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更新日:2025年4月1日

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江戸川区重層的支援体制整備事業実施計画(テキスト版)

1.計画の位置づけ

この計画は、社会福祉法第106条の5に基づく「重層的支援体制整備事業実施計画」であり、重層的支援体制整備事業の円滑な実施のため、各関係機関との連携体制や協力体制を整備するために作成します。

また、この計画は、「2100年の江戸川区(共生社会ビジョン)」や「2030年の江戸川区(SDGsビジョン)」をはじめとする区が行う各施策との整合性を保つものとします。

なお、この計画は必要に応じて改正を行います。

2.重層的支援体制整備事業の概要と目的

近年、個人や世帯が抱える問題は複雑・多様化しています。例えば、社会的孤立をはじめとして、生きづらさを持ちながら既存制度の対象となりにくいダブルケアやいわゆる8050問題といった複合的な課題、就職氷河期等がきっかけとなり不安定雇用から抜け出せない複雑化した課題など、その支援の仕方は多面化しており、各関係機関のより横断的な対応が求められています。

こうした中、分野を超えた支援を実施するため、令和2年6月に「地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律」が成立し、これによって改正された社会福祉法に、新たに「重層的支援体制整備事業」が規定されました。

「重層的支援体制整備事業」は、属性を問わない相談支援、参加支援、そして地域づくりに向けた支援を一体的に実施する体制を整備することで、重層的なセーフティーネットの構築を目指すものです。

3.江戸川区が目指す地域共生社会と重層的支援体制整備事業

江戸川区では、年齢や障害の有無にかかわらず、全ての区民が、住み慣れた地域で自分らしく暮らせる「ともに生きるまち(共生社会)」の実現を目指しています。

このまちの実現に向け「ともに生きるまちを目指す条例」に基づき2100年の区の姿を描いた「2100年の江戸川区(共生社会ビジョン)」、その行動指針となる「2100年の江戸川区(共生社会ビジョン)実現に向けたアクションプラン」をとりまとめました。

このアクションプランでは、人口減少、財政規模の縮小、行政職員の減少といった今後抱えるリスクを踏まえ、人と人とのつながりを基本とした、これまでと異なる視点でのアプローチをすることにより、「人」「社会」「経済」「環境」「未来」とともに生きていく方向性を示しています。

この5つの「ともに生きる」の達成のためには、属性を問わない相談支援、参加支援、そして地域づくりに向けた支援を一体的に実施する「重層的支援体制整備事業」という新たなアプローチで、包括的な支援体制を整備していくことが重要です。

江戸川区では、「ともに生きるまちを目指す条例」が描くまちの姿を実現するため、「重層的支援体制整備事業」を実施していきます。

4.重層的支援体制整備事業の3つの柱

区民の複雑化・複合化した支援ニーズに対応する包括的な支援体制を構築するため、重層的支援体制整備事業では以下の3つの柱で支援を行います。

3つの柱 支援の内容
相談支援 本人・世帯の属性にかかわらず包括的に相談を受け止める支援
参加支援 本人・世帯の状態に合わせ、地域資源を活かしながら、交流の場づくり、就労支援などを提供することで社会とのつながりを回復する支援
地域づくりに向けた支援 地域社会からの孤立を防ぐとともに、地域における多世代交流や多様な活躍の機会と役割を生み出す支援

この3つの支援は、個別支援の観点から、本人や世帯の属性を問わず包括的に相談を受け止め、支援関係機関全体で進めていきます。そして、本人や世帯の状態に寄り添いながら社会とのつながりを段階的に回復しつつ、地域における多世代交流や多様な活躍の場を確保する環境整備を実施することで、個別支援と地域支援を両立し、人と人のつながりを基盤としたセーフティーネットを構築していきます。支援を一体的に行うことが、本人と支援者や地域住民との継続的な関係性を築き、一人ひとりの自律的な生を支えるセーフティーネットとなっていきます。

また、3つの支援をより効果的、円滑に実施するために、アウトリーチ等を通じた継続的支援、多機関協働による支援を新たな機能として加え実施します。

新たな機能 支援の内容
アウトリーチ等継続的支援 支援が届いていない世帯に、信頼関係を構築しながらつながり続ける支援
多機関協働による支援 複雑化・複合化した課題に対し、各支援機関の役割分担や支援の方向性を整理するなど、調整を行う支援

