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更新日:2025年12月15日

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人と人との温かさが通い合う 全ての人が住みよいまちの実現に向けて

令和7年第4回江戸川区議会定例会が、11月21日から12月11日までの会期で開催されました。本会議冒頭に行われた斉藤区長の招集あいさつを紹介します。

現在、東京2025デフリンピックが11月26日までの会期で開催されています。本大会は日本で初めての開催であるとともに、100周年という記念すべき大会でもあります。世界中のデフアスリートが集うこの素晴らしい大会に、本区からも5人の選手が参加し、日頃の練習の成果を存分に発揮しています。

区ではデフリンピックの開催に向けて、区民まつりでのデフサッカー体験の実施やキャラバンカーの来庁イベント、タワーホール船堀のライトアップなど、さまざまな取り組みを通じて大会への機運醸成に努めてきました。

デフリンピックは、耳の聞こえない・聞こえにくい人のための国際的なスポーツ大会であるのと同時に、参加する人たちが国際手話によるコミュニケーションで友好を深める場でもあります。

本区においては、平成30年、都内で初めて「手話言語条例」を制定し、手話が「言語」の一つであることを明確に位置付けました。条例に基づいて、手話が人々をつなぐ架け橋となるように、理解促進や普及に努めてきたところです。こうした取り組みが、今の「ともに生きるまち」の考え方につながっています。さまざまな国や地域の人々が手話という言語を通じてつながり合うというデフリンピックの精神は、まさに本区が目指す「ともに生きるまち」の理念と同じものだと思います。

この大会をさらなる契機として、アスリートたちの挑戦が与えてくれる感動をエネルギーに、誰もが安心して自分らしく暮らすことができるまちの実現を目指して、一層取り組みを進めてまいります。

そうした思いも背景に、本区が今後進める「ともに生きるまち」の実現に向けた施策についてご説明いたします。


区民まつりでのデフサッカー体験の様子

メタバース区役所の拡充 究極のバリアフリーを目指して

一つ目は、「メタバース区役所の拡充」についてです。

自宅にいながらにして、区役所に来るのとまったく同じ体験ができるメタバース区役所を実現することは、究極のバリアフリーを実現することだと考えています。

昨年度開設したメタバース区役所では、これまで週1回、五つの部署で相談をお受けしてきました。しかし、対応できる内容や利用機会が限られるなどの課題がありました。そこで本年11月からは、平日、毎日、合計119種類の相談に対応できるよう拡大いたしました。さらに今後は24時間365日対応可能なA‌Iコンシェルジュの導入や多言語対応など、引き続き区民の皆さまの利便性の向上に努めてまいります。

インターネット上の仮想空間にある「メタバース区役所」

多様な働き方で 就労の壁を取り除く

次に、「就労困難な方のための就労訓練・就労体験場所の拡充」についてです。

先ほどバリアフリーのお話をいたしましたが、就労にもいくつかの壁があります。これまで区はそのような壁を取り除くため、就労が困難な方に向けた支援として、「みんなの就労センター」や居場所を兼ねた駄菓子屋「よりみち屋」などを通じて、就労時間や就労場所の希望に応じた複数の選択肢を用意してきました。また今年度も、ビールの販売や金魚の養殖・展示などに着手してきたところです。

今回、障害の特性や個々の能力に応じた働き方の選択肢をさらに増やすため、区立図書館における就労訓練環境の整備を進めてまいります。15分単位での就労など柔軟な勤務形態を導入し、図書館という落ち着いた環境の中で本の書架への配置作業などを通じ、就労経験を積んでいただけるようにします。

就労が困難な方にとって、社会参加の第一歩を踏み出す場の一つになればと考えています。

障害のある方などに就労機会を提供する「Edogawa Beer Project」で、オリジナルカップを制作する様子

5歳児健診の実施 切れ目のない支援体制の構築

続いて、子どもの心身の発育状況を把握し、円滑な就学につなげるための「5歳児健診の実施」です。

現在区では、未就学児が受ける健診として、月齢や年齢に応じて「1歳6か月児健診」や「3歳児健診」などを実施していますが、その次は小学校就学前に行う就学時健診となっており、4歳から5歳の時期が空白期間となっていました。しかしその頃は、基本的な生活習慣が確立し、社会性を身につける重要な時期です。集団生活の中で子どもの得意なところや苦手なところに気付いて、関わり方を考えることが必要になってきます。そこで、令和8年度から新たに5歳児健診を実施することといたします。本定例会には、その準備のための補正予算をお諮りしております。

