更新日:2026年3月15日
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今に寄り添い、将来にわたって安心して住み続けられるまちを目指して

令和8年第1回江戸川区議会定例会が、2月17日から3月25日までの会期で開催されています。本会議冒頭に行われた斉藤区長の招集あいさつを紹介します。
「地域の力」次世代へ守り継ぐ
年が明け、早いもので2カ月がたとうとしています。
日々、社会は目まぐるしいスピードで変化を続けています。それらの変化に対応していくことの重要性は言うまでもありません。しかし、「不易流行」という言葉があるように、時代に合わせて変えていかなければならないものがある一方で、いつまでも変えてはいけない、本質的なものに目を向ける大切さも感じているところです。
本区における、そうした「変わらないもの」の象徴の一つが、小岩の善養寺にある「影向のマツ」です。今年はこの影向のマツが、大正15年に東京都の天然記念物の指定を受けてから、ちょうど100年という節目の年に当たります。
樹齢600年以上といわれ、室町時代からこの地に根を下ろす名木も、その長い歴史の中で枯れる危機に瀕したことがありました。しかし地域の皆さまの懸命な手当てによって回復し、今も美しい姿を見せてくれます。
15年前には国の天然記念物に指定されましたが、影向のマツ自体の価値はもちろん、それを守り継いできた「地域の力」の価値は時代が変わっても決して変わることがありません。次の100年に向けても大切に引き継いでいきたいと思います。

今と未来に寄り添う予算編成
さて、過去から現在、そして未来へと向かう大局的な視点を持って、本区は2100年を見据えた長期計画、2030年を目標とした中期計画の基、区政運営を行っておりますが、それらにひもづく短期計画に位置付けられるのが毎年度の予算です。
依然として続く物価高騰に加え、国において検討されている税制改正では「東京に税収が集中している」として、固定資産税をも対象に、いわゆる「偏在是正」の議論が進んでおり、本区の貴重な財源がさらに奪われようとしています。本区の財政状況の先行きを考えると憂慮すべき事態であり、今後の動向を注視してまいります。
しかし、こうした中でも区民の皆さま一人ひとりが安心して、希望を持って暮らしていける地域を実現するために、令和8年度の当初予算は、「今に寄り添い、この先も安心して住み続けられるまちへ」というテーマで、「今の区民の皆さま」「未来の区民の皆さま」両方を大切にという想いを込めて編成しました。
一般会計の歳入・歳出は3635億円、特別会計と合わせた総額は4975億円で過去最高額となっております。80の新規・拡充事業の他、事業者の皆さまが物価や賃金の上昇を適切に価格転嫁できるよう、工事費や人件費等に十分反映したことなどが増額の主な要因となっています。
今回、「今に寄り添う」という視点で世代別に施策を取りまとめ、子ども・子育て世帯向けには「子育てするなら江戸川区」、稼働年齢層向けには「仕事も暮らしも江戸川区」、そして高齢者向けには「歳を重ねても江戸川区」という三つのキャッチフレーズのもと、今を生きる区民の皆さまが、さらに安心して生活を送ることができるように施策の強化を図っています。

子育て支援のさらなる充実を図る
まず一つ目の、「子育てするなら江戸川区」についてご説明します。
来年度から国の制度である「こども誰でも通園制度」が実施されますが、区独自の上乗せとして、利用時間を月24時間まで延長し利用料を無償化します。さらに、私立幼稚園の「プレ保育」も無償化する他、ファミリー・サポートなど他の一時保育に関しても上限時間を設けて無償化します。
これにより子育て環境の選択肢を増やし、全ての子どもの健全な成長を支援してまいります。
また、長期化する物価高騰によって、子育て世帯の家計への負担も年々増加しています。さらに、塾など学校外の活動にかかる費用も含め、学年が上がるにつれてその負担は増えていく現状があります。
このような状況を踏まえ、中学生の保護者の皆さまの負担軽減を図るため、区立中学校の修学旅行費について上限8万円の補助を行い、実質無償化いたします。
また、子どもたちが区に対して気軽に意見やアイデアを伝えることができるよう、「子どもレター」を新たに導入します。
本区には、区民の皆さまからご意見を伺う仕組みがさまざまありますが、10代以下の方からのご意見は非常に少ないのが現状です。
そこで、児童・生徒が学校で利用するタブレットから直接、区に意見や提案を送信できるようにする他、図書館や共育プラザなどの施設に、その場で投稿できる子ども専用の手紙を設置することで、子どもたちが区に対してより意見を言いやすくなるようにしてまいります。
望む方が希望をかなえられるよう、ライフステージに合わせた子育て支援策「えどがわ50の子育てプラン」を本区が掲げてから、3年が経過します。今後も子育て世帯のニーズや時代に合わせた施策が実施できるよう、引き続き、皆さまの声を丁寧にお聞きしてまいります。

