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更新日:2026年2月1日

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持続可能な地域のあり方基本構想(案)【テキスト版】

第1章 本構想の目的・位置づけ

1.1 本構想の位置付け

本構想は、本区の理念を表した「ともに生きるまちを目指す条例」と、その理念に沿って目指す区の姿を描いた長期計画「2100年の江戸川区(共生社会ビジョン)」、そして、その実現に向けた「アクションプラン」にもとづくものとして策定します。

また、その他関連する構想や計画として、「文化・スポーツ基本構想」や「江戸川区公共施設再編・整備計画」などがあります。

1.2 本構想の背景 ~江戸川区90年の歩みの中で~

昭和7年に江戸川区が誕生してから、90年以上が経ちました。

この間、公害問題への対応や防犯・防災対策、住みよい環境整備、健康増進、まちのにぎわいづくりなど、時代の変化とともに多くの課題が生まれてきましたが、本区は地域の皆さまと力をあわせ、それらを一つ一つ解決してきた歴史を持ちます。

長年にわたるこうした取り組みを通じて、本区には「人と人とがささえあう力」が培われてきました。

1.2 本構想の背景 ~なぜ「人と人とがささえあう力」が必要なのか~

これまでも本区では、この「人と人とがささえあう力」によって数々の困難を乗り越えてきましたが、これからの江戸川区においても、ささえあうことの重要性に変わりはありません。

「人と人とがささえあう力」は、私たちが生きていく上で欠かせない、大切なものです。自分ひとりでは解決できない悩みや問題も、互いに助け合えば解決することもあるはずです。

特に災害時、この力は命を守ることにもつながります。

平成7年に発生した阪神・淡路大震災では、住民どうしの助け合いが多くの命を救いました。実際に、倒壊家屋などから救助された人の97.5%が、「家族に助けられた人・自力で脱出した人(自助)」と、「隣人や友人、通行人などに助けられた人(共助)」でした。

参考:東京消防庁ホームページ 「阪神・淡路大震災から学ぶ自助、共助の大切さ」より

1.2 本構想の背景 ~「人と人とがささえあう力」は、いま~

近年、情報技術の革新などにより、区民生活の利便性は向上しています。また、核家族化、共働き世帯の増加、社会経済情勢の変化などにより生活スタイルも多様化しているほか、電車やバスなどの交通網の発達や道路ネットワークの形成などにより、生活圏も大きく広がりました。

しかし一方で、これまで区内で行われてきた、防犯・防災活動など地域における課題解決のための活動や、地域の交流を活発にするおまつりなどのイベントについては、少子高齢化のほか、平日・日中に時間をとることが難しい家庭が増えたことや、住んでいる地域以外にも活動の場の選択肢が増えたことなどによって、担い手自体の数が減少してきており、活動の担い手一人ひとりにかかる負担もますます重くなっています。

このままでは、地域における活動を今と同じように持続していくことが難しくなり、「人と人とがささえあう力」が薄れていってしまうことが懸念されます。

1.3 本区の長期計画に描かれる、未来の江戸川区

「1.1 本構想の位置付け」で紹介したように、本構想は多くの区民の皆さまの声をもとに目指す区の姿を描いた長期計画「2100年の江戸川区(共生社会ビジョン)」にもとづいています。(1)協力しあうことなく2100年をむかえる江戸川区、(2)ともに力をあわせて2100年をむかえる江戸川区という2つの江戸川区が並べて描かれています。

「(1)協力しあうことなく2100年をむかえる江戸川区」においては、まちで暮らす人が互いに無関心で、人々の交流が途絶えてしまう暗い未来が描かれています。

(注)「2100年の江戸川区(共生社会ビジョン)」より抜粋

区の施設に人が集まっているところを見かけなくなった。

このまちに暮らしている人はいるけれど、たがいに無関心みたいだ。

そう思ったあと、自分もそのひとりだと気づいて、また、ためいきが出た。

いまの生活も悪いことばかりじゃないけれど、

毎日なんとなく暮らしてはいるけれど、どこか物足りない。

もっとだれかと話したいな。いっしょになにかやりたいな。

同じ気持ちの人はいないのかな。

1.3 本区の長期計画に描かれる、未来の江戸川区 ~目指す地域の姿~

一方で 「(2) ともに力をあわせて2100年をむかえる江戸川区」の中では、まちのこれからについて意見や希望をもつ方が自由に集まりにぎやかに語りあう姿が、本区が目指す地域の姿として描かれています。

