更新日:2025年2月1日
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令和7年度江戸川区食品衛生監視指導計画(案)【テキスト版】
令和7年度江戸川区食品衛生監視指導計画
食品衛生法(昭和22年法律第233号)(以下「法」といいます。)第24条の規定及び「食品衛生に関する監視指導の実施に関する指針」(平成15年8月29日厚生労働省告示第301号)に基づき、江戸川区が令和7年度に実施する食品衛生監視指導計画について、以下のとおり策定します。
1食品衛生監視指導計画の概要
(1)目的
食品等に起因する衛生上の危害発生を防止し、区民等の食生活の安全・安心を確保することを目的とします。
(2)監視指導計画の実施期間
令和7年4月1日から令和8年3月31日まで。
2監視指導の実施体制及び他機関との連携
(1)監視指導の実施体制
食品衛生に関する事業方針の決定や企画調整機能を江戸川保健所生活衛生課に置き、食品衛生第一係及び食品衛生第二係に所属する食品衛生監視員が監視指導を実施します。
(2)試験検査実施機関
食品衛生監視指導に係る微生物検査は江戸川保健所生活衛生課保健衛生研究センターが実施し、理化学検査は厚生労働大臣登録検査機関に委託します。また、食中毒などの原因究明に関する検査は、「保健衛生事務事業に係る都区協定」(昭和50年4月1日施行)に基づき、東京都健康安全研究センターに依頼します。
(3)他機関との連携体制
監視指導の実施にあたり、区役所内の関係部署や国、他自治体等と相互に連携を図ります。輸入食品などの違反を発見した場合や、大規模な食中毒が発生した場合などは、厚生労働省、農林水産省、消費者庁、他の自治体等と連携協力していきます。複数の都道府県等が関係する広域的な食中毒事案が発生した場合には、適切に原因調査、情報共有等の対応が行われるよう、広域連携協議会を通じて、関係機関と相互に連携を図りながら、協力していきます。
なお、法に定めがあるものを除き、他の自治体との連絡調整は原則として東京都を通じて行います。
(4)食品衛生監視員及び検査担当者の資質の向上
厚生労働省、東京都及び特別区が実施する研修や食品衛生学会などへの参加により、食品衛生監視員の知識や監視指導技術などの向上を図ります。
また、検査担当者の技術の維持、新たな検査技術の習得のため、東京都健康安全研究センターを中心とした実務研修、各種学会、講習会などを通じ検査情報の収集を図ります。
3監視指導の実施内容
法に基づき、区内に流通する食品及び食品関係事業者に対し、監視指導を実施します。
年間立入検査予定数は、4000件です。特に重点的に監視指導をすべき施設に対しては、年間事業計画を定めて、施設への立ち入り及び収去検査等を行います。
(1)年間事業計画に基づく監視指導(一斉検査)
重点的監視施設を対象に、年間を通じて下記の年間予定表に基づき立入検査を実施します。立入検査時には、食品関係営業施設の衛生面の保守管理、HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理の実施状況、食品の表示などについて、監視指導を行い、必要に応じて食品の検査(収去検査等)を行います。
また、食中毒の発生件数が増える夏期(6~8月)及び食品の流通量が多くなる歳末(11~12月)に、厚生労働省及び消費者庁の方針を踏まえ、東京都と連携しながら、監視指導を重点的に実施します。
実施時期 | 一斉事業 |
---|---|
4月から5月まで | 仕出し弁当店 |
6月から8月まで (夏期対策) |
各種製造業 スーパーマーケット 食肉処理業 葛西臨海公園内飲食店 花火大会模擬店 |
9月から10月まで | 大規模飲食店 社会福祉施設給食 保育園給食 区民まつり模擬店 |
11月から12月まで (歳末対策) |
小岩駅ビル 歳末食品等販売店舗 区立小中学校給食 ふぐ取扱所 |
1月から3月まで | 残留農薬 輸入食品 各種製造業 |
通年で実施 | 生肉料理提供店 HACCPフォロー 各種製造業指導 輸入食品取扱店 子ども食堂 テイクアウト提供店 |
検査名 | 件数 |
---|---|
立入検査 | 1256施設 |
食品検査微生物検査(食中毒細菌等) | 79検体 |
食品検査理化学検査(食品添加物、残留農薬) | 65検体 |
簡易検査手指やまな板・冷蔵庫などのふき取り検査 | 118検体 |
(2)通常時における監視指導
一斉検査以外にも、日常的に食品取扱施設の監視指導を行います。また、営業許可申請時にも監視指導を行います。
(3)緊急監視
違反食品の流通が発覚した場合、東京都や関係自治体と連携し、速やかに関連する営業所の監視を実施します。また、区内において違反食品を発見した際は、東京都と連携し違反食品の回収など迅速に危害の拡大防止を図ります。
