更新日:2026年10月15日
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水害・地震への対策を強化し 安全・安心なまちを構築していく

令和8年第3回江戸川区議会定例会が、9月24日から10月30日までの会期で開催されています。本会議冒頭に行われた斉藤区長の招集あいさつを紹介します。
今年は7月の熊本地震、8月の千葉豪雨、そしてつい先日の台風25号をはじめ各地で大きな災害が発生しました。これらの災害により犠牲となられた方に哀悼の誠をささげるとともに、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
現在本区は熊本への職員派遣を行っていますが、今後も被災自治体のニーズに沿った支援を行ってまいります。被災地の一日も早い復旧・復興を心からお祈りいたします。
高まる水害リスクに備え対策をさらに強化
近年、従来の想定を超える災害が全国各地で頻発しており、いつ、どこで大きな被害が起きてもおかしくない状況にあります。そのような中、本区はこれまでも区民の皆さまの生命・財産を守るため、防災力の強化に努めてきました。
まず水害に対しては、河川の氾濫を防ぐために長年かけて堤防強化を進めてきました。また、大雨による浸水に対しても、下水道の整備により1時間50ミリの雨に対応できる環境を整えています。さらに、雨水貯留施設の設置などにより大雨への対策を進めてきました。今後は、1時間75ミリの雨にも対応できるよう、5年以内の着手を目途に、重点地区である中央地域から下水道機能の強化を図ってまいります。
また、今回の千葉豪雨ではアンダーパスの冠水による被害も発生いたしました。本区にも、区が管理するアンダーパスで、国から「道路冠水注意箇所」として指定されている箇所が1カ所存在しています。
現在も安全対策として、冠水時に作動する排水ポンプや注意喚起の看板を設置しておりますが、今回の災害を踏まえ、さらなる対策として計3台のカメラを設置します。これにより現地に行かなくても現場の状況が確認できるようになり、迅速な対応が取れるようになります。
警報発表時における公共施設の対応基準を整理
また、大雨が予想される場合の公共施設の対応基準についても、考え方を整理いたしました。
区立小・中学校については、午後2時を目安に、翌日の日中にレベル3の「大雨警報」もしくは「暴風警報」以上の予報が出ていた場合、翌日の授業をオンラインに切り替えます。区立保育園・幼稚園は原則休園といたします。また、その後レベル3以上の警報が発表された場合も、その時点で同様の対応を行います。
その他の施設については、施設ごとに定めた基準により開館・休館を判断いたします。
こうした取り扱いについて、平時からホームページや広報誌などを通じて区民の皆さまへお知らせすることで、お一人おひとりに見通しを持って行動していただけるようにいたします。
避難生活における生活用水の確保に向けて
また、地震に対してもさらなる対策が必要です。大きな地震が発生した際、被災後の生活で課題となることの一つに水の確保があります。
水と言っても、用途によって大きく飲料水と生活用水の二つに分けられます。現状、飲料水については、水道が断水した場合であっても、給水所や応急給水槽などによって必要量は確保できている状況です。
しかし、お風呂やトイレ、洗濯などに必要な生活用水まで含めると、断水した場合、避難生活に大きな影響を及ぼします。
そこで、お風呂については、シャワーのある公共施設や避難所の設備を活用するとともに、今後は水循環型シャワーの導入や浴場組合との連携についても検討を進めてまいります。
また、トイレについては、学校や公園などに整備しているマンホールトイレを活用し、防災井戸や学校プールの水を使用することを想定しています。今後は河川に囲まれた本区の特性を生かし、川の水の活用も視野に入れてまいります。
そして洗濯については、公共施設に設置されている洗濯機を活用するとともに、クリーニング業界との連携についても検討を進めます。
今後も災害時の生活用水の確保に向けて、さまざまな角度から対策を進めてまいります。

災害時に生活用水として使用できる防災井戸
中東情勢の影響を受ける区内事業者への緊急対応
ここまで本区の災害対策についてお話をしてまいりましたが、安全・安心という観点では、中東情勢による影響も安心を脅かす要因の一つです。
長引く物価高騰に加え、昨今の中東情勢によって、区内事業者の皆さまは引き続き厳しい状況に置かれています。今年度本区が実施した産業実態調査では、区内事業者の約7割が、中東情勢によりマイナスの影響を受けていることが明らかになりました。
本区では今年度、中小企業向けの「経営安定資金特別融資」と「借換支援資金融資」を新たに開始したところですが、事業者の皆さまの声を受け、これらの融資の限度額の拡大や返済期間の延長を行うことといたします。
これにより、事業者の皆さまが安心して経営を続けられるよう支援を行ってまいります。
農地の保全に向けて公園内に区民農園を設置
また、区内産業の活性化のためには、農地の保全も重要な課題です。
農地は、農業を行う場所としての機能だけでなく、環境保全や教育の場としての機能、さらには火災の延焼を防ぐなど防災の機能も兼ね備えています。
現在、区内には約46ヘクタールの農地があります。区の特産である小松菜をはじめ、野菜や花の栽培が盛んに行われており、農業の産出額は23区でナンバーワンとなっています。とりわけ鹿骨地域は「農の風景育成地区」に指定されており、後世に引き継ぐべき財産として、地域の皆さまと連携しながら保全と育成に取り組んでいるところです。
こうした農地を守る取り組みの一つとして、今回新たに公園の中に区民農園を設置いたします。本区の貴重な農地を守るとともに、区民の皆さまが土や植物に触れる機会を増やしていくことで、本区の魅力の発信にもつなげていければと考えています。

