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更新日:2024年3月15日

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明るい未来に向けて、ビジョン・アクションプランを実践

令和6年第1回江戸川区議会定例会が、2月15日から3月25日までの会期で開催されています。本会議冒頭に行われた斉藤区長の招集あいさつを紹介します。

能登半島地震 さまざまな形で被災地を支援

はじめに、能登半島地震が発生してから1カ月半が経ちました。あらためて、犠牲になられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災された皆さまに心よりお見舞いを申し上げます。

本区では、区民の皆さまからの温かい気持ちとしてお預かりした義援金や、支援物資をお届けするなど、さまざまな形で被災地の支援を行っています。今後も被災された皆さまに寄り添いながら、臨機応変に対応してまいります。

地震による家屋の倒壊・火災を防ぐために

今回の地震では、あらためて「揺れ」そのものよりも家屋の「倒壊」と「火災」が命に関わるものであるということを痛感いたしました。本区ではかねてより、地震による家屋の倒壊を防ぐため、住宅の耐震化を促進しているところです。その耐震化率は98%と都内ナンバーワンでありますが、新年度からは耐震化に対する助成額を引き上げるとともに、対象となるお宅への個別訪問も行うなど、地震に強いまちを目指してさらに取り組みを強化してまいります。また地震の際、停電からの復旧によって発生する通電火災を防ぐため、「感震ブレーカー」の無償配布を行っています。区では、東京都が配布する世帯以外の33万世帯を対象としていますが、すでに多くの方にお申し込みをいただいており、昨年11月より順次お配りしているところです。

さらに新年度には、区立施設231カ所において、屋外に消火器を設置してまいります。そのほか区内には、区が地域に配備している消火器が4800本、それ以外に東京消防庁で把握しているものが1万6千本以上ありますので、これらと併せ、初期段階での消火率向上を図ってまいります。

加えて、火災の広がりを防ぐ機能を果たす、道路や公園も整備しています。今後も計画的に推し進め、消防車や救急車がスムーズに現場へと向かい、速やかに救助活動ができるよう、まちの動線を広げてまいります。

また、断水についても対策を行っています。本区では、最大規模の断水被害を想定し、復旧に要するとされる22日分の飲料水を確保しています。避難所生活で深刻な問題となるトイレについても、学校へのマンホールトイレの設置を進めている他、下水道施設の耐震化も進めるなど、被災時を想定した生活インフラの整備・強化も行っています。

さらに新年度は、大規模な災害が起きた場合でも、区内全域の状況を迅速に把握することができるよう、小中学校や公共施設など約200カ所に防災カメラを設置し、災害時の情報収集に役立つ仕組みを構築します。


能登半島地震の被災地へ区職員が支援物資を届けました

防災井戸やマンホールトイレは区内の各避難所に設置され、災害時に活用されます

水害に強いまちづくり 対策を強化

ここまで地震への対策についてお話をしてきましたが、水害についても本区はかねてより、さまざまな対策を進めてきました。今年は荒川放水路が通水して100年の節目の年ですが、本区では昭和24年のキティ台風以降70年以上もの間、堤防の決壊などによる「外水氾濫」は一度も起きていません。また、下水道整備が完了した平成7年以降の約30年間で、大雨を排水しきれずに浸水してしまう「内水氾濫」は11回発生しましたが、いずれの該当箇所も原因を把握し、対策を強化しております。

しかし、線状降水帯による集中豪雨や、大型台風などの被害が毎年のように発生する近年、災害対策に絶対はありません。今後も、高規格堤防の整備促進や高台まちづくり、下水道の機能強化、ポンプ所の耐水化など、水害に強いまちづくりを進めていきます。

また、ハード面だけでなく、ソフト面の災害対策も重要です。本区はこれまで東日本大震災などの被災地支援のため、計690名の職員を派遣してきました。今回の能登半島地震でも現地の要請に応じて、応援職員を順次派遣していきます。もちろん、第一の目的は被災地の支援ですが、職員が実際に現地で経験してきた知見は、本区における災害対応にも必ず役立つものと思います。

このように本区は皆さまの協力の下、「災害に強い、安全・安心なまちづくり」に力を入れてきました。こうしたまちづくりは、一朝一夕に成し得るものではありません。今後も重点事業として、一歩ずつ着実に取り組んでまいります。