(4)食中毒発生時や違反食品等への対応
1.食中毒事故対応
医師からの食中毒の届出や、区民から寄せられた情報をもとに、保健所が関係機関と連携をしながら調査を行い、被害の拡大を防止します。また、食中毒発生の原因・感染経路の解明及び再発防止に努めていきます。
2.違反及び不良食品などへの対応
監視指導の結果、違反及び不良食品などを発見した場合は、違反食品の販売禁止、廃棄等の措置を行い、速やかに違反食品を排除します。また、当該違反食品等の製造者、輸入者等を所管する自治体と連携して、違反原因の究明を行い、その結果を踏まえ、再発防止を目的として改善指導を実施します。
3.苦情処理
区民から寄せられた異物混入、カビの発生、健康被害などの食品の苦情・相談に対しては、迅速かつ的確に調査を実施し原因の究明にあたります。原因施設に対しては、改善を指導し再発防止を図ります。
4.自主回収に関する対応
食品等の自主回収(リコール)を行った場合、法及び食品表示法(平成25年法律第70号)に基づき、管轄の自治体に届け出る義務があります。事業者が自らの判断で食品などの自主回収を行い、当該食品が迅速に市場から排除され、再発が防止されるよう指導を行います。
5.行政処分など
食中毒の発生や違反食品の発見等、緊急な安全確保が必要とされる場合は、「危害の除去命令(法第59条)」、「営業等の禁停止命令(法第60条、法第61条)」又は「施設改善命令又は許可の取り消し(法第60条、法第61条)」の不利益処分を行います。
なお、悪質な事例については警察への告発を行います。また、食品表示法の違反に対しては、関係機関と連携しながら食品表示法第6条の規定に基づく不利益処分を行います。
4主な監視指導事業
(1)重点的に監視指導を行う項目
1.食中毒予防対策
令和6年は、区内で64件の食中毒が発生しました。内訳は、ウエルシュ菌1件、アニサキス1件、カンピロバクター1件、黄色ブドウ球菌1件です。食中毒事故発生を防ぐため、特に以下の点について重点的に取り組みます。
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食肉を原因とする食中毒対策
全国的に、加熱不十分な鶏肉料理を原因とするカンピロバクターによる食中毒や、生焼けのハンバーグ等を原因とする腸管出血性大腸菌による食中毒が発生しています。肉料理を提供している店舗を中心に立入調査を行い、生肉料理のリスクや低温調理をする際の注意点について指導します。
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大量調理施設(給食等)に対する監視指導
ノロウイルスによる食中毒は、ノロウイルスに感染した調理従事者が食品を汚染することによって発生する事例が多く、調理従事者の健康管理や手洗いの徹底などが食中毒発生防止のために重要になります。ノロウイルスの流行時期を前に、高齢者や乳幼児等が利用する社会福祉施設や学校などの給食施設を対象に立入検査し、衛生監視指導を行います。保育園や学校等でノロウイルスが疑われる集団感染事例が発生した際は、江戸川保健所保健予防課感染症対策係と連携して、立入調査を行い、施設内の正しい消毒方法等について周知徹底をします。
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持ち帰り(テイクアウト)や宅配(出前)を行う飲食店に対する監視指導
テイクアウト等で提供される食品は、調理してから喫食するまでの時間が長くなるため、特に気温が高くなる夏場は食中毒のリスクが高まります。テイクアウト等を行っている施設に対して、一般的な衛生管理の徹底や、適切な温度管理を行うよう指導します。
2.まつり等に出店する臨時出店者・臨時営業者への指導
飲食物の提供を行う地域のまつりや各種イベントの主催者に対して、事前に取り扱う食品や調理方法について確認を行い、食品販売や調理に関する衛生指導を行います。また、花火大会や区民まつりなど、大勢の人が集まるイベントでは、当日に巡回監視指導を行います。
(2)その他の監視事業
1.HACCPの導入・定着支援
新たに営業を始める事業者に対して、店舗で提供しようとするメニューを確認しながら、衛生管理計画作成をフォローすることで、営業開始と同時にHACCPに沿った衛生管理ができるよう支援します。また、既存の事業者に対しても、保健所が施設を訪問した際にHACCPへの取り組み状況を確認し、自主的な衛生管理を支援します。
2.加工食品の食品添加物検査
区内の製造業者が製造した加工食品や区内流通食品を対象に、食品添加物が適正に使用されているか検査を実施します。輸入食品については、輸入食品を専門に扱う店舗を対象に、重点的に立ち入り指導を行います。
3.適正な食品表示の推進
