更新日:2024年9月13日
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区民へのわかりやすい情報発信の心得10か条 各編(テキスト版)
外国人編
1.在住外国人とやさしい日本語
本区の在住外国人の現況
- アジア圏出身の在住外国人が全体の約9割を占める
- 英語を十分に理解できない人も多いと考えられる
外国人アンケート調査結果(令和4年3月)
外国人の約9割が簡単な日本語を読むことができる。
【ポイント】やさしい日本語が在住外国人とのコミュニケーションの円滑化に必要
2.やさしい日本語の広報物制作
やさしい日本語とは
言葉や表現を簡単にして、外国人にもわかりやすくした日本語のこと。
やさしい日本語の広報物制作の手順
- ユーザー(在住外国人)目線での編集作業が必要
直訳のみ⇒逆に読みづらくなる
ルビ・分かち書き⇒さらにボリュームが増える
- ポイント
- 情報を編集する
- やさしい日本語に書き換える
- レイアウトする
- チェックする
3.情報を編集する
4つのステップで情報を編集する。
STEP1 誰に何を伝えるかを考える
STEP2 「誰に」「何を」をもとにタイトルを決める
STEP3 情報を分類する
STEP4 情報を整理する
STEP1 誰に何を伝えるかを考える
【例】
誰に:小学校に入学予定の、外国にルーツのある子どもの保護者
何を:イベントの概要
開催情報(場所・日時・費用など)
STEP2 「誰に」「何を」をもとにタイトルを決める
【例】
誰に:外国人の子どもに
何を:小学校で使う日本語を教えます
STEP3 情報を分解する
情報整理のために要素を分解する
STEP4 情報を整理する
情報の整理のポイント
- 不要な情報の削除
あいさつ、丁寧な表現、補足情報、留意事項など必要かどうかを考えて削除する - 情報をまとめる
- 分解された情報をカテゴリーごとにまとめる
- 重複する内容は一つにまとめる
- 掲載順の整理
読み手が知りたいと思う情報に沿って掲載順を整理する - 必要な情報の追加
読み手が行動するのに必要な情報は追加する
4.やさしい日本語に書き換える
文章は短く区切る
一つの文章に伝えたいことは一つ(一文一義)だけにする
難しい言葉を避ける
漢語(熟語)、複合語を避けて、簡単な言葉にする
外来語・オノマトペ(擬音語・擬態語)を避ける
外国人にとって難しい外来語・オノマトペ(擬音語・擬態語)は書き換える
敬語を使わない
外国人にとって難しい「お」「ご」の敬語は避けて、簡単な言葉にする
あいまいな表現をしない
時期や期間は具体的に言う
5.レイアウトする
分かち書きをする
- 文節の間に余白を空けて区切る
- 基本は「ね」を入れて違和感がない位置で区切る
ルビ(ふりがな)をつける
- 一字単位でつける
- 単語につける
- 後ろカッコ(SNS投稿など)
イラスト・図解を使う
文章だけでは説明が難しいことはイラストや図解で補足する。
6.チェックする
情報の編集・やさしい日本語に書き換えの順にチェックする
- 対象となる人が知りたい情報が掲載されているか?
- タイトル・見出しは読んだだけで理解できるか?
- 「4.やさしい日本語に書き換える」のポイントに沿って書き換えられているか?
