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更新日:2021年12月6日

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2021年(令和3年)12月6日 お歳暮や年賀向けの「手ぬぐい」出荷最盛期

”寒風にはためくえどがわの風物詩”

染色加工を営む村井染工場(取締役社長・三代目:村井光寿(むらいみつとし)/59歳/一之江6丁目)では、年末年始に向けて、お歳暮や新年の贈答用などに使われる「手ぬぐい」の出荷が始まっており、染色作業などが最盛期を迎えています。

染め上げた手ぬぐいの天日干し、手ぬぐいの下の村井米扶さん

中小河川が多く流れる江戸川区では、その豊富な用水を利用して浴衣などの染色業が発展。最盛期となった昭和30年代には、同工場の周辺に約30軒の染色業者がありました。しかし、生活様式の変化や機械化などによって需要が減り、業者は年々減少の一途に辿ることに。「注染(ちゅうせん)」という伝統的な工法を用いて「東京本染」の浴衣や手ぬぐいを手掛ける染色工場は、現在都内に4軒、区内には2軒を残すのみとなりました。同工場でも浴衣から手ぬぐいの制作に比重を移し、伝統技術を今に残しています。

製作工程は、初めに長尺の白布に型紙を乗せてから防染糊をヘラで糊付けをします。生地を屏風状に折り返し、糊付けを約40枚分繰り返します。折り返した生地の上から調合した染料を注いで染色。防染糊や不要な染料を水洗いすることで、糊のついていないところが染めあがります。その後、高さ約15メートルある干し場「やぐら」で自然乾燥させ、乾いた布地のしわ取りをすると完成。12の工程からなる作業のほとんどが現在も手作業であり、複雑な柄によってはこの工程を何度も繰り返します。

同工場で手ぬぐいを作っているのは光寿社長を始め、二代目の村井米扶(むらいよねすけ/同社取締役会長/85歳)さんら14名。米扶さんは12歳の頃から家業の染物に携わり、この道70以上年の大ベテランです。1990年に「東京都伝統工芸士」として認定、2015年には極めて優れた技能を持つ方が選ばれる「東京マイスター」にも認定されています。

今日(6日)、同工場の干し場「やぐら」には、染め上げた生地が吊るされ、寒風にはためいていました。今年も昨年に続き、お祭りなどのイベント中止の影響で、週に2~3日の生産となる時期もありましたが、先月頃から注文が徐々に戻ってきました。年賀贈答などに用いられる企業用名入り手ぬぐいなどや来年の干支「寅」があしらわれた手ぬぐいが人気を博しています。寒空に揺れる反物が特徴的な染色の作業は28日頃まで続きます。

村井米扶さんは、「新型コロナウイルスの影響で、注文は例年の5割ほどにとどまっています。来年こそはお祭りや行事ができる世の中になるよう祈っています。また、染め物がやぐらに吊るされる様子は、都内ではここでしか見られない景色となっているので、代々続く染め物の技術が途切れないように残していきたい」と話していました。なお、同工場では受注生産と卸売りのみで小売りは承っていません。

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