児童発達支援センターと、保育施設や健康サポートセンターなどが連携をとり、課題を早期に把握して相談や支援につなげ、幼児の健やかな発達を目指します。さらに、関係機関と学校との間で子どもに関する情報を早い時期から共有することで、安心して学校生活の準備ができるようになります。

このように、全ての子どもがそれぞれの個性にあった環境で成長できるよう、乳幼児期から就学時まで切れ目のない支援体制を構築してまいります。

つながりを育む 日本語教室を開始

次に、「えどがわ日本語クラス」についてご説明します。

現在江戸川区では、5万人を超える外国籍の方が暮らしています。その数は15年で倍増し、都内で最も多い人口となっています。日本語や地域のコミュニティに親しんでいる方がいる一方で、特に保育園・幼稚園に通っていない子どもや就労していない方の中には、日本語を学ぶ機会や地域とのつながりが少ない方もいらっしゃいます。

そこでこのたび、区が主催する日本語教室「えどがわ日本語クラス」を始めます。ここでは日常会話だけでなく、町会・自治会や日本の社会保障の仕組みなどの他、あいさつやごみの分別、公共交通機関の利用方法など、マナーについても一緒にお伝えします。

それらを伝えて生活に生かしていただくことは、外国籍の方だけではなく、ともに地域で暮らす全ての皆さまの安心な生活につながる取り組みであると考えております。

「ともに生きるまち」「安全・安心なまち」 実現に向けた三つの条例案

さらに、これまでご説明した施策に加えて、本定例会には、「ともに生きるまち」そして「安全・安心なまち」を実現するための条例案を3件、お諮りしています。

1件目は、「生活に困窮しても安心して暮らせるまち条例」です。本区はこれまで、「ともに生きるまちを目指す条例」の関連条例を整備してきましたが、今回この条例が加わることで、区が目指す「ともに生きるまち」の理念が、一通り形になると考えています。

2件目は、区内の公共の場所において、通行人の迷惑になる客引き行為や勧誘行為などを禁止する「客引き行為等の防止に関する条例」です。

そして3件目が、近隣の生活環境に影響を及ぼす住居への対応などを規定した「良好な生活環境の確保に関する条例」です。

これらの条例の制定は、ゴールではなくスタートです。条例を通じて区民の皆さまの生活がよりよいものとなるように、今後も着実に取り組んでまいります。


日本語教室「えどがわ日本語クラス」の様子

戦時中の資料収集 平和への思いを次世代へ

さて、先の定例会でも申し上げましたが、今年は戦後80年という節目の年に当たります。終戦から長い月日がたち、戦争は遠い過去の出来事となりつつあります。だからこそ今、平和の尊さや戦争の悲惨さを次世代に伝えていくことが重要です。

そこで本区では、区民の皆さまがお持ちの戦時中の写真、手紙、日記、生活用品など、当時の様子を知ることができる資料を広く収集する事業に着手いたします。

お寄せいただいた資料はデータとして保管するとともに、戦争資料の展示や学校などでの平和学習に活用することで、貴重な記録として次世代に引き継いでいきたいと思います。

本区が進める戦争資料の収集事業は、平和を守るためのアプローチの一つですが、日頃より平和啓発活動にご尽力いただいている団体もございます。その一つである「親江会」は、区内の学校で平和学習を実施しています。そこに参加した子どもたちの感想をいくつかご紹介したいと思います。

「私たちができることはまず、どんなことが世界で起きているかを知ることです。テレビやニュースで情報を得たり、家族や友達と話題にしたりすることが大切だと思います」

「核兵器がどれだけ多くの人を苦しませ悲しませるのかを知り、次の世代、また次の世代へとつなげることが大切だと思いました」

「この平和学習を通して、同じようなことが起きてほしくないと強く思っています。今のこの現状を当たり前だと思わず、感謝しながら日々を過ごしていきたいです」

こうして子どもたちが平和について真剣に考え、自分の言葉で語ってくれることは、何よりも心強いことです。私たち大人の責務は、このような子どもたちの心を大切に育んでいくことです。今後も平和で人と人との温かさが通い合う江戸川区であるよう、さまざまな取り組みを進めていきたいと思います。

さて、今回提案いたします補正予算ですが、一般会計、特別会計合わせて、総額は39億3千万円余であります。本定例会には、これら補正予算に加え、条例議案や指定管理者の指定など、合計で36件の議案をお諮りしています。また、専決処分など3件の報告事項もございます。それぞれご審議の上、ご決定いただきたいと存じます。

このページに関するお問い合わせ

このページはSDGs推進部広報課が担当しています。

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