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更新日:2021年11月19日

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パラスポーツ用具 紹介コーナー

パラスポーツを実施するうえで重要なのが競技用具です。東京2020パラリンピック競技大会では数多くの競技用具が選手たちのパフォーマンスを支えました。ここでは車いすや義足など、特徴的なパラスポーツ用具を紹介します。

レーサー(競技用車いす)

特徴的なフォルム

レーサー(競技用車いす)の全体写真

主に陸上競技で使用する競技用車いすです。

大きな2つの後輪と小さな前輪が特徴で、前に突き出た前輪が直進走行時の安定性を高めています。フレームは軽くて丈夫なアルミニウムやカーボン、チタンでつくられていて、重量は8から10キログラム程度で、見た目よりもかなり軽量です。

カーブでは体重移動とレーサーの中央にあるレバーの操作で進行方向を調整します。

ハンドリム

ハンドリム

力強く漕ぎ出す

後輪にはハンドリムと呼ばれる車いすを操作するためのリングが取り付けられ、選手はグローブを着用し、ハンドリムを叩くように車輪を回します。

日常用の車いすよりもハンドリムを小さくすることでスピードが出ますが、その分漕ぎ出しには力が必要になります。

マラソン競技ではひたすらハンドリムを漕ぎ、ゴールまでの長い道のりを走ります。

 

ここに注目!

レーサーは、素材・フレームの長さ・ハンドリムの大きさによって必要とする力やスピードが変わります。そのため、選手は自分の体や走り方に合ったオーダーメイドのレーサーを使用します。競技では、選手とレーサーが一体となって走る姿に注目です!

スタートラインに立つ様子

レーサーで走る子どもたち

レーサーで走る選手

バスケットボール用車いす

八の字のタイヤ

バスケットボール用車いす

車いすバスケットボール用の車いすです。

八の字になったタイヤが特徴で、ターンがしやすくなることと横方向の安定性を高める効果があります。車いすの回転性を生かした華麗なターンやスピードは圧巻です。

また、車いすの片輪を上げて高さを出す「ティルティング」という技があります。このように、スピーディーなプレーの中で繰り出される車いすならではの技がたくさんあります。

バンパー

バスケットボール用車いす(バンパー)

激しい攻防から選手や車いすを守る

競技中は車いす同士の接触があるため、車体や乗っている選手を守るためにバンパーが取り付けられています。また、ボールを奪いに行くときやゴール付近など、相手に接近した際に他の車いすに引っかからないようにする役割もあります。

バンパーを取り付ける位置は、車いすによって差が出ないよう、床から11センチメートルと定められています。

リアキャスター

リアキャスター

安定したプレーを支える

バスケットボール用の車いすは素早いターンを可能とするため、日常用の車いすより車軸の中心が前にあります。しかし、体の重心が後方になり、転倒しやすくなるため転倒防止としてリアキャスターが設置されています。

このリアキャスターがあることで、安定したプレーやダイナミックな動きが可能になります。

ここに注目!

トップ選手はフレームやシートの幅高さなどをミリ単位で調整したオーダーメイドの車いすを使用しています。体にぴったり合った車いすを使いこなして繰り出される数々のテクニックに注目すると、より競技観戦が楽しくなります。

シュート体験

ボールを追いかける子どもたち

ゴールめがけてシュート

競技用義足

スポーツに特化した形状

競技用義足

様々な競技で使用されます

日常用の義足は人の脚を模して作られますが、競技用は「走る」、「跳ぶ」、「こぐ」などの動きを可能にするために、独特の形状をしています。切断箇所によっても形状が異なり、陸上競技や自転車競技、バドミントンなど様々な競技で使用されています。

また、大腿義足には膝の役割をする人口膝が取り付けられています。これによって実際に脚を伸ばしたり曲げたりするような動きが可能になるため、スムーズに走ることができます。

(注)写真は下腿義足です。

陸上競技用

スパイクのような構造

スパイクのような構造

曲線を描いた形状の板は板バネと呼ばれています。素材はカーボンで、板バネという名のとおり反発力があります。接地部分にはスパイクと同じくピンが取り付けられていることにより、地面をしっかりと蹴って走ることができます。

また、走ることだけではなく跳ぶことも可能で、競技用義足ならではの反発力を生かし、選手たちは想像をはるかに超える走りや跳躍を見せます。

ここに注目!