2023年4月に農の風景育成地区に指定された鹿骨地域
感染症対策として予防接種体制を充実
また、区民の皆さまの安全・安心を守るためには、感染症対策も重要です。
今年は、インフルエンザの流行期が昨年より1カ月、一昨年より2カ月以上早く始まっており、すでに学級閉鎖となる学校も増えています。
そこで、例年10月1日から実施している子どもと高齢者向けのインフルエンザ予防接種を、前倒しして開始いたします。
また、麻疹についても注意が必要です。今年は春先から夏にかけて国内の麻疹の患者数が急増し、都内においても過去10年間で最多となっています。
そこで今回、定期接種を受ける機会を逃してしまったお子さん向けの予防接種について、対象年齢の上限を小学校6年生から18歳に引き上げます。また、19歳以上の方向けにも、麻疹の抗体検査と予防接種の費用の全額助成を開始することで、年齢を問わず、無料で接種できる体制を整えます。
待機児童解消に向けて保育士の確保を強化
次に、待機児童解消のための取り組みについて申し上げます。
今年度、本区では5年ぶりに認可保育施設における待機児童が発生しました。先の定例会では、保育定員のさらなる拡充に向けた保育施設の整備についてお諮りし、ご承認をいただいたところです。
一方で、保育士等の人材不足から、保育の受け皿を拡大しても、児童の受け入れを十分に進めることができないという課題も浮き彫りになっています。そこで緊急的な対策として、特に需要の多い1歳児の受け入れ拡大を来年度行う事業所を対象に、保育士確保にかかる費用補助の拡充を行います。
待機児童の解消は、子育て世帯の皆さまが安心して働き、暮らしていくための喫緊の課題です。保育施設の新たな整備を進めるとともに、保育士の確保に向けた支援策の充実を図り、保育を必要とする全ての子どもを受け入れられる体制の構築に向けて、全力で取り組んでまいります。
ソフト・ハードの両面から子育て施策のさらなる充実を
さて、こうした保育体制の整備を含め、本区は「子育てするなら江戸川区」をキャッチフレーズに、ライフステージに応じた「えどがわ50の子育てプラン」を展開してきました。これら50を超える施策は、経済的支援や相談体制の充実など、主にソフト面での取り組みが中心となっています。
一方で、ハード面においても、23区ナンバーワンの面積を誇る公園の充実をはじめ、スポーツ施設・文化施設、動物や自然に触れ合える環境の整備など、子どもや子育て世帯のための取り組みを、区内全域においてさまざまな側面から実施してきました。
子どもたち一人ひとりが主役となって、失敗を恐れずさまざまな体験を行うことができる場所、安心して過ごせる場所、それを「子どもの城」と呼ぶとすれば、まさにこの江戸川区全体が「子どもの城」であると考えています。
主にソフト面の施策である「えどがわ50の子育てプラン」、そしてハード面では「子どもの城」、この両面の取り組みを進めていくことで「子育てするなら江戸川区」のさらなる充実を図ってまいります。
つきましては、そのハード面の取り組みの一環として、今年3月に閉園した宇喜田幼稚園の土地と建物を取得し、子どもが主役になれる施設を整備してまいります。
この施設は区内2カ所目の新たな「子ども未来館」として、雨や猛暑の際にも子どもたちが伸び伸びと遊べる屋内空間を備えるとともに、本区ならではの学びや体験を提供し、子どもたちの好奇心を育む場にしてまいります。
施設の具体的な検討に当たっては、子どもたちの意見を聴いた上で、民間提案制度も活用しながら進めてまいります。
さて、さまざまな子育て支援についてお話をしましたが、この春から夏にかけて、区内で一生懸命活動してきた子どもたちの、輝かしい活躍の姿が数多く見られました。
バレーボールやハンドボール、野球、ダンス、また書道や吹奏楽など、この場ではお伝えしきれないほど多くの子どもたちが、世界で、全国で、都内で、優秀な成績を収めました。それぞれの活動がこうして花開いたことを大変うれしく思います。また、今回成果につながらなかったとしても、夢に向かって子どもたちが積み重ねてきた努力は、いつか必ず実を結ぶと信じています。
本区はこれからも、「江戸川区に住んでいてよかった」と子どもたちが思えるように、その健やかな成長を支えるとともに、今を生きる皆さま、そして将来世代の皆さまの安全・安心をしっかり守ってまいります。

持続可能な区政運営に向けて
さて、本定例会では決算の認定についてお諮りしておりますが、昨年度の決算は歳入・歳出ともに過去最高額となった中、財政状況に関する指標の多くは、健全な数値を示しています。
しかし、現在国において取り沙汰されている、いわゆる“偏在是正”の議論は、本区の財政基盤を揺るがすものであり、到底容認できるものではありません。また、ふるさと納税による財源の流出も累計で240億円にも上り、区民サービスの低下にもつながりかねない状況です。
区議会におかれましては、6月に国に対して『「不合理な税制改正」に反対する意見書』を提出していただきましたが、本区は今後も、議員の皆さまと共に、特別区、東京都と連携をしながら、国に対して反対の声を上げてまいります。引き続きのご理解・ご協力をお願いいたします。
本定例会には、先ほど申し上げた案件を含め、一般会計、特別会計の補正予算案をはじめ、条例の新設・改正など、合計で12件の議案をお諮りしております。また、6件の報告事項もございます。それぞれご審議の上、ご決定いただきたいと存じます。
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