更新日:2024年7月15日
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区民への伝わる広報物のデザインの心得10か条(案)(テキスト版)
心得10か条とは
- 広報物制作の目的を考えよう
- 届ける対象者を具体的に設定しよう
- 発信する情報をグループ化して優先順位をつけよう
- 文章やデザインを統一しよう
- レイアウトを決めよう
- 文字やフォントを決めよう
- 色の役割をユニバーサルデザインを踏まえて考えよう
- 制作者への依頼のしかたに気をつけよう
- 周知方法(媒体)の特性を考えよう
- 制作して終わりではなく、結果を確認しよう
対象とする広報物
広く区民に向けて情報を知らせることを目的にした広報物(ポスター・チラシなど)を対象とします。
目的
伝わる広報物によって区民の区政への関心と理解を深めます。
1.広報物制作の目的を考えよう
事業の目的を達成するために、広報物の目的を考える
発信の目的を明確にしなければ、誰に、どんな情報を伝えるべきか、見失いやすくなります。まずは、なぜ区は発信しようとしているのか、広報物を制作する目的を今一度明確にしましょう。
- 目的例1 啓発
- 目的例2 イベント募集
- 目的例3 事業案内
2.届ける対象者を具体的に設定しよう
全員に届けようとすると、誰にも届かない
届けたい対象(ターゲット)によって、広報媒体の選定、キャッチフレーズの作り方、書体、カラー、写真素材など効果的な手法は異なります。全区民が対象となる事業であっても特にどのような層に届けたい情報なのかを意識し、ターゲットを絞り込むことが重要です。たとえば、その広報物がどこで配布されるかを考えることで、絞り込むことができます。
どのような切り口だと伝わりやすいのか考える
誰に伝えるか(ターゲット)とあわせて、何を伝えるか(テーマ)を検討します。現状・課題・社会情勢などを考慮し、区民に何を伝えるのか、どのような観点から訴求していくのか、テーマを決めることが大切です。テーマに正解はありません。
3.発信する情報をグループ化して優先順位をつけよう
情報の優先順位を考える
伝えたいテーマを明確にしても、情報量が多すぎれば、伝えたい情報が届きにくくなります。情報の優先順位を、情報の受け手=区民(ターゲット)目線でイメージし、判断しましょう。
情報を漏れなく伝えようとしない
限られた紙面では、可能な限り情報は、必ず伝える必要があるものに絞ります。できれば伝えておきたい事はウェブサイトへのリンクや二次元コードなどで関連情報へ誘導することにより、ポイントが明確に伝わります。
4.文章やデザインを統一しよう
イメージを統一しよう
見る人に同じ印象を持ってもらえるようにデザインに一貫性を持たせましょう。配色を始め、文字サイズ、文末表現、NG表記を統一することで、同じ印象を作ることができます。
5.レイアウトを決めよう
4大法則を考えよう
- コントラスト(太さ・大きさ・色の違いなどで情報の優先順位をつける)
- 反復(情報をパターン化しどこに何があるか理解しやすくする)
- 整列(整列によって情報の信頼感が高まり読みやすさも高まる)
- 近接(情報をグループ化することで伝達速度を飛躍的に高める)
余白を意識しよう
余白を最初に設定することで、デザインの洗練さ、視覚的な見やすさが確保されます。
囲み線を削除すると、余白を設けることができます。余分なカッコなども不要です。
6.文字やフォントを決めよう
書体の持つイメージを意識しよう
書体デザインには印象(イメージ)が含まれます。情報に適切な印象を持たせることで情報が正しく素早く伝わります。
よく使われる書体の使い分け
- 明朝体:真面目な、正式な印象を持ち、長い文章を印刷で読む際に疲れない書体。画面には向かない。
- ゴシック体:可読性が高く、遠くからでも読みやすい。タイトルには太字、本文には細字で使える。画面でも読みやすい。ポスターなど距離をおいて見る媒体にも適しているが、サイズが大きい文字なら明朝でも問題ない。
文字サイズのバリエーションは2~3種類に
サイズは情報の重要度とリンクします。あまりに段階が多いと適切に情報が伝わりません。
文字サイズは情報の重要度とリンクさせて3段階を基本に設定する
- 文字サイズ大:タイトル、大見出し
- 文字サイズ中:小見出し
- 文字サイズ小:本文
一行の長さ(文字の数)が長くなりすぎないように注意しましょう
一般に読みやすさの基準として、一行の長さ(文字の数)は、横組では40文字以内、縦組では50文字以内といわれています。
7.色の役割をユニバーサルデザインを踏まえて考えよう
色の持つ役割りを考えよう
色を使うときはその役割を考えてください。3色を基本として、それぞれに役割を決めます。基本の組み合わせは強調色+明るい(薄い)色+暗い(濃い)色とします。強調色は最も目立たせたいところに使用します。
