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更新日:2021年5月19日

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2021年(令和3年)5月19日 涼を感じる「江戸扇子」流行に合わせて創意工夫

”昨年に続き、抗菌作用がある柿渋扇子が人気”

本格的な夏を前に、江戸扇子工房「まつ井(北篠崎2丁目)」では、江戸時代から伝わる伝統工芸品「江戸扇子」の出荷が最盛期を迎えています。今年も昨年に続き、抗菌作用があるといわれる柿渋の染料をつかった扇子が人気を集めています。

「江戸扇子」は元禄年間に京都から江戸に伝わったのが始まりと言われ、貴族社会で誕生した繊細で雅やかな「京扇子」に比べて江戸の町人文化が感じられる粋ですっきりとした印象。約30本の骨を使用し、扇面には華麗な綿や絹が用いられる京扇子とは対照的に、竹でできた15本の骨と和紙のみで制作され、パチッと音を立ててきれいに閉じるのが特徴です。一般的な涼をとる「持扇」だけでなく、日本舞踊や歌舞伎の舞台で映えるように大きめに作られた「舞扇(まいせん)」などもあり、年間を通してさまざまな場面で使用されています。

折や中差しなどの作業を行う松井さん同工房で江戸扇子を制作しているのは、二代目の松井宏(まついひろし/74歳/江戸川区指定無形文化財/平成26年度東京都優秀技能者知事賞受賞)さん。昭和50年代頃までは都内に20人以上いたと言われる江戸扇子職人も、現在は2、3人となり、区内では松井さんただ一人となりました。江戸扇子は、2枚の表紙に芯紙をはさんで貼り合わせる平地を作る「扇面加工」から始まり、型紙で平地をはさんで折り合わせる「折り」、貼り合せた扇面を裂くように骨を通す穴を開ける「中差し」、中差しで開けた穴に骨を通す「中付」など約30の作業工程を経て完成します。作業が分業化されている京扇子とは異なり、これをすべて一人の職人がこなします。

松井さんは、常に好奇心と感性を大切にして、様々な絵柄の扇子を制作。美術大学生と共同して商品開発を行うえどがわ伝統工芸産学公プロジェクトにも参画し、和の文化を重んじつつ、革新的な挑戦を続けています。年の初めからこれから流行する色やデザインの傾向をキャッチし、新作扇子の絵柄に取り入れています。

今年の売れ筋は昨年に続き、表紙に柿渋を塗って仕上げた扇子。柿渋は昔から補強や防虫、防腐を目的として調度品にも用いられてきた染料で抗菌作用があるといわれます。茶色の単色で時間が経つにつれて風合いが増し、飽きが来ないと評判です。散歩する時間が増えたことで、街の様子を違った角度から観察してアイデアを募らせたという松井さん。「ひとつひとつ時間をかけて丁寧に作った自信作です。これからの暑い季節、扇子を使って爽やかな風を楽しんで欲しい。お気に入りの一本を見つけてくれたら嬉しいです」と話しています。

現在は、タワーホール船堀内の「アンテナショップ エドマチ(船堀4)」や篠崎文化プラザ内の「江戸川区名産品アンテナショップ(篠崎町7丁目)」で店舗販売している他、インターネットサイト「えどコレ!(http://www.rakuten.ne.jp/gold/meipro/(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます))での販売にも力を入れています。

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