(注)「2100年の江戸川区(共生社会ビジョン)」より抜粋

月に一度、まちに住む人、まちで働く人が区の施設に集まって、行政の人もいっしょに、いろんな意見や希望について話しあう。

「この提案を実現するには、こうしてみるのがいいんじゃないか」

「これは我が社も協力しますよ。まかせてください」

「わたしたちはこの部分をお手伝いしましょう」

このまちでは、大人も子どもも、
大きい会社も小さい会社も、みんなが主人公。

まちのこれからについてにぎやかに語りあっていると、ひとりじゃないって思えて、やりたいことが増えてくるんだ。

1.3 本区の長期計画に描かれる、未来の江戸川区 ~目指すまちの姿~

そして、目指すまちの姿は、「区に関わるみんなが「自分たちのこと」として、ともにまちをつくっている姿」として、次のように描かれています。

(注)「2100年の江戸川区(共生社会ビジョン)」より抜粋

でも、そんないろいろな個性をもった人たちがみんなでささえあいながら、いい意味で「ごちゃまぜ」に暮らしているから、まちはにぎやかで、平和で、強い。

このまちを動かすエネルギーは「人と人とがささえあうこと」です。

自分だけでなんとかしようとするわけでも、だれかにおしつけるわけでもなく、江戸川区に関わるみんなが「自分たちのこと」としてともにまちをつくっているから、いざというときにも強くなれる。

ふだんからみんなで備えて、協力しあいながら暮らしているからだれひとり取り残されるようなことはありません。

1.4 本構想の目的

目指す未来 “ともに生きるまち”の実現に向けて

地域に関わる皆さまが協力しあう江戸川区=“ともに生きるまち”を実現するためには、地域における活動を持続可能なものにしていく必要があります。

本構想は、持続可能な地域のあり方について、その方向性や概要、今後の検討事項などをとりまとめることを目的として策定します。

1.5 取り組みの方向性の検討に向けて

本構想の作成過程では、「持続可能な地域のあり方懇話会(以下、懇話会とする)」や「若者の声を聴く取り組み(以下、若者の声とする)」を実施し、多くの方々からいただいたご意見をふまえて作成しました。

今回意見をお聞きした団体等の一覧

持続可能なあり方懇話会

  • 町会・自治会
  • くすのきクラブ連合会
  • 江戸川区民生・児童委員協議会
  • 江戸川区障害者団体連絡会
  • 一般社団法人江戸川区文化芸術協会
  • 一般社団法人江戸川区スポーツ協会
  • 公益財団法人えどがわボランティアセンター
  • 一般社団法人江戸川区医師会
  • 江戸川区商店街連合会
  • 東京商工会議所江戸川支部
  • 環境をよくする各地区協議会
  • 消防団(江戸川・葛西・小岩)
  • 認定NPO法人えどがわエコセンター
  • 江戸川区立小学校長会
  • 江戸川区立中学校PTA連合協議会
  • 青少年育成地区委員会
  • 江戸川区議会議員
  • 公募区民
  • 学識経験者

若者の声を聴く取り組み

  • 愛国学園短期大学
  • 東京コミュニケーションアート専門学校
  • 東京福祉専門学校
  • 江戸川高等学校
  • 江戸川女子高等学校
  • 関東第一高等学校
  • 葛西工科高等学校
  • 葛西南高等学校
  • 小岩高等学校
  • 小松川高等学校
  • 篠崎高等学校
  • 紅葉川高等学校

(注)「懇話会」、「若者の声」の詳細は、第6章に記載します。

第2章 持続可能な地域の実現に向けて

2.1 地域活動に関わる団体等の現状

2.1.1 本区による現状分析

現在本区において、「地域活動の担い手」として重要な役割を担っている団体の一つが、「町会・自治会」です。

町会・自治会などが担うおまつり、防犯・防災活動などの現状を分析した結果、区内全体で、年間1,200回以上の活動に約4万9千人が関わっていることがわかりました。これは、毎日区内のどこかで、3~4回、約130人が活動していることになります。