5.重層的支援体制整備事業の5つの事業と江戸川区の提供体制

(1)包括的相談支援事業

事業の概要

包括的相談支援事業は、高齢、障害、子ども、生活困窮の各分野において実施されている既存の相談支援を一体として実施し、相談者の属性、世代、相談内容等に関わらず、地域住民からの相談を幅広く受け止め、本人に寄り添い、抱える課題の解きほぐしや整理を行うものです。

包括的相談支援事業には、熟年相談室(地域包括支援センター)の運営、相談支援事業、利用者支援事業、生活困窮者自立相談支援事業があります。

支援機関の拠点等設置状況

熟年相談室(地域包括支援センター)の運営

公正・中立な立場から、地域における介護予防事業のマネジメント、総合相談支援、権利擁護事業、ケアマネジャーへの支援を担う中核機関として区内27か所に設置します。

支援機関名 対象分野 設置数 設置形態
熟年相談室 高齢

27(内分室9)

委託
相談支援事業

障害のある方や、保護者、介護を行う方からの相談に応じ、必要な援助を行い、これらの方が自立した生活を行えるように支援を行うものです。

江戸川区では、基幹相談支援センターを設置し、生活上の不安や悩み、障害福祉に関するサービスについての相談を受け付けます。

支援機関名 対象分野 設置数 設置形態
基幹相談支援センター 障害 1 直営
利用者支援事業

一人ひとりの子どもが健やかに成長することができる地域社会の実現に向けて、子どもや保護者、妊娠している方がご本人の選択により教育・保育・保健その他子育てに関する支援の情報の提供を受け、相談ができるものです。

特定型

子育てをする家庭等からの保育サービスに関する相談に応じ、地域における保育所や各種の保育サービスに関する情報提供や利用に向けての支援などを行います。

支援機関名 対象分野 設置数 設置形態
共育プラザ・船堀子育てひろば 子ども 7

直営/委託

こども家庭センター型

こども家庭センターは、地域の全ての妊産婦・子育て家庭に対する支援、個別に支援が必要な妊産婦や子育て家庭への支援、地域における体制づくり等の業務を行います。母子保健機能を担う健康サポートセンターと児童福祉機能を担う相談課が、これらの業務を一体的に行うにあたり、一体的サポートプランの作成や合同ケース会議の開催を行います。

支援機関名 対象分野 設置数 設置形態

 

こども家庭センター

健康サポートセンター(8か所)

(母子保健機能)

子ども 1

直営

相談課

(児童福祉機能)

生活困窮者自立相談支援事業

生活に困窮する方やご家族からの相談に応じて、生活再建に向けた課題を一緒に解決していきます。

くらしごと相談室では、専門の相談員を配置し、暮らしや仕事などについての相談を受け、就労や家計の見直しなど必要な支援を行います。

支援機関名 対象分野 設置数 設置形態
くらしごと相談室 生活困窮 3

委託

(2)参加支援事業

事業の概要

参加支援事業は、既存の制度では対応できない本人や世帯の狭間のニーズに対応するため、地域の社会資源などを活用して社会とのつながりづくりに向けた支援を行うものです。

支援体制

江戸川区内9か所に設置したなごみの家に、コミュニティーソーシャルワーカー(CSW)を配置し、個別の相談や、地域のニーズをもとにボランティア活動のマッチングを行うなど、個人と地域がつながりを持ち、つながりを継続していくための支援を行います。

支援機関名 設置数 配置人員 実施形態
なごみの家 9 CSW各2名

委託

(3)地域づくり事業

事業の概要

地域づくり事業では、高齢、障害、子ども、生活困窮の各分野において実施されている既存の事業の取組を活かしつつ、世代や属性を超えて交流できる場や居場所の整備を行います。また、地域における資源の開発やネットワークの構築、支援ニーズと取組のマッチング等により地域における多様な主体による取組のコーディネート等も行います。

地域づくり事業の拠点等設置状況

地域介護予防活動支援事業

65歳以上の区民の方、及びその支援のための活動に関わる方を対象として、介護予防活動の地域展開を目指し、次の事業を実施します。

熟年介護サポーター

高齢者の社会参加と介護予防の促進を図るため、要介護認定を受けていない区民の方を対象に、介護施設等で要介護者等を支援する活動に参加してもらい、その活動時間に応じてポイントを付与します。