区立中学校の修学旅行費を実質無償化
区民の暮らしを守る支援策を推進
二つ目は、「仕事も暮らしも江戸川区」についてです。
先の定例会においては、低所得世帯と子育て世帯に対する物価高騰対策の負担軽減給付金について議決をいただきました。年明けから支給を開始し、すでに低所得世帯は約7割、子育て世帯は約9割の方に支給が完了しているところです。
一方、課税世帯については、国の減税政策によって納税されている方一人当たり2万円から4万円程度の負担軽減効果が見込まれます。しかし、物価高騰が生活に与える影響は依然として続いており、さらなる支援が必要な状況です。
そこで、負担軽減策の第二弾として、課税世帯に対しオンライン申請を基本に、1世帯当たり1万円の給付金を支給いたします。新年度より順次お渡しできるよう準備を進めてまいります。
また、区民の皆さまが安心して生活できる環境を確保するため、いわゆる民泊に関する条例も制定します。
近年、区内でも民泊を実施する施設が急増しており、それに伴って騒音やごみ出しなどに対する近隣の皆さまからの苦情も増えています。
そこで、区内の民泊事業が適正に運営されるよう、区域等の制限や事前説明の義務化などについて定めた条例を制定します。区民の皆さまの安心をしっかりと確保した上で、区内における民泊事業が営まれるよう仕組みを整えてまいります。

多文化共生へ生活情報の動画を発信
次に、多文化共生のまちづくりに関する事業についてです。
本区はこれまで、国籍にかかわらず区民の皆さまが地域でともに生活していくことができるよう、さまざまな取り組みを進めてきましたが、時に「外国人は日本のルールやマナーを守らない」という声をお聞きすることもあります。もし、ルールやマナーを知った上で守っていただけない場合は、国籍を問わず適正に対処していく必要があります。しかし課題の本質の一つには、文化的背景の異なる外国籍の方にとって、日本での生活におけるルールやマナー、習慣などについて知る機会が少ないことがあるのではないかと考えています。
そこで新年度には、外国籍の方に向けてごみの出し方や税の仕組み、町会・自治会の役割など、本区で生活していく上で必要な情報をくまなくお届けすることを目的に、やさしい日本語と英語による動画を制作します。そして、その動画を視聴していただくための二次元コードを掲載したお知らせを全ての外国人世帯に送付し、皆さまにご覧いただけるようにしてまいります。
併せて、今年度から実施している生活マナーや税・社会保障の仕組みなどを学べる日本語教室に関しても、より多くの方にご参加をいただけるよう講座の実施会場や回数を拡充いたします。
これらの取り組みを通じて、国籍や言葉の壁を超え、区民の皆さまが安心して暮らすことのできるまちの実現を目指します。
地域と事業者をつなぐ新たな取り組み
また、「地域のために役に立ちたい」という思いを持っていらっしゃる事業者と、地域の団体・個人のニーズとをマッチングする取り組みを開始します。
これまで区内の事業者の皆さまからは、「地域貢献活動を行いたいが、どこに相談したらいいか分からない」「何をすればいいか分からない」という声を頂くことがありました。一方で、区民の皆さまからは、「地域活動の担い手が減っている」「イベント実施の際に協力してくれる事業者を探している」などといった声を頂いています。
そこで、「事業者の皆さまの思い」と「地域の皆さまのニーズ」を区がお聞きし、お互いを結びつける仕組みを整えることで、地域の課題を解決するとともに、さらなる地域の活性化につなげてまいります。
AIで実現する便利な区役所
また、区民サービス向上のため、引き続きAIの活用も推進してまいります。
現在、本区のAI活用の考え方をまとめた基本方針について意見募集を行っているところです。
その方針の基、来年度は区役所の総合案内にモニターを設置し、AIアバターが多言語での対応を行います。また、ごみや資源に関する電話での問い合わせにもAIオペレーターを活用することで、こちらも多言語で24時間365日対応できるようにします。さらに、「来庁しなくてもよい区役所」の一環であるメタバース区役所にもAIコンシェルジュを置き、日時を問わず問い合わせにお応えできるようにいたします。
これらの取り組みを含め仕事や暮らしに関する区の施策を整理し、このたび「稼働年齢層を含む区民全般向け200のプラン」と「事業者向け100のプラン」として取りまとめました。これらのプランについても引き続き一体的に推進してまいります。