食品表示法第8条第1項に基づき、区内の製造業者や販売業者に対して監視指導を行います。スーパーマーケット等で表示ラベルの貼り間違えにより、アレルゲン表示が欠落し、食品の自主回収を行う事案が散発しています。アレルゲンや期限表示などに関する情報は、安全性に重要な影響を及ぼすため、立入監視時や講習会を通じて適正な表示の実施を徹底させます。
4.食物アレルギー対策
食物アレルギーによる事故防止のため、食品を製造する施設や、アレルギー対応をしている保育園や学校給食施設に対して、原材料確認の徹底や意図しない混入を防ぐよう、指導を行います。
5.残留農薬検査
スーパー等で流通している輸入農産物加工品(冷凍野菜・果実等)の買い上げを行い、残留農薬検査を実施します。
6.ふぐ取扱所への指導
ふぐ取扱責任者のいるふぐ取扱所(認証施設)に対して、専任のふぐ取扱責任者の確認や、有毒部位の除去等、適正にふぐが取り扱われているかを監視指導します。
7.子ども食堂への衛生指導
子どもの成長支援対策の一環として、地域のボランティアなどが手作りの料理を提供する「子ども食堂」が区内各所で実施されています。社会福祉協議会事務局等関連機関と連携しながら、これらの施設の活動状況を把握し、食の提供に伴う衛生面での注意点等を指導します。
5事業者の自主的な衛生管理の推進と人材の育成
(1)事業者の自主的な衛生管理の推進
1.食品衛生責任者に対する講習会受講の促進
営業者は、許可施設ごとに食品衛生責任者を設置しなければなりません。また、営業者は、食品衛生責任者に講習会を受講させ、食品衛生に関する最新の知識を習得するよう努めることとしています。
保健所は、食品衛生に係わる事業者の資質の向上を図るため、次のとおり食品衛生講習会を実施し、対象者に受講を促します。
講習会名 | 回数 | 受講予定人数 | 実施月 |
---|---|---|---|
業態別営業者講習会 | 6回 | 1040人 | 4月から3月まで |
出張講習会 | 12回 | 535人 | 4月から3月まで |
食品衛生責任者実務講習会 | 6回 | 200人 | 6月、8月、10月、11月、2月、3月 |
オンライン講習会 | 4回 | 200人 | 4月から3月まで |
合計 | 28回 | 1975人 |
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業態別営業者講習会
すし店・魚介類販売店、食肉販売店、集団給食施設など、業態ごとの営業者を対象に、それぞれの業態特有の衛生管理を中心に食品衛生講習会を実施します。
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出張講習会
集団給食施設や大規模調理施設などの要請に応じて、現場施設に出張して衛生講習会を実施します。
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食品衛生責任者実務講習会
食品取扱施設の食品衛生責任者を対象に、事業者の責務、自主的な衛生管理に関する事項や最近の食品衛生に関する事項について、実務講習会を各地域で開催します。
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オンライン講習会
食品衛生責任者実務講習会を、動画を活用したオンライン形式で開催します。
2.従業員に対する検便の推奨
事業者に対して、従業員が定期的に検便を実施するよう推奨します。食中毒の原因となる細菌を保菌しながら業務に従事している従業員を発見し、食中毒を未然に防ぐことがねらいです。また、検便を行うことで、従業員の衛生管理の意識向上につながります。検便で腸管出血性大腸菌やサルモネラが検出された場合は、東京都が実施する保菌者検索事業に協力し、広域で食中毒の散発患者が発生していないか調査します。
(2)江戸川区食品衛生協会の自主管理活動の支援
江戸川区食品衛生協会は、食品による危害の発生を防止し、地域の食品衛生の向上に寄与することを目的として作られた食品等事業者の団体です。現在、約700名の会員が業種別の組合に加盟しており、自主的な衛生管理に努めています。
1.食品衛生自治指導員活動の支援
食品衛生自治指導員とは、東京都食品衛生協会が食品衛生自治指導員養成教育の課程を修了した者に委嘱した指導員のことです。会員の施設の巡回指導や衛生相談に応じています。保健所は、食品衛生自治指導員を対象にした講習会等を通して、自治指導員活動を支援しています。
2.自主管理強調週間への協力
毎年、6月の第1週を「自主管理強調週間」と位置付け、食品衛生自治指導員が協会加盟店を巡回指導する自主管理活動を行っています。自治指導員が加盟店のまな板や従業員の手指をふき取ったものを保健所に持参し、保健所が簡易な微生物検査を実施します。その結果を踏まえ、保健所は施設に対して助言を行います。
3.仕出し弁当組合に対する自主検査の支援
