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更新日:2022年3月15日

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「ともに生きるまち」へと ビジョンを実践に

令和4年第1回江戸川区議会定例会 会期:2月17日(木曜日)から3月25日(金曜日)

 

 はじめに、新型コロナウイルスに感染された皆さまや、長引くコロナ禍において苦しい状況に置かれている皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
 また、3年目に突入するコロナとの闘いにおいて、状況が目まぐるしく変わる中、区民生活を支えていただいているエッセンシャルワーカーの皆さまに対し、深く感謝を申し上げます。

「5つの柱」を軸に新型コロナに立ち向かう

 現在も感染の第6波が全国に広がっています。本区でも陽性者の公表数が1千人以上となる日が続き、昨年の第5波を大きく上回る規模で感染が拡大しました。第6波への備えを進めていたところですが、一時は想定を超えた対応が求められる状況にもなりました。しかしそのような中でも、従前より取り組んできた、感染症対策の「5つの柱」を軸として速やかに対応し、この困難に立ち向かってきたところです。

区を挙げて医療体制を維持

 1点目は、「医療体制の充実」です。
 本区では区医師会や医療機関の皆さまのご協力の下、最大で200床以上の病床を確保し医療提供体制を維持しています。また急激に感染者が増え始めた1月中旬には、小学校としての役目を終えた校舎を利用して、保健所のサテライトオフィスを開設しました。事前に作成しておいた計画に基づき、区役所中から一日最大300名の職員を動員して健康観察や疫学調査などに当たるとともに、かかりつけ医の皆さまにも自宅療養者の健康観察を行っていただいています。さらに2月からは、区内の愛国学園や江戸川看護専門学校の協力を得て、看護を専攻する皆さまに応援に来ていただいている他、新年度の区職員の採用内定者にも加わってもらっています。


江戸川保健所のサテライトオフィス


 また先日は、そのサテライトオフィスの地元である小松川平井地区連合町会の皆さまより、カイロ1万2千個を寄贈いただきました。地域の皆さまの温かい心遣いが大変な励みになりました。
 これからも、全てのエッセンシャルワーカーの皆さま、そして区民の皆さまと協力して、この難局を乗り越えてまいります。

一日5千回のワクチン接種体制

 2点目は、「ワクチン接種の促進」です。
 国は3回目の接種について、2月中に一日100万回の実施を目指すとしており、その数字を区の人口で案分すると、一日平均5千回の接種となります。既に区は、従来の17カ所の集団接種会場に加えて、閉館した「くつろぎの家」や、「新田6号公園」を特設会場として活用することで、医療機関での個別接種と合わせて一日平均5千回の接種を可能としており、国が掲げる目標を達成できる体制を整えています。
 また3月以降には5歳から11歳向けの接種も開始されますが、区内に約4万人いる対象者のうち、希望する方に円滑に接種いただける体制も確保しています。今後も国や都、区医師会など、関係機関と連携を図り、接種の促進に向けて臨機応変に対応してまいります。


ワクチン接種が受けられる新田6号公園(特設会場)

区内の検査体制を順次拡大

 3点目は、「検査体制の充実」です。
 オミクロン株による感染拡大が続く中、症状のある方や濃厚接触者については、区内約170カ所の医療機関で検査を受けることができます。
 一方、症状のない方に向けては、都が無料の検査制度を設けていますが、利用を希望する方が多いことから、区内での受付窓口は10カ所から17カ所に拡大しています。また、JTBと小松川信用金庫の連携事業により、18カ所目が平井駅前に開設される予定です。さらに、外出が困難な高齢の方や障害のある方、約8千人に対しては、抗原検査キットを無料配付する区独自の制度も設けています。


抗原検査キット

 加えて、即日診断が可能な区保健衛生研究センターの機動力を生かし、高齢者や障害者施設、保育施設などにおいてクラスターが発生した場合、またはその恐れがある場合には、迅速にPCR検査を実施することで、感染の拡大を最小限に抑えてまいります。

事業者向け 借換資金融資を新設

 4点目は、「区民生活の支援および、経済の活性化」です。
 臨時特別給付金については、必要としている方々に一日でも早くお届けできるよう、議員の皆さまのお力添えをいただきながら取り組んでまいりました。その結果、申請の必要のない子育て世帯に向けては、昨年のうちに10万円を現金でお渡しすることができました。また住民税非課税の世帯に向けても、昨年末から給付を開始し既に7割以上が完了しています。
 さらに、長引くコロナ禍の影響により深刻なダメージを受けている区内事業者の皆さまに向けては、区が設ける全ての融資を対象とした借換資金の融資制度を新設します。複数の融資を一つにまとめ、2年の据え置き期間を含む最長10年を償還期間とすることにより、事業者の皆さまの月々の返済にかかる負担を軽減し、事業の継続や資金繰りの改善を支援していきます。