読み手の目線で読む
- 時間をおいて見直す(半日~1日)
- 制作者以外の第三者にチェックしてもらう
- 可能であれば、外国人にチェックしてもらう(よりわかりやすくなる)
日本語翻訳補助ツール、リーディングチュウ太を使う
- テキストボックスに文章を入力して、「語彙」を押してレベルをチェックする
- 表示される難易度を、日本語能力認定試験の基準でチェックする
高齢者編
1.高齢者の視点
他者視点をもつ
- 自分が見ている世界、体感している世界が全てではない
- 「多様な人間を中心に考える」
視覚障害:色の見え方が異なる
子ども:見える高さが異なる
- 自分視点⇒他者視点
高齢者の視点
人生100年時代の社会背景と、能力(身体、視覚、聴覚、記憶、リテラシー)の低下を考える。
【ポイント】多様な社会に向けて意識を変える(他者発想、人間中心)
- ユニバーサルな市場(社会)と多くの対象への配慮を考えていく
- 高齢者への敬意をもって、高齢者ひとくくりにとらえない
- すべての多様な人へのサービスをコミュニケーションととらえる
【参考】UDビジュアル品質基準
- 文字がはっきり見えること
- 文章が読みやすいこと
- 言葉の意味が分かること
- 文章の内容が分かること
- 色覚障害にも配慮したカラーマネジメントであること
- ピクトグラム、イラスト、写真など視覚的な理解を促進させること
- 読みやすさと美しさが両立されたデザインであること
- 過剰な表現や情報の不足がないこと
- 必要な情報が優先され順位が適切であること
- 誤認誤解のないようにすること
2.他者視点のデザインノウハウ
レイアウトデザイン
- 文字と背景のバランスをとる
- 近接レイアウトをする
- 画数の少ないデザインを工夫する
文字情報の視覚化
- 情報をまとめる
- 行間アキと文字のツメに気をつける
注釈や図のデザイン
- 注釈のルールを決めて使う
- イラストやピクトグラムを活用する
- 表とグラフのデザインを考える
- 地図のデザインを考える
3.レイアウトデザイン
文字と背景
複雑な要素をバランスよく統合する。
【要素】写真やイラスト
企業(自治体)の名前・ロゴ
キャッチコピーやボディコピー
近接レイアウト
関連した情報はなるべく近くに配置する
画数の少ないデザイン
バラバラな囲みをできるだけ一つにまとめる
4.文字情報の視覚化
情報をまとめる
- 何について書いてあるのかを一言で表現する。
- 情報が分散して見えないよう、近接した情報はまとめる
- やさしく、わかりやすく、文字数を少なく(半分の文字量に)伝える
行間アキと文字のツメ
行間は、2分アキを推奨
文字のツメは標準の設定としてマイナス設定にしない
5.注釈や図のデザイン
注釈のルールを決めて使う
記号(■、●、〇、◎など)の運用ルールを決めて使う
イラストやピクトグラムを使う
表のデザイン
数字・情報を比較する表ではなく、読み手に該当するところが発見しやすい表とする
- 色と線で情報を区分し、表の項目や縦・横を追いやすくする
- 数字を大きくするだけでなく、マス目に余裕を持たせると読みやすくなる
グラフのデザイン
- 表現の内容に応じたグラフを選択する。
- 配色や角度を付けるなどの工夫を加える
地図のデザイン
「知っている人なら到達できる地図ではなく、読み手へ配慮した地図」
目的地に迷いなく到達するために、適切な省略と、ユーザー視点に立った情報を付与する
6.用語と文章への配慮
用語
表記ゆれをなくし、単語や単位表記を統一する。
文章
- 簡潔に短い文で書く
- 短い見出しで書く
障害者編
第一編 やさしい日本語の基礎
1.やさしい日本語とは
「やさしい日本語」とは、外国人等にもわかるように配慮して、簡単にした日本語のことです。1995 年の阪神・淡路大震災では、日本人だけでなく日本にいた多くの外国人も被害を受けました。
その中には、日本語も英語も十分に理解できず、必要な情報を受け取ることができない人もいました。
そこで、そうした人達が災害発生時に適切な行動をとれるように考え出されたのが、やさしい日本語の始まりです。
やさしい日本語は、外国人だけでなく、子どもや高齢者、障害者等とのコミュニケーションに非常に効果的なツールの一つとして、行政情報や生活情報、毎日のニュース発信など様々な分野で取組が広がっています。
やさしい日本語の広報物制作の手順
- ユーザー目線での編集作業が必要
直訳のみ⇒逆に読みづらくなる
ルビ・分かち書き⇒さらにボリュームが増える
- ポイント
- 情報を編集する
- やさしい日本語に書き換える
- レイアウトする
- チェックする
2.情報を編集する
4つのステップで情報を編集します
STEP1 誰に何を伝えるかを考える
STEP2 「誰に」「何を」、をもとにタイトルを決める
STEP3 情報を分解する
STEP4 情報を整理する
3.やさしい日本語に書き換える
文章は短く区切る
一つの文章に伝えたいことは一つ(一文一義)だけにします
難しい言葉を避ける
漢語(熟語)、複合語を避けて、簡単な言葉にします
外来語・オノマトペ(擬音語・擬態語)を避ける
外国人にとって難しい外来語・オノマトペ(擬音語・擬態語)は書き換えます
敬語を使わない
外国人にとって難しい「お」「ご」の敬語は避けて、簡単な言葉にします
あいまいな表現をしない
時期や期間は具体的に言います
4.レイアウトする
分かち書きをする
- 文節の間に余白を空けて区切ります
- 基本は「ね」を入れて違和感がない位置で区切ります
ルビ(ふりがな)をつける
- 一字単位でつける
- 単語につける
- 後ろカッコ(SNS投稿など)
イラスト・図解を使う
文章だけでは説明が難しいことはイラストや図解で補足します
5.チェックする
情報の編集・やさしい日本語に書き換えの順にチェックする
- 対象となる人が知りたい情報が掲載されているか?
