更新日:2024年2月29日
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江戸川区ユニバーサルデザインマスタープラン(概要版)
1.計画の基本的な考え方
(1)ユニバーサルデザインが求められる背景
江戸川区ではこれまで、都内で初となる「江戸川区手話言語条例」の制定や、障害の有無に関わらず誰もが集える拠点「なごみの家」の整備、「段差解消ブロック」(江戸川方式)の設置、公衆トイレのバリアフリー化等を進めてきました。
また、障害者スポーツの環境向上として、平成28年(2016年)4月、都内唯一の障害者スポーツ専管組織を設置し、パラスポーツの理解促進に努めています。
さらに全国的には、令和2年(2020年)5月にはバリアフリー法が再度改正され、全ての国民を対象にした基本理念が示されるとともに、区市町村や公共交通事業者などによる、ハード・ソフト両面からのさらなるバリアフリー化や、高齢者・障害者等当事者による取り組みの評価など、具体的な推進の方向性が示されました。
(2)本計画の目的と位置づけ
本計画は、区のユニバーサルデザインに関する現状と課題、および基本方針について具体的に示すとともに、区をはじめ、鉄道及び道路等施設設置管理者、公安委員会など、移動等円滑化に係るさまざまな主体が参加・連携し、移動等円滑化促進地区を主とした、区全体の面的一体的なバリアフリー化を目指すため、バリアフリー法に基づく法定計画(マスタープラン)として策定します。
(3)計画期間
本計画の期間は、令和5年度(2023年度)から令和9年度(2027年度)の5年間とし、計画に基づく取り組みを進めます。
2.基本理念(目指すまちの姿)
ともに生きるまち江戸川区
すべての人が年齢、性別、性的指向や性自認、国籍、障害や病気の有無など、人の多様性を認め合い、支え合い、誰もが安心して自分らしく暮らせる、「ともに生きるまち」の実現を目指します。
- 心のバリアフリーをすすめます
- まちのバリアフリーを推進します
- 情報が簡単で的確に得られる環境を整備します
- 災害時・緊急時にも安全・安心に避難でき、命を守る環境を整備します
3.基本方針(キーワード)
本計画では基本理念の実現に向けた移動等の円滑化促進を図るため、4つの基本方針のもと、取り組みを推進していきます。
方針1:ひと・心(お互いに理解し・支えあえる心を育みます)
さまざまな心身の特性や考え方を持つ人々が相互理解を深めるために、コミュニケーションを取り、支えあえるよう、心のバリアフリーに関する取り組みを推進します。
方針2:まち・くらし(皆が安全・安心に過ごせるまちのバリアフリーを推進します)
誰もが安全・安心に、支障なく円滑に利用できる道路や公共施設等の整備を推進します。
方針3:情報(情報が簡単で的確に得られる環境を整備します)
さまざまな情報を誰もが分かりやすく、簡単に得られる環境づくりを推進します。
方針4:防災(いざという時も安全・安心に避難でき命を守る環境を整備します)
災害時や緊急時であっても平時と同様に移動し、安全に避難できるよう、取り組みを推進します。
4.基本方針に基づく主な取り組み
本計画では基本理念の実現に向けた移動等の円滑化促進を図るため、4つの基本方針のもと、取り組みを推進していきます。
方針1:ひと・心(お互いに理解し・支えあえる心を育みます)
さまざまな心身の特性や考え方を持つ人々が相互理解を深めるために、コミュニケーションを取り、支えあえるよう、心のバリアフリーに関する取り組みを推進します。
“気づき”につながる啓発活動
- さまざまなツールを活用した「ともに生きるまちを目指す条例」の普及啓発
- 各種講演会やバリアフリー教室の開催
- 登録手話通訳者養成講座等の開催
- 次世代を担う子どもたちの学びの機会の提供
- 権利擁護普及啓発用カードの作成
- 手話普及啓発リーフレットの作成
パラスポーツフェスタ
スポーツやイベントなどを通じた理解の促進
- スポーツを通じた障害者理解
- イベントなどを通じた多様性の理解