しかし、人口減少や高齢化に伴って担い手が減少しつつある中、これからも今までと同じ方法・同じ規模で、上記の活動を続けていくことは難しいと考えています。

さらに、区内には町会・自治会以外にもボランティア活動や文化芸術、スポーツの振興などの地域活動を行っているさまざまな団体がありますが、どの団体も同様の課題を抱えている状況です。

それぞれの団体が、個別にこれまでと同じように活動を維持しようとしても、限界があるのではないかと考えられます。

2.1.2 地域活動に関わる皆さまの声

「懇話会」で、「活動する中で感じる課題」についてうかがったところ、さまざまな意見が挙げられました。そのご意見は、以下のように3つのグループに分類できました(個別のご意見は下図1~15に大別)。

A 担い手不足

1 参加者の高齢化

2 若い世代の参加意欲の低下

3 担い手の固定化

4 役員やリーダーへの負担の集中

5 行政からの数多くの依頼事項

B つながりの希薄化

6 地域活動に割く時間がない

7 近所付き合いの減少と孤立化

8 地域団体間や学校などとの連携不足

9 個人情報など必要な情報の入手に課題がある

10 地域内で交流する場所の不足

C 活動の魅力・情報不足

11 活動内容や目的が伝わりづらい

12 参加するメリットを感じにくい

13 外国人の地域活動への参加促進

14 情報発信スキル・ノウハウの不足

15 練習・発表場所の情報不足

2.2 「目指す地域の姿」実現に向けたアプローチ方法

第1章に記した「目指す地域の姿」、そして本章に記した「現状の活動における課題」については、(1)目指す地域の姿を実現するための取り組みと(2)現状の活動における課題を解決するための取り組みの両面から検討する必要があります。

(1)目指す地域の姿を実現するための取り組みについては第3章、(2)現状の活動における課題を解決するための取り組みについては第4章にそれぞれ記します。

第3章 目指す地域の姿を実現するための取り組み

3.1 地域に関わる皆さまで協力しあう仕組み(地域連携の場)とその機能

「2100年の江戸川区(共生社会ビジョン)」に描かれる「目指す地域の姿」を実現するためには、「人と人とがささえあう力」が欠かせません。

そして、その力を今後も維持し、高めていくためには、例えば以下のような活動を地域で継続していくことが必要です。

おまつりなどのイベント

地域で行われる「楽しい」イベントの代表で、子どもから高齢者まで気軽に参加することができます。

また準備や当日の運営作業を行う中で、顔見知りの関係が広がり、地域に関わる皆さまの結束力が高まります。

防災活動

年代や障害の有無、国籍などを問わず、すべての地域住民にとって、災害への備えは命を守るための重要な行動です。

多くの方が防災訓練や避難所開設訓練などに参加することは、地域の安全・安心を高めることにつながります。

これらの活動を今後も継続していくために、地域に関わる皆さまが、それぞれの地域において目標を設定し、そのための課題や取り組みを考え、アイデアを出しあい実行していくための仕組みが必要だと考えます。

また、この仕組みは、これまで活動に関わったことのない人・団体や、地域の外の人・団体、また新しく江戸川区に住みはじめた人なども参加しやすいものとしていくことが求められます。

本構想では、その仕組みを「地域連携の場」と呼びます。この「地域連携の場」には、以下4つの機能が必要になると考えます。

「地域連携の場」の4つの機能

  1. いつでも立ち寄ることができる機能
  2. その地域に関わる皆さまの間で意見を出しあい、共有する機能
  3. 課題を解決できる人や団体を見つけ、結びつける機能
  4. 課題について話しあい、実行する機能

3.1.1 1 いつでも立ち寄ることができる機能

「地域連携の場」は、その地域に暮らす方にとって「身近な場所」にあることで、“いつでも立ち寄れるところ・気軽に集まれるところ”となることが必要です。

本構想では、この「身近な場所」を「およそ10分以内で歩いて行ける場所」と位置付け、徒歩10分の目安である、半径約800mの範囲を一つの「地域連携の場」の基本的な単位として考えます。

また、気軽に立ち寄ることができるように、オープンで明るい環境にしていく工夫も必要です。

3.1.2 2 その地域に関わる皆さまの間で意見を出しあい、共有する機能

区内には、古くから住宅街である地域や、商店や飲食店などが多い地域、再開発が進む地域、農地の多い地域、子どもの多い地域など、さまざまな特徴をもった地域があります。

その地域における目標や課題は、地域ごとに異なります。まずは、地域の皆さまの間で目標を共有し、その実現のための課題などに関する意見を出しあい、共有することが必要です。

