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更新日:2022年4月1日

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未来へのヒント 第7回海音さん(モデル)

CCBY 但し、画像データは除きます

 

 

2020年8月、YouTubeで配信された義足モデルのファッションショー「切断ヴィーナスショー」。その舞台を飾った一人が、海音さんです。ジュニアモデルとして活躍していた時に血管の難病に襲われ、やむなく右脚を切断。義足になった海音さんが思ったこととは?―海音さんが思う誰もが生きやすい社会の在り方について伺いました。

 

Profile
2001年大阪市生まれ。5歳からキッズモデルとして活動し、10歳からはアイドルグループにも所属。12歳の時に多発血管炎性肉芽腫症を発症。壊死した右脚を切断する。義肢装具士やカメラマンとの出会いを経て、2020年モデルとして再デビュー。義足を着けた大勢のモデルが出演する「切断ヴィーナスショー」で華々しい復活を遂げた。

海音(あまね)さん

写真:越智貴雄/カンパラプレス

義足という個性を多くの人に知ってもらいたい

不安は一切なし!「海音は海音」と受け入れてくれた

―義足をカミングアウト。不安はなかったのですか?
12歳の時に足の病気になってしまい、医師から切断しなければならないと聞かされました。それでも「義足になってリハビリを頑張れば、歩けるようになるよ」という励ましの言葉で、「切断は怖いものじゃない!歩けるようになるなら、義足にしたい」と、むしろ前向きなものになりました。
しかし、手術後は「義足になってかわいそう」と思われるんじゃないかと自分の中で決めつけてしまい、退院する前から「義足であることを秘密にしよう」と決めていました。ばれないようにするためにも、きれいに歩けるように特訓をしました。
学生時代は義足であることを必死に隠す生活を送っていたのですが、義肢装具士の臼井二美男(うすいふみお)さんの紹介で写真家の越智貴雄(おちたかお)さんに出会って”隠す”という考えが一変しました。「義足をハイブランドのようなアクセサリーにしたい」と越智さんに言われて、「義足は恥ずかしくなんかない。かっこいい存在にしたい!」と、病気を機に退いていたモデルという仕事を再びやりたいと思ったんです。
「切断ヴィーナスショー」の舞台で再デビューが決まって、まず「する」と心に決めたのが友達へのカミングアウトでした。今までは受け入れてもらえないんじゃないかと不安もあって言えなかったのですが、不思議とこの時には不安は一切ありませんでした。友達に打ち明けた時、「海音は海音だから、何も変わらないよ」と言ってもらえたことは、とてもうれしかったです。

義足は私にしかない個性

―これからモデルとして、どのようなことを伝えていきたいですか?
モデルとしての次の夢は、大好きなミニスカートを着てファッション誌の表紙を飾ること。そして、たくさんの人に少しでも勇気や希望を届けられる存在になることです!ファッション誌で義足のモデルが誌面に登場することは、まだまだ一般的ではありません。でもハンディキャップと思われがちの義足も私にとっては私にしかない個性です。「義足でかわいそう」といった感情ではなく、その個性を生かして「かっこいい!」と感じてもらえるようなモデルを目指しています。そして私の活動を通して、もっともっと義足のことや障害のある人のことも知ってもらえたらと思います。
―義足にはさまざまな種類や形があるそうですね
私の場合は日常の生活用とショー用の義足を持っています。個人の特徴に合わせて作るので形もさまざまで、本当に多種多様です。でも私が義足になるまでそんなことを知らなかったように、まだまだ認知が広がっていないのが現状です。もしかしたら小さな子どもは義足の存在すら知らないかもしれません。偏見はおそらく、「知らないこと」が原因で起こることだろうから、大人から小さな子どもまでいろいろな人に知ってもらいたいです。
子どもの頃から多様性に触れることができたら、きっと「みんな違うけど、みんな一緒の人間」ということが特別なことではなくなると思います。江戸川区ではSDGsや「ともに、生きる。江戸川区プロジェクト!」などで子どもを対象にした企画があると聞きました。楽しみながら多様性を理解できる機会が、今後もっと増えるといいですね。また私のモデル活動も、そういったきっかけになれるよう頑張っていきたいです。

人と違うところが「いいところ」だねと、認め合える社会

―どんな社会になると、誰もが生きやすくなると思いますか?
先日「ともに、生きる。江戸川区プロジェクト!」の告知ポスターを見たのですが、広い河原に外国人や車いすの人、大人も子どもも描かれていたのがとても印象的でした。私は、金子みすゞさんの詩『私と小鳥と鈴と』の一節である「みんなちがって、みんないい。」という言葉が好きなのですが、そのポスターに描かれた風景はまさにこの言葉の通り!人は違っていて当たり前です。人と違うところを「悪い」と捉えるのではなくて、人と違うところが「個性」であり「いいところ」だねって、みんなで認め合えるような「みんな一緒」の世の中になったらいいなと思います。
私のように病気で体の一部を失ってしまったり、最近だとコロナ禍の影響でお仕事を失ってしまったり、いろいろな事情で「生きるの大変だなぁ…、つらいなぁ…」と感じることがあるかもしれません。でも、人生は絶対に悪いことばかりが起きるようにはなっていません!つらいことや苦しい状況の中にも、きっと楽しめることがあるはずです。
どんなに小さな夢でもいいからそれを見つけて、夢に向かっていけたら必ずいいことがあると信じて進んでいってほしいと思います。

共生社会の実現に向けて江戸川区が立ち上げた会議体「えどがわ未来カンファレンス」の特設ホームページでは、先進的な取り組みを行う企業、専門家、研究者などさまざまな方のインタビューをお届けしています。

問い合わせ 共生社会推進係 電話:03-5662-0091

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このページはSDGs推進部広報課が担当しています。

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