方針2:まち・くらし(皆が安全・安心に過ごせるまちのバリアフリーを推進します)
誰もが安全・安心に、支障なく円滑に利用できる道路や公共施設等の整備を推進します。
道路・歩道
- 道路の整備
- 歩道の整備
- 踏切の安全対策
- 誰でも移動しやすい一体的な交通ネットワークの維持・充実
段差解消ブロック(江戸川方式)
公共交通
- 鉄道駅
- バス
公共施設・学校・公園・トイレ・手洗所・民間施設
- 公共施設・学校のバリアフリー化
- 公園整備
- 多様なニーズに対応した公共のトイレ
- 民間施設との協力
方針3:情報(情報が簡単で的確に得られる環境を整備します)
さまざまな情報を誰もが分かりやすく、簡単に得られる環境づくりを推進します。
多様なコミュニケーション手段の確保
- 手話による情報提供
- 音声等による情報提供
- 多言語による情報提供
江戸川区バリアフリーマップ(江戸川区公式ホームページ)
さまざまな場所、方法による情報提供の実施
- なごみの家での世代や分野を問わない情報提供
- 外国にルーツを持つ子どもへの情報提供
- 移動等に関する情報提供
- まちのバリアフリーに関する情報提供
方針4:防災(いざという時も安全・安心に避難でき命を守る環境を整備します)
災害時や緊急時であっても平時と同様に移動し、安全に避難できるよう、取り組みを推進します。
支援・啓発活動
- 学校敷地内のマンホールトイレの整備
- 江戸川区防災アプリ・江戸川区防災ポータルでの啓発
- 水害ハザードマップによる啓発
- 地域防災訓練・地区防災計画策定支援
- 広域避難に伴う補助金に関する啓発
- 個別避難計画策定および福祉避難所訓練
- 江戸川区障害者の防災マニュアル作成
防災アプリトップページ
防災まちづくり
- 道路整備
- まちづくり
4.バリアフリー推進エリア・移動等円滑化促進地区について
本区は「ともに生きるまち」を目指し、誰もが安心して暮らせるユニバーサルデザインのまちづくりを進めています。
そのため、区内全域を「バリアフリー推進エリア」として設定し、バリアフリー法に定められた、移動等円滑化促進地区の要件からなる「促進地区」をバリアフリーの拠点となる地区として設定します。
バリアフリー推進エリアは、長期構想「2100年の江戸川区(共生社会ビジョン)」実現のため、関連する計画や事業と連携し、一体的なバリアフリー化を進めます。
移動等円滑化促進地区の要件
移動等円滑化促進地区の設定要件として、バリアフリー法により次の1から3に定められています。
- 原則として「生活関連施設」が概ね3以上あり、それらの間の移動が通常徒歩で行われる地区
- 生活関連施設及び「生活関連経路」についてバリアフリー化の促進が特に必要な地区
- バリアフリー化を促進することで総合的な都市機能の増進を図る上で有効かつ適切な地区
生活関連施設の設定
生活関連施設は、公共・民間を問わず、常に多くの人が利用する施設や、高齢者・障害者等の利用が多い施設を定めるものとします。
これらの施設が、既にバリアフリー化されている場合でも、施設・道路一体的な整備に意義があると捉え、設定します。
生活関連経路の設定
生活関連経路は、生活関連施設相互の経路であり、施設へのアクセス動線や、施設間の移動のしやすさを高めるよう考慮し、特に利用頻度が高い経路や歩行者交通量の多い経路を定めるものとします。
また、既に移動円滑化されている経路であっても、生活関連施設との一体的な移動円滑化を図る観点から必要な場合には、生活関連経路として位置付ける必要があります。
5.移動等円滑化促進地区(バリアフリー促進地区)の設定
移動等円滑化促進地区の設定にあたり、区民や来訪者が利用する駅の乗降客数、駅周辺地区で、多くの人が利用する生活関連施設の設置状況、駅や施設をつなぐ生活関連経路の整備状況、および障害者、高齢者、乳幼児、外国人人口の分布、市街地再開発事業など、まちづくりの動向を踏まえ、区内の各駅を評価しました。
さらに、バリアフリー化の現状を把握するため、まちあるき点検や駅および駅周辺施設の点検、障害者団体、商店街振興組合など、各団体からのヒアリング調査やアンケート調査を行いました。