色の見え方が一般と異なる人を意識しよう
色覚多様性に配慮した色使いを心がけましょう。
色のコントラスト(明暗)を意識してつけましょう。
モノクロコピーをとるとコントラストの確認ができます。
ユニバーサル・デザインとは
ユニバーサル・デザインとは、文化・言語・国籍の違い、老若男女といった差異、障害・能力の如何を問わずに利用することができる施設・製品・情報の設計(デザイン)をいいます。情報の受け手に配慮したデザインを考えましょう。
8.制作者への依頼のしかたに気をつけよう
広報物制作を外部に委託する、依頼する場合の心得
目的や目標、文章やデザインの統一性、主な対象者や内容の確認を行いましょう。あらかじめ言語化して仕様書に明記し、共有することが重要です。
明文化の例
目的や主な対象を明記して共有します。こちらが考える以上のアイデアがあれば積極的に提案してもらいましょう。
9.周知方法(媒体)の特性を考えよう
チラシ
- 特長:紙1枚のため、手に取ってもらえれば読んでもらえる可能性が高い。手軽に作成でき、配布エリアを限定することも可能。目を引くコピーやデザインにより、SNSなどで拡散されるケースも増えている。
- 注意点:スペースには限りがあるため、文字情報は優先順位をつけて、ウェブサイトに誘導するなど情報の整理が必要。
ポスター
- 特長:交通媒体や街の掲示板など、不特定多数の方に広く情報を届けられる。目を引くコピーやデザインにより、SNSなどで拡散されるケースも増えている。
- 注意点:チラシと同様、伝えられる情報量には限りがある。特に、通行人などが1秒以内で概要を掴めなければ素通りされてしまうため、チラシ以上に目を引くコピーやデザインが求められる。
広報誌
- 特長:環境を問わず、区民に配布できる。広く多くの区民にむけて情報発信ができる。
- 注意点:誌面スペースに限りがあり、情報の整理が必要。
ウェブサイト
- 特長:情報量を制限なく自由に掲載できる。効果測定ができる。(アクセス数が測れる)
- 注意点:「掲載した=お知らせした」ではないことを気をつけたい。紙媒体を主な情報入手の手段とする年齢層がいる。表現やわかりやすい掲載ができているか注意する。
LINE
- 特長:登録者は興味をもって情報に接してくれる。概要を端的に伝えることが可能。利用者との距離が近く親しまれやすい。
- 注意点:あくまでもコミュニケーションツールであることを意識して活用しなければ、一方的な情報発信などで登録解除に繋がる。利用者にとって価値ある情報が求められるため、情報発信には工夫が必要。
その他SNS
- 特長:利用者との距離が近く親しまれやすい。面白い・有益な情報は広く拡散される。
X(旧Twitter)は即時性のある情報発信や情報拡散力が強み。
インスタグラムは、写真や動画で発信ができる。
facebookは匿名性が低いため、近い利用者の中で情報が共有される。
- 注意点:あくまでもコミュニケーションツールであることを意識して活用しなければ、一方的な情報発信などでフォロワーを減らすことに繋がる。
動画
- 特長:情報が分かりやすく、伝えられる情報は多い。文章だけでは分かりづらい複雑な手続きや制度などの情報を簡単にイメージさせることができる。
- 注意点:字幕や多言語による情報の補足、ほかの媒体同様に、カラーコントラストなどへの配慮も必要。
10.制作して終わりではなく、結果を確認しよう
効果測定の方法には「定量」「定性」があります
- 定量:チラシが減った数を毎週数える。ウェブコンテンツではアクセス数を測定する。
- 定性:来庁したターゲット層の方に見てもらい感想を聞く、事業のウェブコンテンツの閲覧者を分析するなどの手段があります。費用がかからない方法で試してみましょう。
広報の効果測定とは「存在意義」と「提供価値」を示すことです
一方で、すべての広報物を発信の都度、効果測定することは業務の負担となります。費用対効果を考えて測定の時期を定期的に定めて、特定の広報物に対してのみ実施してもよいかもしれません。
測定がゴールではなく、次回へ生かすことが目的であることを見失わないようにしましょう。
効果測定の一例
効果測定の方法(伝わったかどうか)と改善への活用例
- ラックの在庫を数える
改善への活用:部数とコスト削減に繋がります
- 機会をとらえて区民に「この広報物を見たことがあるか」聞く
改善への活用:デザインや表現の何を見直すかが具体的にわかります
- 利用者にアンケートをとる
改善への活用:回答や意見をもとに、デザインや文章表現の改善に役立てられます
- 事業のウェブコンテンツの分析をする
改善への活用:閲覧者の情報や、閲覧コンテンツまでの経路が分かります
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