- タイトル・見出しは読んだだけで理解できるか?
- 「3.やさしい日本語に書き換える」のポイントに沿って書き換えられているか?
読み手の目線で読む
- 時間をおいて見直します(半日~1日)
- 制作者以外の第三者にチェックしてもらいます
第二編 ろう者とやさしい日本語
1.言語障害を一括りにしない
言語に関する障害については、身体的な障害と異なり、その当事者の方自ら事情を説明することが難しいことなどから、コミュニケーションがうまく成立しない場合もあり、社会で十分理解されていない現状があります。
言語障害と一括りにせず、個々の事情を知ることから始める必要があります。
「言語障害」には大きく2種類ある
言語障害は大きく「発声」と「理解」の2つに分かれ、その組み合わせによるものなどもあります。
- 言語の発生に関するもの:構音障害(口の中を動かす機能の問題)
音声障害(喉の問題)、
吃音(発音しようとするときの問題)
- 言語の理解に関するもの:識字障害(ディスレクシア、文字の認識の問題)、
学習障害(内容の理解に関する問題)
- 総合的なもの:失語症、言語発達障害
聴覚障害と言語障害、ろう・難聴者と外国人には共通点がある
聴覚障害の中で、生まれつき耳が聞こえない・聞こえにくい、ろう・難聴の方は、日本語習得に大変な苦労があり、聞こえの問題以外にも日本語で大変苦労しています。
ろう者には手話を第一言語とする人も多く、日本語は第二言語です。この苦労は、日本に住む外国人と似ていることを知りましょう。
2.日本語を苦手とするろう者がいることを知りやさしい日本語対応を心がける
生まれつき耳が聞こえないろう者の方々が自由に使えるのは手話であり、手話は日本語とは大きく違う、れっきとした言語の一つです。
ろう者には外国人と同じく、日本語を第二言語とする人たちがいること、独特の文化をもつこと、そして日本語を苦手とする人も多くいることを意識して、やさしい日本語を含めた伝え方を考える必要があります。
ろう者と言語の問題
- 日本語と手話のズレがある
手話は日本語とは違う言語であり、日本語はろう者にとって第二言語 - 文化にズレがある
聴こえる文化と異なり、ろう文化はストレート - 情報保障の現実
情報保障への合理的配慮をする義務があるという認識が社会に必要 - コミュニケーションのあり方
一方的に伝えたではなく、伝わったかどうかの確認が伝える側に必要
ろう者に伝える方法と工夫
- 伝える方法
内容、年齢、苦手な方法などを考え一人ひとりに合わせた方法で伝えます
手話、筆談、音声認識アプリ、空書き、身振りや表情、口話
- 伝える工夫
丁寧、謙虚な表現は不要。理解しようとする姿勢を持ちましょう:やさしい日本語の「はさみの法則」(はっきり、さいごまで、みじかく)
ろう者が苦手な日本語
- あいまいな表現
- 慣用句
- ことわざ
- オノマトペ
- 長文
- 主題が分かりにくい
3.第三者返答をせず、どんな場合も相手と直接話をする
話し方が独特な人や、内容がよくわからない人と話をするとき、思わずその方と一緒にいる人の方に話しかけることがあります。
これは第三者返答といって、当事者の方に自分が透明な存在だ・一人では何もできない存在だと思わせてしまう行為です。
時間がかかっても、必ず相手と直接コミュニケーションするようにしてください。
言葉に障害がある人とのコミュニケーションの心構え
障害がある人とのコミュニケーションは外国人に向けたやさしい日本語の「考え方」と同じ。
- 日本語が苦手な人がいるということを知る