そのためには、自由に意見を出しあうことができる場を設けることはもちろん、日ごろから声を届けることができるような仕組みや、「地域連携の場」に携わる職員が、地域に関わる皆さまのところに出向いてその声を聞く、いわば「御用聞き」のような取り組みなども求められます。

3.1.3 3 課題を解決できる人や団体を見つけ、結びつける機能

地域に関わる皆さまから出された課題の中には、既存のつながりの中だけでは解決できない課題もあるかもしれません。

その場合は、その地域に住んでいる方だけでなく、地域内の企業・店舗に勤めている方や学生、また場合によっては地域の外にいる方の協力も必要になってきます。

そこで、この「地域連携の場」には、その課題の解決に必要な人や団体を見つけ、つなぎ、協力関係を築く役割が求められます。

そのためにも、「地域連携の場」に関わるメンバーは日ごろから地域内の情報を収集し、さまざまな人や団体とのつながりをつくっておく必要があります。

3.1.4 4 課題について話しあい、実行する機能

挙げられた課題については、優先順位をつけて、解決に向けて必要なメンバーとともに、「地域連携の場」において議論していくことが必要です。

そのためには、さまざまな議論をサポートし、促進する役割(コーディネーター)の存在が欠かせません。

また、「地域連携の場」で議論し、考えた解決策を実際に実行していくにあたっても、地域に関わるさまざまな皆さまが協力しあって進めていくことが重要です。

そのために、人や物、また場合によっては資金などが必要であれば、それらを確保していくための仕組みも検討します。

3.1.5 「地域連携の場」のまとめ

ここまで紹介してきた4つの機能は、いずれも区役所だけで実現できるものではありません。

この「地域連携の場」の主役は、地域に関わる皆さまです。

参加する皆さまの議論を通じて、地域ごとに重点を置くテーマに特徴が生まれ、扱う課題や活動にも違いが生まれます。

そんな地域ごとの違いこそが、その地域の特色となり、個性となります。多様な個性をもつ地域が集まって、一つの江戸川区を形作る。それが「地域連携の場」の目指す形であると考えます。

3.2 目指す地域の姿を実現するために今後検討すべき事項

「地域連携の場」を実現させるためには、今後、以下のような事項を中心に議論を深めていく必要があります。これら検討すべき事項の整理にあたっては、「懇話会」などでいただいたご意見を参考にしました。

1 圏域について

「地域連携の場」の圏域については、「半径約800m」の範囲を基本としつつ、これまでの歴史的な経緯をふまえ、現在の町会・自治会の圏域を前提として検討を進めます。

2 「地域連携の場」同士の関係性について

「地域連携の場」は地域ごとに運営されるものであり、その活動内容や体制には、それぞれの地域の特徴や個性が反映されていくことが想定されます。

「懇話会」の参加者からは、「地域連携の場」ごとで活動に差が生まれることに対する懸念の声もありましたが、一方で、他の地域の取り組みを参考にして活動を行うことで、相互に刺激しあうことができるという意見もありました。

また、一つの「地域連携の場」だけでなく、複数の「地域連携の場」が連携して活動する場面も想定されます。

上記の圏域についての検討とあわせて、「地域連携の場」同士がどのように関係していくかについても、引き続き検討を行います。

3 コーディネーターの体制について

コーディネーターは「地域連携の場」に携わる職員が担うことを想定していますが、地域に関わる皆さまの役割も含め、具体的な体制や運営方法については、さらに検討が必要です。

4 人が集まる仕掛けについて

学生や働いている世代、外国籍の方や障害のある方など、誰でも参加しやすい雰囲気をつくるために、できるだけオープンな場とする工夫や仕掛けの検討が必要です。

「懇話会」の参加者からは、例えば、カフェや食堂のような機能を持たせてもいいのではないかといった意見がありました。

また、一度参加した方々に興味を持ち、活動を続けてもらう環境づくりも必要であるという意見や、外国籍の方や視覚・聴覚に障害のある方などと円滑にコミュニケーションを取れる仕組みについても検討が必要であるとの意見もありました。