その結果を踏まえ、協議会で議論を行い、地区の課題を総合的に判断した結果、バリアフリーを促進する地区として、小岩地区、平井地区、船堀地区、西葛西地区、葛西地区の5地区を設定しました。
6.移動等円滑化促進地区の設定とバリアフリー化方針
(1)小岩地区(小岩駅周辺)のバリアフリー化方針
まち・くらし
- 鉄道とバスとの乗り継ぎ利便性の向上。
- JR小岩駅周辺地区まちづくりの機会を捉えて、老朽化した視覚障害者誘導用ブロックの改修や、歩道巻き込み部の段差解消を図るなどの、さらなる整備。
- バス停留所やタクシー乗り場、歩車道等からなる駅前広場の安全性や利便性の向上について、バス・鉄道事業者、道路管理者及び交通管理者等と検討。
- 違法看板や路上駐輪、路上駐車を解消し、安全な歩行空間を確保。
情報
- 分かりやすいサイン表示や多言語表記など、ユニバーサルデザインによる整備。
防災
- 災害時、帰宅困難者が一時的に滞在できる設備や機能の確保を促進。
(2)平井地区(平井駅周辺)のバリアフリー化方針
まち・くらし
- バス停留所やタクシー乗り場及び歩車道等からなる駅前広場の安全性及び利便性の向上について、バス・鉄道事業者、道路管理者及び、交通管理者等と検討。
- 老朽化した視覚障害者誘導用ブロックの改修や、歩道巻き込み部の段差解消を図るなどの、更なる整備。
- 違法看板や路上駐輪を解消し、安全な歩行空間を確保。
情報
- 分かりやすいサイン表示や、多言語表記の整備。
防災
- 市街地再開発事業などの機会を捉えて、防災広場や帰宅困難者が一時的に滞在できる施設の確保。
(3)船堀地区(船堀駅周辺)のバリアフリー化方針
まち・くらし
- バス交通の充実を図り、各地域とのアクセスを確保。
- 区役所新庁舎の建設に併せて、商業・文化・国際交流など、多様な都市機能の集積を図り、駅前広場や施設のさらなるバリアフリー化。
- 区役所新庁舎は、手続きが円滑に行える区民サービス拠点として、ユニバーサルデザインを推進。
- 歩行者と車の交錯を減らすため、駅と道路空間の再編による安全な歩行空間の確保。
- 歩道巻き込み部の段差解消や、老朽化した視覚障害者誘導用ブロックの改修。
情報
- 分かりやすいサイン表示や、多言語表記の整備。
防災
- 区役所新庁舎は、区の防災活動拠点としての機能強化。
- 災害対応として、高台まちづくりの検討
(4)西葛西地区(西葛西駅周辺)のバリアフリー化方針
まち・くらし
- 区外の観光施設をつなぐバス路線の充実を目指し、交通結節点としての機能向上。
- 違法看板や路上駐輪を解消し、安全な歩行空間を確保。
- 歩道巻込み部の段差解消や、老朽化した視覚障害者誘導用ブロックの改修。
情報
- 分かりやすいサイン表示や多言語対応
防災
- 区南部の地域防災拠点としての機能強化。
(5)葛西地区(葛西駅周辺)のバリアフリー化方針
まち・くらし
- 空港や区外の観光施設へのバス路線の充実を図るため、交通結節点としての機能向上。
- 違法看板や路上駐輪を解消し、安全な歩行空間を確保。
- バス停留所やタクシー乗り場、歩車道等からなる駅前広場の安全性及び利便性の向上について、バス・鉄道事業者、道路管理者及び交通管理者等と検討。
情報
- 分かりやすいサイン表示や多言語対応。
防災
- デジタルサイネージなど情報技術を活用した案内システムの設置を進め、災害時の避難誘導にも活用。
7.計画の改善・向上に向けた評価・見直し
本計画においては、計画の策定(Plan)からバリアフリーに関する施策の実施(Do)その結果の評価(Check)、まちづくりの動向に応じた計画の見直し(Act)を積み重ね、段階的かつ継続的に改善や向上(スパイラルアップ)につながる仕組みを構築します。
なお、計画策定から5年目にあたる令和9年度(2027年度)を目途に、マスタープランの総合的な評価(Check)を行い、必要に応じた見直しを進めていきます。
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