- それを自然なこととして受けとめる
- 日本語を調整する
言葉だけではなく態度の考え方
やさしい日本語は言葉の問題だけでもない
「第三者返答」というコミュニケーションを迂回する態度は誰でもありうることです。
言い換えにとどまらず、相手の事情を理解し接する態度もあらためる必要があります。
子ども編
1.子どもに伝わる視点
子どもの目線で見る
対等な存在としてみる、教えるのではなく伴走する、肯定と共感、「考える」を促す
子どもを対象とする広報物のポイント
- 楽しく伝える
- 余白をもつ・考える工夫
- 気持ちをつくる
- 子ども向け=子どもっぽいではない
(引用:CANVAS資料)
2.楽しく伝える
楽しそうという感覚を心がける
カラフルやにぎやかさなど楽しそうなビジュアルで表現する。
キャラクターの活用
企画の趣旨などをキャラクター化して子どもに親しみやすいかたちで伝える
【工夫のポイント】
- キャラクターにより企画の内容、趣旨や雰囲気を伝える
- キャラクターに性格・役割を設定する
3.余白をもつ・考える工夫
考えるきっかけの余白
明確な答えの提示や最後までの説明をせず、子どもが考えるきっかけをつくる。
集中するための余白
文字や装飾をなくして余白を作ることにより、伝えたい内容に集中できるようにする。
事例(提供:CANVAS)
- イベントお土産「四コマ漫画」
四コマ漫画として文字を無くし帰宅後に自分の言葉で家族に報告してもらう企図を含めている - イベント配布物「竹芝わくわくマップ」
文字を少なく、また描かれているものの名称を記載していない。子どもが考え・想像できる探検ガイドとなるマップを作成 - オンラインワークショップ案内「キッズクリエイティブ研究所」
装飾等をできるだけなくし、認識してほしいこと(3つのおやくそく)に子どもたちが集中できるようにデザインしている
4.気持ちをつくる
子ども達の気持ちをつくる
なんだか難しそうではなく、子どもたちのやりたい!知りたい!という気持ちをつくる
気持ちをつくる工夫
1.言葉と表現
行動を促す言葉を選び、複雑な内容とならないよう簡潔な表現にする。漢字やひらがなは対象によって使い分ける。
【目安】
- 小学生全学年が対象:小学3年生までになる漢字を使用しルビをふる
- 未就学児も対象:すべてひらがな
2.ビジュアルと空間
印刷物だけでなく、ビジュアルと空間全体(什器・会場等)で雰囲気を作る。
改善点のある例:学習コンテンツ展示「鼠ちゃんの百科事典」(提供:CANVAS)
「大人」が読むべきなのか、あるいは「子ども」に伝えたいのかがわかりにくい
- 展示パネル
長い文章がわかりづらい
文字が読みにくい
遊び方がわからない
- 展示会場
タブレットが操作しにくい
事例:国際デジタルえほんフェア展示(提要:CANVAS)
- 対象に応じて「概要」と「あそびかた」をそれぞれ作成
「概要」にはコンテンツの内容を記載
「あそびかた」は子どもに向けてステップで記載するなど簡潔な表現と漢字とひらがなを使い分け
- パネルスタンドやiPadケースを手作りで制作するなど、空間全体でデザイン
5.子ども向け=子どもっぽいではない
子ども向けは子どもの視点だけではない
大人にとっても、子どもと同じように関心をよび、行動を促す工夫をする。子どもを対象としても、子どもっぽいデザインに寄りすぎないようにする。
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