5 資金について

課題の解決や活動の内容によっては、資金が必要になる場合も想定されます。

「懇話会」の参加者からは、「地域連携の場」に区から一定の予算をつけ、その使い道については地域に関わる皆さまに委ねることも一つの方策であるとの意見がありました。他自治体の事例も研究しながら、資金の考え方についても議論を深める必要があります。

3.3 「地域連携の場」の拠点と「(仮称)ミニ区役所」の関係について

ここまで「地域連携の場」とその機能について記してきましたが、その実現のためには、拠点となる場所が必要です。

本区では現在、新庁舎の整備とあわせて、区民の皆さまの身近な場所に、相談・手続き、オンライン申請のサポートなどを行うことができる「(仮称)ミニ区役所」を整備していくことを検討しています。

この「(仮称)ミニ区役所」の大切な機能の一つが、「地域連携の場」の拠点としての機能だと考えています。

3.4 「(仮称)ミニ区役所」の機能

「(仮称)ミニ区役所」には、「地域連携の場」の機能に加えて、以下のとおり、あわせて4つの機能を持たせることを検討しています。

1 地域連携の場

地域に関わる皆さまが、地域ごとに目標を設定し、そのための課題や取り組みを考え、アイデアを出しあい実行していくための場

2 多世代が集える場所

地域の皆さまの「居場所」の機能も兼ね備え、新たな交流の創出を促進します。

3 オンライン申請・相談のサポート

多くの申請や相談を自宅からオンラインで行えるようにしていきますが、ご自身でそれらの手続きを行うことが難しい方のために、そのサポートを行います。

4 対面での相談・手続き

オンラインで行うことができない手続きなどについて、一次的な窓口として受付を行います。

3.5 「地域連携の場」が「(仮称)ミニ区役所」にあるメリット

「(仮称)ミニ区役所」の中に「地域連携の場」の機能があることによるメリットは、以下のとおり大きく3点あると考えています。

3.5.1 1 身近な場所に設置

「(仮称)ミニ区役所」についても、 P.20に記したように 「およそ10分以内で歩いて行ける場所」、つまり半径約800mの範囲を一つの目安とし、既存の町会・自治会の圏域を前提としながら、区内に20か所程度整備したいと考えています。身近な場所にあることで、必要な時にいつでも訪れたり集まったりできるようになります。

また、整備の際には、可能なかぎり既存の区施設を活用したり、他施設と複合化したりすることで、財政的な負担を軽減できるようにしていきます。

あわせて、誰もが集える拠点として、施設のバリアフリー化を進めるとともに、多くの方が利用しやすい開館時間の設定などについても検討が必要です。

3.5.2 2 専門性のある職員を配置

「(仮称)ミニ区役所」は、これまで個々の施設として区内に存在していた「地域事務所」や「福祉事務所」、「健康サポートセンター」、「なごみの家」などの機能を集約し、より身近な場所で、一元的に行政サービスを提供できるようにすることを目指しています。

ついては、「地域連携の場」に携わって地域内外の人や団体と日々やりとりをしたりコーディネーターの役割を担ったりする職員の他にも、区の福祉部門の職員や保健師、コミュニティソーシャルワーカーなどを配置し、さまざまな地域の課題に対して組織的に対応することができるようにします。

3.5.3 3 さまざまな行政サービスとの連携

「(仮称)ミニ区役所」では、新庁舎とオンラインで常につながることで、新庁舎に行かなくても、さまざまな相談や申請・手続きなどを対面で行うことができるようにします。

それにより、3.5.2に記した職員が担当する業務間の連携はもちろん、それ以外の業務も含めた、区が行うさまざまな行政サービスとのスムーズな連携を目指します。

また、区民の皆さまの身近な場所にあるという利点を生かし、オンラインの操作に慣れない方についてはそのサポートも行います。

参考 ~「地域連携の場」と「(仮称)ミニ区役所」、「なごみの家」は何が違うの?~

区はこれまで、「誰もが安心して自分らしく暮らせる共生社会」実現の拠点として、区内9カ所に「なごみの家」を整備してきました。「なごみの家」は地域の相談の場であり、居場所であるとともに、地域の課題を地域の皆さまの力で解決できるように一緒に集まって考えるための拠点です。