口腔ケア健診事業

65歳から74歳までの区民の方を対象に、口腔機能の低下や誤嚥性肺炎等の疾病を予防するため、口腔衛生状態の検査及び咀嚼・嚥下機能の検査を行います。

(注)75歳以上の区民の方については、重層的支援整備事業外で実施します。

実施場所 対象分野 設置数 設置形態
指定医療機関 高齢 169

委託

(注)令和6年10月時点

にこにこ運動教室

社会参加と介護予防の促進を図るため、音楽や脳トレーニング、有酸素運動などを取り入れた運動教室を定期的に開催します。

実施場所 対象分野 設置数 設置形態
なごみの家 高齢 9

補助

生活支援体制整備事業

高齢者が安心して暮らし続ける地域を地域住民とつくっていく体制づくりを支援する事業です。生活支援コーディネーターの配置と協議体の設置により、実施します。

支援機関名 対象分野 設置数 設置形態
なごみの家 高齢 9

委託

地域活動支援センター機能強化事業

地域活動支援センターでは、専門職(精神保健福祉士等)を配置して、医療・福祉や地域の社会基盤との連携強化のための調整、地域住民ボランティアの育成、障害に対する理解促進を図るための普及啓発等の事業と相談支援事業を実施します。

また、とらいあんぐる・こころ・江戸川区立障害者支援ハウスでは、身体・知的障害の方を対象に社会活動への参加や自立した生活への支援を実施します。

支援機関名 対象分野 設置数 設置形態
地域活動支援センター

障害

(精神)

6 補助
とらいあんぐる

障害

(身体/知的)

1 委託
こころ

障害

(身体/知的)

1 委託
江戸川区立障害者支援ハウス

障害

(身体/知的)

1 指定管理
地域子育て支援拠点事業

就学前の乳幼児と保護者を対象に、自由に遊び、交流しながら、子育ての仲間づくりや情報交換ができる場であり、困りごとの相談も受け付けます。また、必要に応じて健康サポートセンター等の専門機関と連携して育児をサポートします。

支援機関名 対象分野 設置数 設置形態
子育てひろば 子ども

一般型10

出張9

直営/委託

生活困窮者支援等のための地域づくり事業

子どもから高齢者まで、障害の有無にかかわらず、誰もが立ち寄ることができ、そこに集う人同士が、互いにふれあえる居場所・集いの場を運営し、地域コミュニティの形成を促進することで、地域における助け合いの取り組みを広めることを目的として実施します。

支援機関名 対象分野 設置数 設置形態
なごみの家 多分野

9

委託

(4)アウトリーチ等を通じた継続的支援事業

事業の概要

複雑化・複合化した課題を抱えながらも必要な支援が届いていない人や、支援につながることに拒否的な人が、悩みや不安を一人で抱え孤立することがないように、その状況に応じた必要な支援を届けるものです。本人とのつながりを形成すること自体が困難な事案が多いことを踏まえ、アウトリーチ等を通じた継続的支援事業を実施します。

また、必要な支援を行うため、支援関係機関とのネットワークや地域住民とつながり、地域の状況等にかかる情報を幅広く収集します。

アウトリーチ等を通じた継続的支援を行う体制

ひきこもり状態にある方やその家族が安心して相談できる専用の窓口を設置し、寄り添い、つながり続ける相談支援を行います。相談窓口では、困りごとや不安な気持ちをお聴きします。必要に応じ、ひきこもり状態にある方やその家族の同意のもと、訪問での相談や関係機関等への同行支援も行います。

支援機関名 対象分野 設置数 設置形態
ひきこもり相談窓口 多分野

1

委託

(5)多機関協働事業及び支援プランの策定

事業の概要

多機関協働事業は、複雑化・複合化した支援ニーズを解きほぐし、解決に導くための支援を行うものです。

江戸川区では、これまでも各部署がそれぞれの業務分担に囚われることなく、地域の関係者や関係機関と連携しながら様々な問題を解決してきました。このような実績を基礎とすることが、人口減少、財政規模の縮小、行政職員の減少する中でも、各部署が持つスキルやネットワークを活かし、効率的かつ効果的に複雑化・複合化した支援ニーズに対応することができる方策であると考えます。そのため、江戸川区では全ての部署が多機関協働事業者の役割を担い、課題を解決する持続可能な体制の構築を目指します。