感染防止対策の一層の徹底を呼び掛け

 5点目は、「感染防止対策の呼び掛け」です。
 第6波において主流となっているウイルスは感染力が非常に強く、短期間で拡大しました。こうした特徴を踏まえると、マスクの着用や手指の消毒など、一人ひとりの基本的な対策の徹底がこれまでにも増して重要となります。
 特に家庭や職場など接する時間が長い人との間では、ともすると対策がおろそかになりがちです。感染した家族のケアを含め、ウイルスの特徴に応じた対策の改めての徹底を、さまざまな手段を駆使して呼び掛けてまいります。
 以上、「5つの柱」を軸に、区民や区内事業者の皆さまの安全・安心な生活を守るため、本区は区医師会や区議会議員の皆さまなど関係各位と一致団結し、今後も新型コロナウイルスへの対策を強力に進めてまいります。

コロナ後の発展に向けた積極的な新年度予算

 さて、このように感染症対策は喫緊の課題でありますが、区政運営においてはその他の多様な課題に対してもウィズコロナ、そしてアフターコロナを見据えてしっかりと向き合っていかなければなりません。
 本定例会にお諮りしている令和4年度の当初予算は、一般会計が2849億円、特別会計と合わせた総額が4105億円と、いずれも過去最高額となりました。主な歳入である特別区税や特別区交付金がコロナ禍以前の水準にまで回復しつつあることを背景に、新型コロナ対策にかかる経費はもちろんですが、区内事業者に支出する見込みの予算額も1165億円とし昨年度より積み増すなど、区民生活および区内経済のコロナ禍からの回復とさらなる発展に向け、積極的な予算編成を行っています。
 特にこの新年度予算のキーワードとなるのは、「ポストコロナ」、「SDGs」、「脱炭素」、そして「DX、デジタルトランスフォーメーション」の4点です。
 本区では現在、2100年と2030年に向けて「ともに生きるまち」を目指すための長期ビジョンを策定している最中ですが、人口や歳入規模が将来的に減少する中でも持続可能な区政運営を行っていくためには、この4つの視点が不可欠だと考えています。
 「ポストコロナ」については、先ほども申し上げた通り、引き続き総力を挙げ、感染症対応を進めてまいります。

「SDGsえどがわ10の行動」 日常の中で取り組みを


SDGs推進センター


SDGs17の目標

 「SDGs」については、今年度より「SDGs推進センター」を立ち上げ、まずは皆さまに、知って、理解していただくことが重要であるとの思いから、さまざまな周知活動を行ってきました。今や、新聞はもちろん各種メディアが頻繁に取り上げるだけでなく、NHKでは子ども向けのテーマソングが作られ、テレビ番組も放送されています。区内にもその達成に向けて活動する高校生がいたり、「SDGs部」という部活動に取り組む中学生がいたりするという話を聞くと、特に若い世代が未来のために動き始めているのだと非常に心強く感じます。
 本区でも、新年度はさらに歩みを進め、「行動」に軸足を移してまいります。きっかけは何でもよく、取り組みやすいところから始めれば、理解から行動に、また行動から理解につながり、良い循環が生まれるのではないかと考えています。
 しかし、「具体的に何をしたらよいか分からない」という声もお聞きします。そこで、SDGsの17の目標をベースに、日常生活に関連が深い項目を「SDGsえどがわ10の行動」としてまとめました。例えば、「食品ロスを防ぐため、必要な量だけ買おう」や「とにかくリサイクルをしよう」など、分かりやすい言葉で広く呼び掛けるものとなっています。
 またそうした呼び掛けに加え、日常生活の中で人々の背中をそっと押し行動を促すような仕掛けがあれば、自然と取り組みを続けていくことができます。専門用語ではこれを「ナッジ理論」と言いますが、この考えを基に行動の意識付けにつながるアイデアを広く募集し、みんなで楽しみながら実践していきたいと考えています。

 さらに、「誰一人取り残さない」というSDGsの基本理念に基づいた施策も多様な観点から実施していきます。保育園、学校、すくすくスクールにおける医療的ケア児の受け入れ体制の整備の他、社会的な課題でもあるヤングケアラーやひきこもりの方への支援、そして40歳未満のがん患者の在宅療養支援など、誰もが自分らしく生活できる社会の実現に向けて取り組みを進めていきます。
 加えて、育児や仕事などで忙しい保護者にリフレッシュの時間を確保してもらうため、ベビーシッターの利用料を年間16時間まで無償化する他、学力に応じて参加できる補習教室の区立小・中学校全校への拡大や、歩いて行ける場所に図書館機能を整備するための小学校への区立図書館サテライトの設置など、多様化するニーズに応えるため、きめ細かく施策を展開していきます。