選手は義足を自分の体の一部として使いこなします。使いこなすには相当な鍛錬が必要なため、大会では選手たちが義足を使いこなすテクニックとその裏側の努力にも注目して応援してみてください。

義足の陸上選手

義足で走る選手

写真提供:日本パラ陸上競技連盟

パラバドミントン選手

(C)2021JPBF

ボッチャボール

ボッチャとは

ボッチャをしている小学生

ボッチャはイタリア語でボールという意味です。対戦する両者が、それぞれ赤球と青球の6球をコート内で投げ合います。的はジャックボールと呼ばれる白いボールで、どちらの選手が持ち球をジャックボールに、より近づけられるかを競います。

カーリングのように、相手のボールを弾いて、自分が優位に立てるよう位置取りをする一方、ジャックボールを弾いて動かすことができるため、カーリングとは一味違う戦略が展開されます。そのため、ボールの制球力と戦略が重要な競技です。

パラリンピックでは脳性麻痺などの車いす利用者を対象にしており、その競技特性から激しい運動はなく、屋内で安全に楽しむことができます。そのため、子どもから熟年者までボールを放るだけで楽しむことができ、小学校をはじめ様々な場所で親しまれています。

3色のボールを使う

ボッチャボール

白1個、赤6個、青6個の合計13個のボールを使って競い合います。使用するボールは、規定の範囲内であれば自由に作ることができるため、選手はマイボールを準備して勝負します。

また、表面や中に入れる素材を工夫することで、ボールの硬さや転がりやすさを変えることも可能です。そのため選手は用途に応じた球を準備しており、試合展開に応じて「ボールを寄せるときの球」「相手のボールを弾き飛ばすときの球」など、投げる球を使い分けています。なお、投球は手・頭・足など、どこを使って投げても構いません。重度障害の選手はランプと呼ばれる器具を用いる方もいます。

 

ここに注目!

勝敗は1ミリ単位で争われるため、試合の状況や戦略によって投げるボールを変えたり、クリームを塗って柔らかさを調整する選手もいます。選手の投球テクニックはもちろん、どの場面でどの素材のボールを使うかといった戦術にも注目してみてください!

どちらのボールが近いか審判と確認する子ども

ボッチャを体験する幼児

ボッチャをする中学生

ゴールボール

ゴールボールとは

シュートを放とうとするゴールボール体験者

パラリンピック特有の競技

視覚障害のある選手がプレーする、パラリンピック特有の競技です。鈴の入ったバスケットボール大のボールを互いに投げ合い、ゴールを狙って得点を競います。投げた後はすぐに守備の体勢に切り替え、自陣のゴールを守ります。

コート上の選手は3人で、視野や視力といった障害の程度の差が出ないように「アイシェード」と呼ばれる目隠しを装着し、何も見えない状態でプレーします。

音の鳴るボール

ゴールボールのボール

音を操ってプレーする

バスケットボールほどの大きさですが、重さは1.25キログラムとほぼ2倍あります。中には鈴が入っていて、転がした時に鈴の音がよく聞こえるように小さな穴が8箇所開けられています。

選手は初速で時速60から70キロメートルというスピードで投球し、わずか0.5秒程で守備側に到着します。守備側はその勢いのあるボールを体全体で受け止め、ゴールを守ります。その衝撃はボクシングでパンチを受けることにも似ていることから「静寂の中の格闘技」とも言われます。

ここに注目!

単にボールを投げるだけでなく、音を消した移動攻撃や味方の声を頼りにパス交換をするなど、多彩な攻撃が展開されます。また、ボールの音だけでなく、相手選手の足音などかすかな音を頼りにボールの出所を読み、ゴールを守るため、試合は静寂の中で行われます。心の中で熱いエールを送りつつ、選手たちの駆け引きやスピード感溢れるプレーに注目しながら観戦しましょう!

守備につくゴールボール体験者

ゴールボールを楽しむグループ

ディフェンスしてゴールを守るところ

パラスポーツならではの魅力を生み出す

日常生活で使用する車いすや義足に工夫を加え、競技の特性に応じて進化したものや、ボッチャやゴールボールなど競技のために作られたものまで、パラスポーツには様々な用具が使用されています。障害の程度や選手の好みによって使用する用具が異なる競技もあるため、どの選手がどのような用具を使用しているか注目して観戦すると面白いです。用具があるからこそ生み出されるスーパープレーや、身体の一部のように使いこなす姿など、パラスポーツならではの魅力に注目してみましょう!

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