高台まちづくりイメージ(JR小岩駅北口地区)

区民の皆さまの安心な日常生活のために

一方、災害対策以外に区民の皆さまが安心して日常生活を送るための施策も必要です。区内で生活する人、そしてその生活を守る人、さまざまな立場の人がいますが、誰もが時によって「支える側」にも「支えられる側」にもなります。生活の支援には、双方への目配りが欠かせません。

まず「生活を守る人」、いわゆるエッセンシャルワーカーの皆さまに対しては、コロナ禍を経て、その存在のありがたさを身に染みて感じた方も多かったのではないかと思います。特に高齢化が進む現代において、「介護」に携わる人材は区民生活を守るために必要不可欠な存在です。しかし以前より、全国的にその数が不足することが見込まれていました。そこで本区では、平成28年度から計画的に、介護人材の育成支援や定着奨励金の給付など、人材確保のための支援を行ってきました。その結果、現在では目標人数の8割まで確保につなげています。全ての団塊世代が後期高齢者となる2025年、つまり令和7年度には10割にすることを目指して、今後も取り組みを続けてまいります。

また、区民の皆さまが地域で安心して住み続けられるよう、区内への特別養護老人ホームの整備も長期的な視野をもって計画的に進めています。これまで22カ所、令和8年度までにさらに3カ所の開設を予定しています。

介護に限らず、暮らしを支える人材の確保や環境の整備を引き続き行ってまいります。

一方、「区内で生活する方」に対しては、子どもから大人まで、さまざまなニーズを想定した支援が必要です。そのために本区が行う、新年度の主な新規・拡充施策について申し上げます。

全世代・全区民のため 少子化への対応を推進

まず、少子化への対応として集中的に展開している「50の子育てプラン」につきましては、新たな出会いの形であるマッチングアプリの利用支援を実施します。また、多様な保育ニーズに対応するため保育園での休日保育を実施する他、子育て世帯の孤立を防ぐため、未就園児の定期預かりも行います。

これにより「50の子育てプラン」のメニューがそろい、一体的に実行できるようになります。今後も区民の皆さまに必要とされる支援を適時適切に実施してまいります。

例えば子どものショートステイ事業においては、個別対応が必要な児童も受け入れることができるよう体制を整備します。また、地域で子育て世帯を支えるファミリーサポート事業には、生活に困窮する家庭などを対象に、利用料を減免する制度を新たに設けます。

このように本区では、少子化への対応や子育て支援に注力していますが、これらの施策は子どもや子育て世代のためだけに行うものではありません。今年度、本区が実施した「未来を担う子どものための区民基礎調査」では、ご回答いただいた55歳から74歳の実に6割以上の方から、「少子化への対応をもっと進めるべき」との回答を頂きました。

希望する方が安心して出産・子育てできる環境を整えることができれば、社会保障のための土台が安定するとともに、経済も活性化していきます。本区は今後も、全ての世代、全ての区民のために少子化への対応に取り組んでいきます。

また、人生100年時代、健康な体の基本となる「歯と口」の健康づくりの支援にも、重点的に取り組みます。保育園、小中学校でのフッ化物洗口の実施や、小中学生への歯ブラシ配布など、子どもたちへの支援をはじめ、歯科健診の受診が難しい高齢者や障害者の方々のための訪問・移動支援など、生涯にわたって歯と口の健康を維持できるようサポートしてまいります。

そして、未来の安心を育む教育の面では、中学校における外国語指導助手、いわゆるALTの配置を拡充し、英語教育の充実を図ります。

また、小中学校において新聞を活用し、文章を読む習慣付けを促すことで、読解力の向上を目指します。

さらに、不登校生徒の居場所の選択肢を増やし、学力を保障するためのクラスを、モデルとなる中学校1校において各学年に一つずつ設置します。また、不登校児童・生徒が通う学校サポート教室にも民間事業者による補習教室を導入し、一人ひとりに寄り添った学びの支援を行っていきます。

