更新日:2023年6月1日
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特集 人権の大切さを広めるために 人権擁護委員
(注)写真左から眞田康子(さなだやすこ)さん、宮本道子(みやもとみちこ)さん、高濱広記(たかはまひろき)さん。「高」は正しくははしごだかです。
皆さんは人権について考えたことがありますか?全ての人にとって大切な人権。この相談を受けたり考えを広めたりするなどの活動をしているのが人権擁護委員です。法務大臣から委嘱された民間の方々である人権擁護委員は、現在、全国で約1万4千人、江戸川区内では14人が活動しています。
自然と身に付けてほしい気持ち
人権擁護委員の宮本道子さんは、活動を通して子どもたちに「友達を大切にしてね」「みんなそれぞれが大切!それが人権なのよ」と声をかけています。そうすると、子どもたちは素直に「そうだよね!」と聞いてくれるそうです。
「相手を思いやる気持ちが自然と身に付いていれば、いじめや偏見をなくすことができると思うので」。宮本さんの言葉からは、幼い子どもだからこそ伝えていくべきだという思いが感じられます。とはいえ、形のない人権について理解するというのは、小学生に限らず、中高生や大人でも難しいもの。
「たとえ理解できなくても、“なんだかそういう話を聞いたことがあるなぁ”と思い出してくれたら、この活動の意味があると思うんです」
心に思いやりの花を
人権擁護委員は、人権の大切さを広めるためにさまざまな啓発活動をしています。「中でも人権の花運動はその要ですね」と語るのは高濱広記さん。人権の花運動とは、花の種や肥料、プランターなどを学校に配り、子どもたちに花を育ててもらう活動です。
「種から育てると淡い色の若葉が芽生えるでしょう。この若葉を思いやって大切に育てることで、心に思いやりの花を咲かせてほしいんです。優しさの水、思いやりの肥料、それから笑顔の太陽。この三つが大事な要素なんだと子どもたちに語りかけています」
次の世代を担う子どもたちに、人権について考える上で一番大切なのは、相手を尊重する心だということを、活動を通して伝えている高濱さん。尊重する心を育んだ子どもたちが、将来的に多様性の花を咲かせてくれるのを期待していると話します。
困っている人の最初の声を拾うために
啓発の取り組みとともに人権擁護委員が力を尽くしているのが、人権相談です。対面や電話により、広く人権に関わる悩みを抱える一人ひとりと向き合っています。その中でも、子どもの人権相談に長年携わってきた眞田康子さんは、いじめや家庭内暴力など、さまざまな相談を受けてきました。
ある時、小学生から「妹の保育園の送り迎えをしているんだけど、これがずっと続くと思うとつらい」という相談があったそうです。そこで、法務局の職員と学校を訪問したところ、病気の母親に代わり、その子が食事の支度など家事全般をせざるを得ない状況にあることが分かりました。根本的な解決が難しい相談もありますが、詳しく調査することで、専門の機関に引き継ぐなどして救済につなげることができる場合もあります。
相談を受ける中で、深刻な状況に胸が締め付けられる思いを何度も経験したという眞田さん。それでも子どもの人権相談に長く携わってきたのは、「本当に困っている子どもの声を、最初に拾い上げることができるのが私たちだ」という思いから。
さまざまな相談に応じながら、人権の大切さを広めるために、人権擁護委員の皆さんは今日も活動を続けています。悩みや不安がある方は、人権擁護委員に相談してみませんか。
こんな活動をしています
人権教室
人権の花運動
命の大切さや相手への思いやりを育むことを目的とした人権の花運動。子どもたちはみんなで協力しながらプランターに肥料を入れ、花の種を植えていました。
子どもの人権SOSミニレター
「電話では相談しにくい」「話すのに勇気がいる」などの子どもたちの気持ちに配慮した手紙による人権相談です。全国の小・中学生に配布していて、届いた手紙から思いを読み取って返事を書くなど、子どもたちの心に寄り添い、事案に応じた救済に結び付けています。
6月1日は人権擁護委員の日
【対面相談】
毎月第1水曜日 13時~16時(受け付けは15時まで)に、グリーンパレス2階区民相談室で実施しています。
【電話相談】
8時30分~17時15分(土曜日、日曜日、祝日を除く)
- みんなの人権110番(人権一般) 電話:0570-003-110
- 女性の人権ホットライン(女性の人権問題) 電話:0570-070-810
- 子どもの人権110番(子どもの人権問題) 電話:0120-007-110
【インターネットでも人権相談を受け付けています(法務省)】
相談フォームで受け付け、後日、最寄りの法務局から電子メールか電話でご連絡します。