 


令和2年度から実施している補習教室

 また、本区では区民サービスの向上と区職員の意識改革につなげるため日本航空の客室乗務員を期間限定で採用していますが、今年度は接遇の心構えを職員にご教授いただくなどさまざまな角度からご尽力をいただいてきました。新年度はその知見を生かし、おもてなしの気持ちを込めた外国人向けの生活情報ガイドブックの作成も進めます。

脱炭素のモデル公園を整備

 3点目は「脱炭素」です。こちらも今年度より「気候変動適応センター」を設置し、取り組みを進めてまいりました。区では、気候変動の原因となる温室効果ガスの排出量を2030年までに50%削減することを目標としています。また2050年までには、国が目標とする「カーボンニュートラル」、すなわち「排出量実質ゼロ」のさらに先を目指し、吸収量が排出量を上回り排出量が差し引きマイナスとなる、いわゆる「カーボンマイナス」を実現したいと考えています。
 そのために令和4年度は「気候変動適応計画」を策定し、区民や区内事業者の皆さまとともに対策を推進していきます。
 温室効果ガスの削減に向けては、区内での自転車利用を一層推進する他、一部の庁用車に水素で走り二酸化炭素を排出しない燃料電池自動車を導入します。
 また、太陽光発電やEV対応の蓄電池などの活用により、東部交通公園を温室効果ガスの排出量実質ゼロの公園、「ゼロ・エミッション・パーク」として整備します。災害時にライフラインが途切れても使用できるトイレなど、最新機能も備えた公園です。
 一方、気候変動の進行を食い止めるための取り組みだけでなく、現に私たちの生活に深刻な影響を及ぼしつつある自然災害への備えも重要です。水害に強いまちをつくっていくため、国や東京都と協力して高規格堤防などを整備するとともに、浸水しない階層に避難スペースを設け、その建物同士をデッキでつなぎ、いざという時にも安全に避難できる「高台まちづくり」を進めていきます。


ゼロ・エミッション・パークとなる予定の東部交通公園

AIによる相談支援で効率化

 4点目は、「DX」、すなわち「デジタルトランスフォーメーション」です。
 これは単にデジタル機器を導入することではなく、デジタルによる「変革」を意味します。今までの業務の在り方にとらわれることなく、区民サービスの向上と持続可能な区政運営のために変革を遂げていかなくてはなりません。
 そこで、令和10年度の新庁舎への移転を見据え、「来庁しなくてもよい区役所」の実現に向けて、新年度は電子手続きやオンライン相談の対象範囲を拡大します。さらに介護保険や生活保護など39の相談業務にAIによる支援システムを導入します。これは対面や電話での相談内容を人工知能が文字化するもので、導入により記録作成などの時間を年間11万8千時間削減できると試算しています。削減により生み出された時間は、区民の皆さまとより丁寧に向き合うために活用してまいります。
 また区役所の中だけでなく、区内企業の99%を占める中小企業のDXも併せて推進していく必要があります。昨年の区内の調査によると、コストやノウハウ、人材面に多くの課題がある現状が明らかになりました。そこで新年度においては、各企業の進捗度合いに合わせて専門家が必要な支援を行う制度を設け、区内企業の早期のDX実現とさらなる成長を後押ししてまいります。

目指すまちの姿を描くビジョンを策定

 以上、中長期的な展望とともに、新年度における事業展開を述べてまいりました。
 このコロナ禍においても、未来に向けて人々の営みは続き、まちの姿は移り変わっていきます。社会経済状況の変化が激しく、人口や歳入規模も減少に転じる、そのような時代だからこそ、「今この時」を「未来への出発点」と捉え、将来を思い描きながら力強く歩みを進めていくための、ぶれることのない軸が必要です。

 先ほども申した通り、本区では現在、2100年と2030年に向けたビジョンを策定中です。その過程では、目指すべき未来に対して皆さまよりかつてない数の熱い思いを頂戴してきました。こうした流れを経ることで、未来へのイメージが共有でき、みんなで力を合わせないと乗り越えられない課題やもっと伸ばすべき区の魅力、人との絆、思いやりの心などに気付くきっかけになったと感じています。
 今後は寄せられた思いを紡ぎあげ、令和4年度の前半には完成版として多くの方に手に取ってご覧いただきたいと思います。
 とは申しても、完成後、ビジョンを額に入れて飾っておいては意味がありません。行政に限らず皆さまの思いとして実践につなげることが真のスタートであり、その延長線上に、まさに本区の目指す「ともに生きるまち」が存在すると確信しています。引き続き、区民の皆さま、議員の皆さまのご協力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。


区の目指すべき姿をイメージした共生社会推進ポスター

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このページはSDGs推進部広報課が担当しています。

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