きな声でさけびたいくらい、しあわせだ。

挿絵(会話をする人たち)

月に一度、まちに住む人、まちで働く人が区の施設に集まって、行政の人もいっしょに、いろんな意見や希望について話しあう。
「この提案を実現するには、こうしてみるのがいいんじゃないか」
「これは我が社も協力しますよ。まかせてください」
「わたしたちはこの部分をお手伝いしましょう」
このまちでは、大人も子どもも、大きい会社も小さい会社も、みんなが主人公。まちのこれからについてにぎやかに語りあっていると、ひとりじゃないって思えて、やりたいことが増えてくるんだ。

挿絵(3人の立っている人)

あるとき、ふと考えた。
もしもあのとき、動いていなかったら。
もしもあのとき、助けあうことがなかったら。
きっといまごろ活気のないまちで、毎日なんとなく暮らしていたんじゃないかな。
そう思ったとき、「もしも」の世界で生きる自分の姿が見えた。
後悔ばかりで前に進めずにいるわたしを、わたしは助けたかった。
いままでいろんな人にささえてもらったように。
だからわたしは、わたしに手をのばした。


挿絵(手を出して向き合う人)

わたしは、わたしに、語りかけた。
「いまから、わたしたちから、始めなくちゃ」
だって、いつの時代にも課題はある。
答えがない問題だって、たくさんある。
だけどそれは「なにもできない」ということじゃない。
どんな「いま」も、「未来」につながっているんだから。
できることを探して、動き出さなくちゃ。
ひとりじゃないよ。
いつだって、ともに生きるだれかがいる。
あなたはどうしたい?どんな未来を思い描く?
あなたの思いを聴かせて。

挿絵(握り合った2人の手)

そうしてわたしたちは、ともに考え始めた。
自分たちにもできることがあると信じて。
さあ、つぎはあなたの番。
あなたはどうしたい?
どんな未来を思い描く?

2100年は、今日生まれた赤ちゃんが80才になるころ。
そう考えると、未来といまは、まっすぐにつながっていることがわかります。
わたしたちがどのような暮らしを選び、日々をどのように生きれば、明るい未来につないでいくことができるのか。
その答えは、人と人とがささえあい、「ともに、生きる。」ことにあるのではないでしょうか。
今日から行動を起こすことで、未来は変わっていく。
だから、ともに話しあい、考えるところから始めましょう。


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このページは経営企画部企画課が担当しています。

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