本区が整備を検討している「(仮称)ミニ区役所」は、この「なごみの家」を含め、地域事務所や健康サポートセンターなど既存の区の施設の機能を集約し、4つの機能に整理しなおすことで、時代にあわせて区民の皆さまの利便性をさらに向上させることを目指しています。

これまで「なごみの家」で実施してきた地域の課題解決のための取り組みは、「(仮称)ミニ区役所」の整備に伴い、その「地域連携の場」として発展的に引き継ぐことを検討しています。現在の「なごみの家」よりさらに身近な場所で、コーディネーターや地域支援を担当する区職員も配置することで、これまでよりさらに多様な人をつなぎ、協力関係を築きながら、その地域の特色にあわせた取り組みを着実に実行していくことができる仕組みを目指します。

第4章 現状の活動における課題を解決するための取り組み

4.1 現状の活動における課題解決に向けた取り組み

第3章では「目指す地域の姿を実現する」ための取り組みについて、その方向性を記しました。

続いて、本章では「現状の活動における課題を解決する」ための取り組みについて記します。

課題の解決策を検討するにあたっては、第2章において分類した3つのグループに沿って方向性を整理します。

また、それぞれの解決策の実現時期の目安として、検討内容や優先順位に応じて「短期(1~2年程度)」と「中・長期」の2つに分類しています。

A 担い手不足

B つながりの希薄化

C 活動の魅力・情報不足

(注)次ページ以降で示す課題解決の方向性の中には、複数の課題のグループに関係するものもありますが、便宜上3つのグループのいずれかに振り分けています。

4.2 課題解決の方向性について

A 担い手不足の解決に向けて

担い手不足の要因としては、「少子高齢化などにより担い手が減少していること」や「活動の数が増えていること」などが考えられます。これらの要因に対する解決策の方向性を以下に示します。

⑴ 民間企業等の地域活動への参加支援 【短期】

地域に関わる皆さまが担い手不足の課題を抱える一方で、民間企業等の中にはCSR活動の取り組みの一環として、地域に貢献したいという思いを持っている企業などもあります。
ついては、地域に関わる皆さまの課題と企業が提供できる解決策を区がマッチングする仕組みを検討していきます。

⑵ 行政から依頼する活動の見直し 【中・長期】

現在、地域に関わる皆さまが行う活動の中には、区から依頼して実施されているものも一定数あります。そうした活動について、あらためてその内容や活動内容を精査し、時代にあわせた再構築を検討することで、地域に関わる皆さまの負担軽減を目指します。

⑶ 活動参加に対するきっかけづくり 【中・長期】

「懇話会」や「若者の声」の参加者からは、活動に参加した場合に何かしらの報酬などがあれば、参加するきっかけになるのではないかという意見がありました。

報酬には、経済的(例:謝礼金やクーポン券)、物理的(例:景品や飲食)、精神的(例:表彰や成果の公表)など、さまざまな手段がありえますが、その要否を含め、効率的かつ効果的な方法を研究していきます。

B つながりの希薄化の解決に向けて

⑴ 世代を超えた交流機会の創出 【短期】

近くに住む人同士が普段から顔見知りの関係であることが、災害時など、いざという時の助け合いにつながります。そのためにも、日ごろから世代を超えて交流することができる機会を、地域の中に増やしていくことが必要です。

「懇話会」の参加者からは、子どもが地域活動に参加することは、その家族が参加するきっかけにもなる、子どもや子育て世代が将来の地域活動の担い手にもなるという意見がありました。

また、「若者の声」の参加者からは、特に若い世代が参加したことのある地域活動として、おまつりやラジオ体操、あいさつ運動、また学校を通じた地域活動などが挙げられました。

こうした機会を活用し、子どもや子育て世代をはじめ、多様な世代の参加をさらに増やしていくための取り組みを検討していきます。

⑵ 時間や場所を選ばず参加できる仕組みづくり 【中・長期】

「懇話会」の参加者からは、地域活動の時間や場所が限られているため参加したくてもできない方もいるという意見や、地域の外からでも参加できる仕組みが必要という意見もありました。

そうした方も参加できるようにするために、活動の内容や日程の見直しを検討するほか、デジタル技術を活用し、外出先や自宅などからいつでも参加できる仮想空間における活動など、時間や場所にしばられずに参加できる仕組みづくりについても検討していきます。