メタバース区役所のAIコンシェルジュのイメージ
全ての高齢者の生きがい支援策を推進
三つ目は、「歳を重ねても江戸川区」についてです。
人生100年時代を迎えるに当たっては、「食事」「運動」「生きがい」の三つが重要となりますが、これまで本区では、特に生きがいづくりの施策について、主にご自身で外出できる方を対象とした施策を実施してきました。
しかし、区内の65歳以上の方約14万人のうち、2割にあたる3万人の方は何らかの介護サービスを必要とされている方であり、そのうち1万人は介護度の重い「要介護3〜5」の方です。体の状態や外出できる・できないにかかわらず、生きがいづくりの取り組みは非常に大切なものだと考えています。
そこで今回の新年度予算では、外出できる方を対象とした事業と併せて、外出が困難な方向けの事業も実施してまいります。
まず、ご自身で外出できる方に向けては、その外出を促進するため東京都のシルバーパス購入費の助成を行います。
現在シルバーパスの年額は、減額対象の方は千円、それ以外の方は1万2千円となっています。1万2千円を負担される方に、今回新たに1万1千円を助成することで、70歳以上の全ての方が実質千円で利用できるようにいたします。

東京都シルバーパスの購入費用を助成し、70歳以上の方は1000円で利用可能に
また、ラジオ体操と銭湯を組み合わせた外出促進策も実施します。
これは、年齢にかかわらず、区内で開催されるラジオ体操に参加してスタンプを20個ためると、区内の銭湯を半額で1回利用できるようにするものです。さらに60歳以上の方は、「健康長寿入浴証」と合わせてお使いいただくと、無料で銭湯をご利用いただくことができます。
一方、外出が難しい方に向けては、生きがいづくりの支援として「いきがい応援団」を創設いたします。これは、音楽や写真、メイクなどさまざまな得意分野を持つ区民の皆さまに有償ボランティアとして登録していただき、在宅で外出が困難な利用者の希望に応じて、ご自宅に伺ってサービスを提供していただくというものです。
これにより、外出が難しい方にとって、生きがいづくりだけでなく、地域とのつながりをつくる機会にもなればと考えています。
こうした取り組みを含め、健康状態に応じて利用できる区の施策を整理し、「高齢者向け130のプラン」として取りまとめました。江戸川区に住んでいて良かったと感じていただけるよう、引き続き包括的な支援体制の構築を目指してまいります。

全ての世代で築く「ともに生きるまち」
最後になりますが、先日、区内の小学生からお手紙をいただきました。
ここでその一部をご紹介させていただきます。
「ぼくが通っている小学校の敷地内や学校の周りに、たばこやライターなどのごみ、時には食べ残しのごみがあります。全校児童が登下校をするとき、それを見てきっと嫌な気持ちになっていると思います。そこで、校長先生などとどうするか考えています。江戸川区にもごみについて考えてもらいたいと思っています」
学校でも毎日のごみ拾いを行っていましたが、このお手紙を受けまして、区としてさらに取り組めることがないか、区職員が現地を確認いたしました。校長先生や学校職員に話を聞いた上で、ごみ捨てに関する注意喚起の看板などを設置し、その後の様子を見守っています。
手紙をくれた児童の、純粋な思いで地域のことを真剣に考え、大人を巻き込みながら実際に行動に移している姿を非常に頼もしく思いました。このような子どもたちが地域ですくすくと育っているのだと思うと、本区の未来がとても明るく心強く感じられます。
このように子どもたちも含め、区民の皆さまとともに地域の課題に取り組んでいくことは、持続可能な地域づくりの基盤であり、区が目指す「ともに生きるまち」の実現につながるものだと思います。引き続き、区民の皆さま、区議会議員の皆さまとともに、よりよい地域を築いていくため全力で取り組んでまいります。
さて、本定例会には、先ほど申し上げた案件をはじめ、令和8年度の一般会計、特別会計予算案をはじめ、合計で52件の議案をお諮りしているとともに、専決処分など2件の報告事項がございます。それぞれご審議の上、ご決定いただきたいと存じます。
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