併せて、江戸川区社会福祉協議会に委託しているなごみの家も多機関協働事業者の役割を担います。このなごみの家は、世代や分野を問わず相談を受け止め、専門機関や地域住民と連携して解決への支援を行う「なんでも相談」の機能があり、また日頃から町会・自治会や民生・児童委員等の地域住民、医療福祉関係者、警察・消防等と地域課題の把握と解決を図る「地域ネットワークづくり」を構築する機能があります。これらの機能を活かし、相談から複雑・複合化した問題をすくい上げ、ネットワークを活かしながら、既存のどの制度でも対応が困難な問題や、対応すべき支援機関が曖昧になってしまっている問題についても、関係機関をチームとしてつなぎ、一体となった伴走的な支援を行っていきます。

多機関協働事業及び支援プランの策定を行う体制

原則として、複合的な支援ニーズを抱える方から相談を受けた部署が多機関協働事業者の役割を担います。しかし、全ての職員が必ずしも福祉制度に精通している訳ではありません。こうした場合は、CSWが配置されたなごみの家も連携して多機関協働事業者の役割を担います。具体的には、既存の制度だけでは対応できないような複雑・複合化した支援ニーズに対し、なごみの家等が各支援機関との橋渡し役となって、課題の解きほぐしや整理を行います。

また、必要に応じて作成する支援プランは、各支援機関の役割分担や支援の目標を整理するもので、なごみの家のCSW等の助言のもと多機関協働事業者が作成し、重層的支援会議に諮ります。

支援機関名 拠点 設置数 設置形態
江戸川区社会福祉協議会 なごみの家

9

委託

6.関係機関の連携体制

重層的支援体制整備事業を行う上で重要となる庁内の連携は、重層的支援会議や支援会議を通じて図ってきます。

(1)重層的支援会議

概要

重層的支援会議は、重層的支援体制整備事業が適切かつ円滑に実施されるために開催するものです。「プランの適切性の協議」、「終結時等の評価」、「社会資源の充足状況の把握と開発に向けた検討」の3つの役割を果たします。

実施の方法

重層的支援会議は、複雑・複合化した支援ニーズを抱える方を対応する部署が多機関協働事業者としての役割を担い、支援対象者からのプラン作成の申出など必要に応じ、関係する支援機関を招集し開催します。

なごみの家は必要に応じて、プランの作成に必要となる技術的な事項に対する助言を行います。

また、重層的支援会議では、多機関協働事業者が作成したプランの妥当性の協議や、プラン終結等の評価を行います。

(2)支援会議

概要

重層的支援体制整備事業を効果的に実施するためには、多職種による連携や多機関の協働が重要となりますが、事案によっては本人の同意が得られないために支援関係機関等での適切な情報共有ができず、役割分担が進まない場合もあります。また、予防的・早期の支援体制の検討を進める必要があるにも関わらず、本人同意を得られないために体制整備が進まない場合もあります。

こうした課題に対応するため、社会福祉法の規定に基づき、自治体を実施主体とし、会議の構成員に対し守秘義務を課すことで、支援機関等が情報を共有し、区民が地域で日常生活や社会生活を営むのに必要な支援体制を検討する支援会議を設置できます。

実施の方法

支援会議は、本人同意が得られないため個人情報の共有が進まず、かつ、課題が複雑なために一つの支援機関では対応に限界がある問題等に対し、支援対象者の情報共有や各支援機関の役割分担の確認を行うことを目的として開催します。

支援会議は、開催を必要とする部署が、会議の運営や関係機関との調整、支援プランの案などについて事前に協議するため、福祉推進課に開催を申し出るものとします。なお、この申出はケースごとに行います。

支援会議に係る庶務は会議を開催する部署が行い、会議の結果を記載した報告書を福祉推進課に提出するものとします。この報告書は会議ごとに行います。

福祉推進課となごみの家は必要に応じ、会議の運営に必要となる技術的な事項に対する助言、その他会議の運営に必要な事項を行います。

7.事業の評価と見直し

事業の評価は、重層的支援会議や支援会議で扱った事例に対する成果や課題の振り返りなどを通じ行います。この評価をもとに必要に応じ計画を見直し、事業の改善を行います。

ひきこもり状態にある方やその家族が安心して相談できる専用の窓口を設置し、寄り添い、つながり続ける相談支援を行います。相談窓口では、困りごとや不安な気持ちをお聴きします。必要に応じ、ひきこもり状態にある方やその家族の同意のもと、訪問での相談や関係機関等への同行支援も行います。

このページに関するお問い合わせ

このページは福祉部福祉推進課が担当しています。

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