仕出し弁当組合に加盟している店舗を対象に、5月から10月にかけて、店舗で調理したそう菜類を保健所に持参してもらい、微生物検査を実施します。その結果を踏まえ、保健所は施設に対して助言を行います。
4.食品衛生情報の発行
食品衛生に関するトピックスをまとめた「食品衛生情報紙」を年4回発行し、組合員に対して最新の情報を提供します。
(3)学校・保育園等の給食施設に対する自主検査の支援
区立小中学校、区立保育園及び私立保育園の給食施設を対象に、施設で調理したそう菜類について、保健所に持参してもらい、微生物検査を実施します。その結果を踏まえ、保健所は施設に対して衛生指導を行います。
(4)食品衛生優良施設の表彰
毎年12月に行われる江戸川区産業賞表彰式において、衛生的に優れた飲食店などを食品衛生優良施設として表彰し、衛生意識の向上を図ります。
6区民及び事業者との情報及び意見の交換(リスクコミュニケーション)
消費者、食品関係事業者及び行政担当者の間で、食品衛生に関する情報提供と意見の交換を行い、意思の疎通と相互理解を図ります。
(1)食品衛生推進員活動
江戸川区では、法第67条第2項の規定に基づき区長が委嘱した、食品関係事業者、公募による区民、学識経験者等からなる食品衛生推進員が、食品等事業者の食品衛生向上に関する自主的な活動を促進し、区民の食生活の安全・安心の確保に貢献するための活動をしています。主な活動は以下のとおりです。
1.食品衛生推進会議への参加
年3回、食品衛生推進会議を開催します。消費者・事業者の、それぞれの立場から意見交換及び情報共有を行い、食品衛生監視指導計画への意見や、地域の食品衛生の向上に関して必要な提言等を行っています。
2.江戸川区食品衛生大会の企画・運営
毎年夏期に開催している「江戸川区食品衛生大会」は、食品衛生推進員が企画し、江戸川区と江戸川区食品衛生協会の共催で実施しています。食品関係者、消費者及び行政関係者が一堂に会し、その年の話題に即したテーマの講演や意見交換を行います。
3.研修会の実施
食品衛生推進員の資質向上のため、年1回、研修会を実施しています。研修会では、食の安全を確保するための取り組みが模範的な施設や、先進的な食品工場などを視察します。
4.その他啓発活動
各推進員の所属する団体等で、食品衛生推進員活動の周知や衛生教育を行います。
(2)区民、事業者への普及啓発
1.ホームページ等を活用した普及啓発
食中毒多発期の注意喚起や食品衛生情報などを、「江戸川区ホームページ」、「X(旧:ツイッター)」、「広報えどがわ」等の媒体を用いて、情報提供を行います。
具体的には、家庭での食中毒の発生を予防するためのポイントや、有毒植物(スイセンや毒キノコ等)による食中毒を防止するための情報提供、また、事業者に向けてHACCPに沿った衛生管理、アニサキス、ノロウイルス予防対策、食肉の生又は加熱不足を原因とする食中毒予防について情報提供します。
2.イベント等における普及啓発活動
消費者と食品関係事業者と行政担当者が、イベント等を通じて、情報提供と意見交換を行います。アンケート等を通して区民からの意見を収集し事業に反映していきます。
【江戸川区食品衛生協会と協働で行う事業】
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8月の食品衛生月間の期間中、江戸川区食品衛生協会と協働で、街頭にて食品衛生に関するパネル展示を行います。当日は、食中毒予防に関する質問も受け付けます。
- 区民まつりでは、江戸川区食品衛生協会のコーナーで、食品衛生クイズやパネル展示を行い、食品衛生知識の普及啓発に取り組みます。
- 江戸川区食品衛生協会主催の消費者懇談会では、区民を対象に料理教室を開催し、食品衛生協会の取り組みを紹介します。
3.食中毒や違反情報などの公表
法違反に対する営業停止などの不利益処分を実施したときは、食品衛生上の危害の状況を明らかにし、拡大を防止するため、法第69条の規定に基づき、法違反者の名称、施設名、法違反事項などを江戸川区ホームページで公表します。
また、食品表示法第6条の規定による指示又は命令をしたときは、食品表示法第7条の規定に基づき公表をします。
4.食品衛生監視指導計画の作成と公表
食品衛生監視指導計画の作成にあたっては、法第70条第2項の規定に基づき、素案の段階からその内容を公表し、区民の皆さんや食品等の事業者からのご意見を募ります。ご意見については、内容を検討した上で計画に反映させていきます。決定した食品衛生監視指導計画は、江戸川区ホームページなどの媒体を用いて全文を掲載します。また、監視指導の実施状況については、食品等の検査結果や施設への立入状況などを取りまとめ、法第71条の規定に基づき江戸川区ホームページで公表します。
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