更新日:2024年8月29日
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子どもの権利条例の制定
江戸川区は、誰もが安心して自分らしく暮らせる共生社会の実現に向けた様々な取り組みを進めています。
区ではこれまでも子どもの健やかな成長を支えるための施策を推進してきましたが、全ての子どもが安全に安心して暮らすまちを実現するためには、子ども自身が子どもは生まれたときから権利の主体としてその権利が守られることを理解し、そのことを地域の共通理解とすることが大切です。
また、区の行政機関だけでなく、家庭や学校をはじめとした地域社会全体で子どもの育ちを支えていくことが重要です。
このような考えや取り組みを推進し、子どもの権利擁護に対する気運をさらに高め、子どもの最善の利益が図られるまちを目指して、令和3年6月に江戸川区子どもの権利条例を制定しました。
江戸川区子どもの権利条例リーフレット(PDF版)(PDF:5,218KB)
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子どもの権利条例について
子どもの権利を大切に守っていくための理念条例
江戸川区子どもの権利条例は、江戸川区全体で子どもの権利を大切に守るために、子どもの権利に対する江戸川区の基本的な考えを示す理念条例です。子ども自身が子どもは生まれた時から権利の主体としてその権利が守られることを理解してもらえるように、漢字には全てふりがなをふるなど、子どもにもわかりやすい表記で記載しています。
条例の内容について
江戸川区子どもの権利条例では、子どもの権利に関する基本的な考え方を示すとともに、子どもの健やかな成長のために、区全体で特に次の4つの権利を大切にすることとしています。
- 生存・発達に対する権利
子ども自身が、自分が大切でかけがえのない存在であることを実感でき、平和や安全が確保されるなかで、自分らしく成長できるよう支援を受けることができること。 - 子どもの意見の尊重
子ども自身が、自由に意見を表すことができ、自分の思いや意見が受け止められ、年齢やこころ、からだの発達に応じてしっかりと考えてもらうことができること。 - 差別の禁止
子どもが、あらゆる差別や虐待、いじめなどを受けずに安心して生きていくことができること。 - 子どもの最善の利益
子どもに関するすべての活動において、その子どもにとって最もよいことをしっかりと考えてもらうことができること。
その他、江戸川区や区民、保護者や施設関係者の役割や、子どもの権利侵害からの回復などについて規定しています。
条例制定までのプロセスについて
子どもの権利条例の策定にあたり、権利の主体である子ども自身に条例策定に関わってもらうために、子どもへのヒアリングや、ワークショップの開催などを行いました。また、区長の附属機関である子ども・子育て応援会議や児童福祉審議会での意見聴取や、条例の素案に関してパブリックコメントも実施しました。様々な関係者、子どもたちの思いや意見を受けて、江戸川区子どもの権利条例が制定されました。
子どもの権利に関するワークショップの開催について
子どもの権利に関するワークショップを開催し、条例の考えの基本となる子どもの権利条約や子どもの権利に関して学んでもらい、大人に約束してほしいこと、日頃考えていること、他の子どもたちに伝えたいことなどを意見としてまとめました。ワークショップは小学生向けと中高生向けをそれぞれ開催しました。
小学生向けワークショップ
令和2年8月22日、23日に子ども未来館において、弁護士の山下敏雅氏を講師に迎え、ワークショップを開催しました。小学5、6年生8名が参加し、様々な事例などから子どもの権利について学び、江戸川区のおとなに認めてほしいこと、ほかの子どもたちに伝えたいことを意見表明としてまとめました。
小学生向けワークショップの様子
中高生向けワークショップ
令和2年9月20日、10月18日の2日間にわたり、共育プラザ南篠崎において中高生向けの子どもの権利に関するワークショップを開催しました。中学1年生から高校3年生まで20名が参加し、子どもの権利条約や子どもの権利について学んだ上で、考えたこと、日頃感じていること、意見などを出し合い、共有しました。
中高生向けワークショップの様子
子どもへのヒアリングについて
子どもの権利条例の検討にあたり、自ら声をあげることが難しい子どもに対して、日頃感じていることなどについてのヒアリングを行いました。特別支援学級に通っている子ども、日本語学級に通っている子ども、LGBTの子ども、不登校の子どもなどからお話を聞きました。
【ヒアリング内容の一部】
- こういう風(発達障害)に生まれた自分が嫌だと思う時がある。自分が悪いわけではないのに我慢させられたりすることがあるのが嫌だ。
- 自分が一番落ち着く場所は家。家族が大切で、一緒にいて安心できるので一番の居場所。
- 困ったときには家族や先生、放課後等デイサービスのスタッフなど相談できる人は多い。自分は大切にされているのかなとも思う。
- 日本に来た当初は日本語がしゃべれず、ひとりぼっちに感じた。
- 日本での暮らしが短く、学校では勉強がわからなくてつらいが、友達はわからないことを教えてくれて優しい。
- 校則で髪型が決められていて自分が表現できない。自分の在り方が尊重されていないように感じる。
- 学校の席を男女別などで分けないでほしいと先生に伝えたら、対応してもらえてうれしかった。もっと早く伝えればよかったとも思った。
- みんなができる当たり前をできない人もいるので、そういった人を排除するのではなく、どうしたら苦しまずに生活できるかを考えたり、寄り添うことができるコミュニティがあるといい。
- 学校に自分のことを理解してくれる先生がいないと、居場所がないと感じた。
- 自分の気持ちはなかなかわかってもらえないので、人には言わない。わかってもらいたいという気持ちも昔はあったかもしれないが、なくなってしまった。
- 居場所がなく、助けを求められる場所もないため、生きづらさは毎日感じている。相談できる期間に相談をしたこともあるが、大人の対応がよくなく、期待するのをやめた。
小学生・中学生への意見聴取について
条例の策定にあたり、より多くの子どもの意見を聞くために、区立小学校、区立中学校生徒会から、子どもの権利条例(素案)に対しての感想・意見をいただきました。
パブリックコメントの実施
令和2年11月20日から12月3日までの14日間、子どもの権利条例の素案に関してパブリックコメントを実施しました。条例の素案に関して事前に区民の意見を聞くことは少ないですが、子どもの意見を聞くという理念を表す条例であることを踏まえて実施しました。
子どもの権利擁護委員の設置について
子どもの権利侵害からの速やかな回復を図るために、子どもの思いを受け止め、相談に応じ、必要に応じて関係機関への調査や調整、意見表明を行う子どもの権利擁護委員を設置しました。
子どもの権利擁護委員への相談は、「えどがわ子どもの権利ほっとライン」からできます。
江戸川区子どもの権利擁護委員設置条例施行規則(PDF:132KB)
活動報告について
江戸川区子どもの権利擁護委員設置条例第6条の規定に基づき、子どもの権利擁護委員から報告を受けた活動状況等について、以下のとおり公表いたします。
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