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更新日:2022年4月1日

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未来へのヒント 第5回ライオン株式会社

CCBY 但し、画像データは除きます

 

 

江戸川区と主に環境面で連携しているライオン株式会社は近年、SDGsに関する取り組みを加速させており、今回はその中心として舵取りを担っているサステナビリティ推進部長の小和田(こわだ)みどりさん、研究開発本部戦略統括部長の曽我晶子(そがあきこ)さんにお話を伺いました。

キーワードは”リ・デザイン”

―ライオン株式会社では、SDGsの目標の実現に向けて、どのような取り組みを進めていますか?

生活習慣を時代の変化に応じて”リ・デザイン”することを重視し、脱炭素社会や循環型社会の実現を進めるため、2020年に長期環境目標を策定しました。この計画では、事業所におけるCO2排出量ゼロや、プラスチックの高度な資源循環、持続可能な水使用の実現を明記しており、まず2050年のあるべき社会の姿を設定し、そこから逆算して2030年に達成すべき具体的な数値目標を設定しています。
また、「健康な生活習慣づくり」へのアプローチも行っており、「手洗い」と「オーラルケア(口の中の健康)」に力を入れています。コロナ禍により世界中で手洗いニーズが高まっている中で、自社ブランドを積極的に活用し、日本に限らず海外でも正しい衛生習慣の普及活動を進めています。オーラルケアについては、生活環境、身体、経済、教育、情報などの状況により生じたオーラルケア機会の格差を解消し、人が本来持っている「健やかに生きる力」をオーラルケアから引き出し、育むことを目指す活動を行っています。
このような活動を通じて子どもから高齢者まで誰もが、これまで当たり前だった生活習慣を時代の変化に応じて”リ・デザイン”して、脱炭素社会、平等な社会を実現することができればと思っています。(小和田さん)

画像:小和田みどりさん

プロフィール
小和田 みどりさん
ライオン入社後、販売店営業を担当。商品開発(ビューティケア)や宣伝などのマーケティングに従事。2021年1月よりサステナビリティ推進部長。

プラスチックの高度な資源循環を実現する「3R+R」

―江戸川区の平井にある事業所ではどのようなことを行っていますか?

平井事業所の研究開発本部では、イノベーション創出によって次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーを目指すライオンの原動力となるべく、日々さまざまな製品の開発・研究を行っています。環境対応に当たっては、特に力を入れているのが、英語での頭文字を取って「3R+R(リニューアブル)」と呼ばれる分野で、プラスチックの高度な資源循環を研究しています。
具体的に、3Rの中の「リデュース」では、商品の容器・包装の見直しでのミリグラム単位の削減や、洗剤などの濃縮による容器の小型化を進めています。「リユース」では、弊社に限らず、業界全体が詰め替え製品の割合を増やすことで、容器の再利用を進めています。さらに「リサイクル」では、再生ペット(ペットボトルなどを原料とした再生ポリエステル)や古紙パルプを積極的に利用しています。加えて、弊社の取り組みである「リニューアブル」では、植物由来のプラスチックであるバイオマスプラスチックのような再生可能な原料を使い、石油由来のプラスチックの使用量を削減しています。
しかし、一つの企業が単独で対策を進めても、その規模や技術開発には限界があるものです。2030年の目標を達成するため、化学業界が参加する「海洋プラスチック問題対応協議会」や環境省の「プラスチック・スマート」などへ参画しながら、業界の垣根を超えた環境対応への技術開発にも取り組んでいます。また、同じ業界の中でも、「環境においては競争ではなく協働」という考えの下、花王株式会社と協働して使用済み詰め替え用フィルム容器をリサイクルする仕組みも始めました。地球規模の環境問題を解決するためには、こうした協力体制も必要だと考えています。(曽我さん)

画像:曽我晶子さん

プロフィール
曽我 晶子さん
ライオン入社後、皮膚科学やオーラルケア(歯磨剤)の研究開発に従事。2019年8月より、研究開発本部戦略統括部長。

江戸川区で未来の研究員を育てる

平井研究所の敷地には、古くから天然の洗剤として利用されてきた「サイカチ」や「ムクロジ」など、同社の事業と縁の深い植物が植えられて

―「江戸川区科学教育センター」や「えどがわエコセンター」と連携した活動をされていると伺いました。
江戸川区科学教育センターと連携し、区内の小・中学生と高校生に平井研究所が持つノウハウを活用した科学の実験教室を多数開催しています。また、えどがわエコセンターと連携し、ラムサール条約湿地に登録されている「葛西海浜公園」のなぎさに漂着したごみの清掃などの自然環境保全活動を通じて、江戸川下流や東京湾を生物が暮らしやすい環境へ整える施策を推進しています。
この他にも平井研究所では、理数分野に力を入れている高校や関心のある女子向けの学習支援活動などを通じて理科の楽しさを伝えるお手伝いをしています。(曽我さん)

―企業としての今後の目標と江戸川区とのさらなる連携について教えてください。
企業としては、長期環境目標の下、2030年・2050年の目標の実現に向けて邁進していきます。環境に配慮しながらも、コストダウンしていく部分をしっかりと見極めてバランスを取っていくことは大変な道のりではありますが、クリアするための努力を惜しまないのが企業の責任だと考えています。
一方、SDGsの推進に向けては企業単体での取り組みには限界がありますが、これまでもさまざまな連携を行ってきた江戸川区がSDGsの推進に向けて取り組み始めたと伺っています。今後も、江戸川区とさらなる連携を進め、官民一体の取り組みを進めていきたいと考えています。(小和田さん)

共生社会の実現に向けて江戸川区が立ち上げた会議体「えどがわ未来カンファレンス」の特設ホームページでは、先進的な取り組みを行う企業、専門家、研究者などさまざまな方のインタビューをお届けしています。

問い合わせ 共生社会推進係 電話:03-5662-0091

このページに関するお問い合わせ

このページはSDGs推進部広報課が担当しています。

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