⑶ 外出が困難な方の支援 【中・長期】

高齢者や障害のある方などの中には、外出することが困難な方もいます。

区の職員や地域に関わる皆さまが、そうした方の自宅を訪問してお話をうかがったり、地域とのつながりや生きがいづくりなどを支援したりする取り組みを検討します。

参考 ~交通空白地域 の解消について~

「懇話会」の参加者からは、交通空白地域においては、移動手段が限られるため、地域活動に参加したくても参加しにくいという声がありました。

区では現在、そうした地域における移動手段の確保に向けて、新たな地域交通の形としてグリーンスローモビリティの導入検討などを進めていますが、引き続き「地域活動の活性化」の観点からも持続可能な交通手段のあり方について研究していきます。

1 交通空白地域:鉄道駅から 500m 、バス停留所から 300m 以上離れた地域

2 グリーンスローモビリティ:時速20km未満で公道を走ることができる電動車を活用した移動手段

C 活動の魅力・情報不足の解決に向けて

⑴ SNSなどを活用した情報発信 【短期】

「懇話会」の参加者からは、既存の方法で活動の情報を発信しても多くの人に届かないという声がありました。一方で「若者の声」の参加者からは、地域活動に関する情報がどこで得られるのかわからないという声がありました。

チラシの回覧やポスターの掲示など紙媒体での情報発信も必要ですが、積極的なSNSの活用や地域活動の情報が集まるホームページの構築など、より多くの方に情報を届けるための情報発信の支援について検討を進めます。

⑵ 情報の多言語化 【短期】

本区が行った「外国人区民に関するアンケート」の結果によると、約77%の外国籍の方が「地域の活動に参加したい」と回答しています。

しかし、現在地域活動に関する情報は日本語によるものが多く、外国籍の方には、まだまだ行き届いていない側面もあります。

「懇話会」の参加者からは、 やさしい日本語による情報発信や広報媒体の多言語化などが必要という声がありました。 引き続き、言語の壁をなくす取り組みやその支援について進めていきます。

⑶ 魅力向上の取り組み 【中・長期】

担い手の不足や固定化の解消のためにも、若い世代に魅力を感じてもらえる取り組みや、その参加を促す取り組みが求められます。

例えば「若者の声」の参加者からは、芸能人や“推し”が関わる活動であれば参加のきっかけになるなどの意見がありました。

また、「懇話会」の参加者からは、地域に関わる皆さまが楽しく、元気に取り組む姿を見て、興味をもってもらうことも大切であると意見がありました。

地域活動が若い世代にとってより魅力的なものになるよう、また、自らが活動に関わりたいと思えるよう、引き続きその意見を聴きながら、活動の多様化のための取り組みやその支援について検討していきます。

第5章 まとめ

5.1 課題の内容と解決策の整理

ここまで、地域コミュニティや地域活動を持続可能なものにしていくための取り組みとして、歩いて行ける場所に「(仮称)ミニ区役所」を拠点とした「地域連携の場」を設けていくことや、関連する数々の課題について、その解決策の方向性を記載してきました。