区政を新たなステージへ 積極的な新年度予算

ただ今申し上げた案件も含め、本定例会にお諮りしている令和6年度の当初予算は、一般会計3263億円、特別会計と合わせた総額は4555億円と、いずれも過去最高額といたしました。一般会計は昨年度と比べて12%増加していますが、伸び率が2桁となるのは実に42年ぶりのことです。コロナ禍からの回復がありつつも、物価上昇が賃金の上昇を上回っている現状を踏まえ、積極的な予算編成を行いました。

歳入の多くを占める特別区税や財政調整交付金も過去最高の予算額となり、国・都の支出金や、基金の活用なども積極的に進めています。また、区内経済をさらに後押しするため、区内事業者の皆さまに支出する予算額も、これまでで最も多くなる見込みです。健全財政を堅持しながら、区政を次のステージに押し上げる新年度予算として、区民の皆さま、区内事業者の皆さまの目に、しっかりと見える形にしていきたいと考えております。

再発防止策を徹底し信頼される区政を推進

さて、今後の重要な取り組みとしてもう一点、昨年判明した生活保護業務における不適切事案に対する再発防止策について申し上げます。

本件については、昨年9月から第三者専門委員の皆さまに事案の検証と再発防止に向けた議論を重ねていただき、先日その結果を取りまとめた報告書を頂いたところです。個人だけの問題ではなく、組織・体制の問題であるとのご指摘を重く受け止め、再発防止策に取り組んでまいります。

すでに研修の実施や事務処理の改善、査察指導員の増員などについて順次着手しておりますが、さらに新年度の組織改正により、全体管理やケースワーカーの指導・育成を担う課を新設し、現在の三課体制を四課体制に強化します。また、有資格者の確保など職員の専門性の向上を図るとともに、職場内でのメンタルヘルスの環境整備など、安心して働くことができる組織風土づくりも進めてまいります。

今後も本区は区政の信頼回復に向け、全力で取り組んでまいります。

目指す「ともに生きるまち」 皆さまと思いを一つに

以上、新年度の取り組みを中心に申し上げてまいりましたが、これまでも本区は、「ともに生きるまち」の実現を目指し、令和3年度に条例を制定、4年度にはその理念を表したビジョンを策定し、今年度は理念を具体化するためのアクションプランを公表してきました。その歩みは一本の道として、今後区が進むべき方向を指し示しています。

そうした中、先日、目指す共生社会の姿をあらためて実感する出来事がありました。障害がある方の「二十歳を祝う式典」における、そのお姉さんの言葉です。

「私が小学生の時、障害のある弟が特別支援学校に籍を置きながら地元の小学校に通う、いわゆる“副籍学級”で同じ学校に通っていたのですが、母はそのことで私がいじめられはしないかと、とても心配していました。でも私は弟に障害があることを友達に話していましたし、今も友達に話しています。結果、私がいじめられることはありませんでしたし、自分の身の回りに障害のある人がたくさんいることが自然でいいと思います。私は今年の春に大学4年生になりますが、卒業論文では障害児の副籍学級のことを取り上げようと思っています」

自分の身の回りに障害のある人がいることが、自然でいい。まさにこの言葉に、区が目指す「ともに生きるまち」の姿が表れていると感じます。

そして、彼女がその思いを形にしながら、未来に向けて前向きに歩んでいる姿にも大変な勇気をもらいました。

新年度はいよいよ、目指すまちの姿を実現するため、これまで策定してきたビジョン・アクションプランの実践の段階に入ります。2100年に向けて区の人口が減少し、歳入規模が縮小すると推計される中、区民サービスを持続可能なものとしていくため区として取り組むべきことを、区民の皆さま、区議会議員の皆さまの声を聴きながら具体的に取りまとめ、実行に移してまいります。

今後も皆さまと思いを一つに、明るい未来に向けて、ともに歩みを進めてまいります。引き続き、ご理解・ご協力をお願いいたします。

さて、本定例会には、先ほど申し上げた案件を含む令和6年度の一般会計、特別会計予算案をはじめ、合計で42件の議案をお諮りしているとともに、専決処分など3件の報告事項がございます。それぞれご審議の上、ご決定いただきたいと存じます。

2100年に向けたビジョンを実現するために、具体的に行動する段階へ

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このページはSDGs推進部広報課が担当しています。

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