更新日:2024年7月3日
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結核とは
結核は「過去の病気」ではありません。現在でも毎年全国で1万人以上、東京都で1千5百人の方が新たに結核を発病しています。江戸川区では80歳以上の高齢者や外国生まれで結核を発病する方が多い傾向があります。
結核ってどんな病気?
結核は、結核菌が体の中に入ることによっておこる病気です。菌を排出している肺結核患者の咳やくしゃみなどの「しぶき」と一緒に結核菌が空気中に飛び散り、それを周りの人が直接吸い込むことで人から人にうつります。
「感染」と「発病」は違います
多くの場合、結核菌が体に入っても体の抵抗力により追い出されます。しかし、様々な要因(接触時間、環境など)が重なり、結核菌を追い出せず体内に入りこむことがあります。これを「感染」といいます。感染をしてもすぐに発病せず、多くの場合は半年から2年後に「発病」をします。また、数年から数十年後に発病する場合もあります。発病する人は感染者10人に対し1~2人と言われています。
結核の症状
発病すると咳、たん、微熱、身体のだるさなどの症状がみられます。風邪の症状と似ているため、発見が遅れることがあります。
早期発見・早期治療
- 咳やたん、微熱など「風邪に似た症状」が2週間以上続く場合は、医療機関を受診し、検査を受けましょう。
- 年に1回は、健診等で胸部エックス線検査を受けましょう。
- 生後1歳に至るまで(標準接種期間は5ヶ月から8ヶ月に至るまで)に結核予防接種(BCG接種)を受けましょう。乳幼児の重症結核の予防に有効です。
結核と診断されたら
結核を診断した医師は、感染症法に基づき保健所に届出をします。保健所は届出をもとに、訪問や面接を通して、患者や家族に病気の治療、医療費助成制度、接触者健診、内服確認などについて説明をします。
結核の治療について
治療は内服治療が基本となります。6か月から長い方で1年程度内服します。結核を発病していても、たんの検査をして結核菌が出ていなければ、人にうつす可能性は低く通院で治療ができます。症状が進行し、たんの中に結核菌が出ていると人にうつす可能性があるため入院治療となります。症状がないからと言って、勝手に服薬を中断してしまうと病状の悪化につながります。また、服薬が不規則になることで薬が効かない耐性菌を持つ結核になってしまいます。耐性菌の治療は長期にわたり、治療も難しくなるため耐性菌を作らないことが重要です。また、安心して治療して頂くための結核医療費の公費負担制度があります。
結核医療費の公費負担制度
入院公費負担
保健所が実施する勧告または措置により入院している結核入院患者の方には、指定医療機関で受ける入院医療についての公費負担制度があります(感染症法第37条)。公費負担の開始日は保健所が患者に入院を勧告または措置を開始した日となります。
通院公費負担
結核通院患者(他疾患での入院患者を含む)または潜在性結核感染症患者(他疾患での入院患者を含む)の方には、指定医療機関で受ける通院医療についての公費負担制度があります(感染症第37条の2)。公費負担の開始日は保健所が申請書を受理した日となります。
服薬支援(DOTS)について
医師から「服薬完了」と言われるまで、完全に薬を飲み続けることがとても大切です。しかし、長期間毎日薬を飲み続けることは、簡単なようで非常に難しいことです。そこで、服薬を支援するDOTS(直接服薬確認療法)を実施しています。患者の状況に合わせて方法を検討し、服薬完了を目指して医療機関や保健所などが連携して支援しています。
家族や職場など、身近な人が結核になったら
結核はインフルエンザのように短期間でうつる病気ではありません。しかし、換気の悪い場所で長時間患者の一緒にいた方や同居家族に感染することがあります。手や物についた菌からの接触感染はしないので、室内や食器などの消毒は必要ありません。患者の居住地を管轄する保健所は、患者の病状や感染性、周囲の方との接触状況に応じて接触者の範囲を決定します。接触者には、それぞれ管轄の保健所から連絡をし、接触者健診を実施します。
接触者健診について
接触者健診では、健診を受ける方の年齢や健康状態と、各検査の特性を考えて検査内容や時期を検討し実施します。内容は主に、血液検査(QFT検査)、胸部X線検査、ツベルクリン反応検査を行います。
お問い合わせ
江戸川保健所保健予防課感染症対策係
〒132-8507東京都江戸川区中央4丁目24番19号
電話03-5661-2476
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