以下に、これまでご紹介した「課題」と「解決策」の対応関係をまとめます。

分類

課題の内容

解決策

該当ページ

A 担い手不足

1 参加者の高齢化

地域連携の場 3

課題解決できる人・団体を見つけ、結びつける機能

22

A-⑴

民間企業等の地域活動への参加支援

36

A-⑵

行政から依頼する活動の見直し

36

B-⑵

時間や場所を選ばず参加できる仕組みづくり

38

2 若い世代の参加意欲の低下

A-⑶

活動参加に対するきっかけづくり

36

B-⑴

世代を超えた交流機会の創出

37

B-⑵

時間や場所を選ばず参加できる仕組みづくり

38

C-⑴

SNSなどを活用した情報発信

39

C-⑶

魅力向上の取り組み

40

3 担い手の固定化

地域連携の場 3

課題解決できる人・団体を見つけ、結びつける機能

22

地域連携の場 4

課題について話しあい、実行する機能

23

A-⑴

民間企業等の地域活動への参加支援

36

A-⑵

行政から依頼する活動の見直し

36

A-⑶

活動参加に対するきっかけづくり

36

4 役員やリーダーへの負担の集中

地域連携の場 3

課題解決できる人・団体を見つけ、結びつける機能

22

地域連携の場 4

課題について話しあい、実行する機能

23

A-⑴

民間企業等の地域活動への参加支援

36

A-⑵

行政から依頼する活動の見直し

36

5 行政からの数多くの依頼事項

A-⑴

民間企業等の地域活動への参加支援

36

A-⑵

行政から依頼する活動の見直し

36

B つながりの希薄化

6 地域活動に割く時間がない

地域連携の場 1

いつでも立ち寄ることができる機能

20

B-⑵

時間や場所を選ばず参加できる仕組みづくり

38

C-⑴

SNSなどを活用した情報発信

39

7 近所付き合いの減少と孤立化

地域連携の場 1

いつでも立ち寄ることができる機能

20

B-⑴

世代を超えた交流機会の創出

37

B-⑵

時間や場所を選ばず参加できる仕組みづくり

38

B-⑶

外出が困難な方の支援

38

C-⑴

SNSなどを活用した情報発信

39

C-⑵

情報の多言語化

39

C-⑶

魅力向上の取り組み

40

8 地域団体間や学校などとの連携不足

地域連携の場 3

課題解決できる人・団体を見つけ、結びつける機能

22

地域連携の場 4

課題について話しあい、実行する機能

23

A-⑴

民間企業等の地域活動への参加支援

36

A-⑵

行政から依頼する活動の見直し

36

9 個人情報など必要な情報の入手に課題がある

B-⑴

世代を超えた交流機会の創出

37

B-⑵

時間や場所を選ばず参加できる仕組みづくり

38

B-⑶

外出が困難な方の支援

38

10 地域内で交流する場所の不足

地域連携の場 1

いつでも立ち寄ることができる機能

20

B-⑵

時間や場所を選ばず参加できる仕組みづくり

38

C-⑴

SNSなどを活用した情報発信

39

C-⑵

情報の多言語化

39

C-⑶

魅力向上の取り組み

40

C 活動の魅力・情報不足

11 活動の内容や目的が伝わりづらい

地域連携の場 2

意見を出しあい、共有する機能

21

C-⑴

SNSなどを活用した情報発信

39

C-⑶

魅力向上の取り組み

40

12 参加するメリットを感じにくい

地域連携の場 2

意見を出しあい、共有する機能

21

A-⑶

活動参加に対するきっかけづくり

36

C-⑴

SNSなどを活用した情報発信

39

C-⑶

魅力向上の取り組み

40

13 外国人の地域活動への参加促進

地域連携の場 2

意見を出しあい、共有する機能

21

地域連携の場 3

課題解決できる人・団体を見つけ、結びつける機能

22

C-⑵

情報の多言語化

39

C-⑶

魅力向上の取り組み

40

14 情報発信スキル・ノウハウの不足

B-⑵

時間や場所を選ばず参加できる仕組みづくり

38

C-⑴

SNSなどを活用した情報発信

39

C-⑵

情報の多言語化

39

15 練習・発表場所の情報不足

B-⑵

時間や場所を選ばず参加できる仕組みづくり

38

C-⑴

SNSなどを活用した情報発信

39

 

5.2 今後の議論に向けて

本構想の策定にあたっては、「持続可能な地域のあり方懇話会」や「若者の声を聴く取り組み」を実施し、多くの皆さまにご参加をいただきました。

そこには、世代や性別、所属などの枠を超えて、「持続可能な地域のあり方」という共通のテーマのもと、課題や解決策について真剣に、そして自由に意見を交わしあう姿がありました。

こうした姿は、本構想が描く「地域のあり方」を具現化するにあたって、私たちに多くの示唆を与えてくれるものでした。

「目指す地域のあり方」を、それぞれの地域で形にしていくためには、今後も検討すべき課題が多く残ります。

その解決は一朝一夕には成しえませんが、本構想でとりまとめた方向性に沿って、地域に関わる皆さまとともこれからも議論を深めていくこと、その過程こそが「ともに生きるまち」、すなわち「持続可能な地域」を実現することにつながるのだと考えています。

引き続き、本構想をもとに「持続可能な地域のあり方」について、区民の皆さま一人ひとりと議論を重ねていきます。

第6章 本構想の策定経過

本章は意見募集後に掲載します。

6.1 「持続可能な地域のあり方懇話会」について

6.2 「若者の声を聴く取り組み」について

6.3 意見募集(パブリック・コメント)について

 

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