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更新日:2022年4月1日

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未来へのヒント 第3回魚住りえさん(フリーアナウンサー)

誰もが安心して自分らしく暮らせる共生社会のために

CCBY 但し、画像データは除きます

 

 

 

フリーアナウンサーとしてSDGsの番組に携わるなど、日々その知見を広める活動を続け、ご自身でも「捨てられてしまう酒かす」を使って、蒸留酒・ジンを製造するベンチャー企業を始められている魚住りえさん。日常の中でSDGsに貢献できることに気付いたエピソードや、江戸川区が独自の魅力を活かしながら共生社会、SDGsを実現させるためにはどうすれば良いか、そのアイデアを伺いました。

身近な買い物を”エシカル”に

―魚住さんがSDGsについて関心を持つようになったのは、何かきっかけがあったのですか?
2020年10月に始まったTOKYO FMの「SDGsティーチャー」というラジオ番組をきっかけとして本格的に学び始めました。数ある学んだことの中でも、私が最も影響を受けたのは「買い物での商品の選び方」です。私やリスナーの方の”ティーチャー”としてさまざまなことを教えてくれる吉野賢哉(よしのけんや)さんや企業の方々から、「認証マークのついている商品を買うと、それだけでSDGsに参加したことになりますよ」と教えていただきました。
それまでSDGsに抱いていた「環境に良い活動をしないといけない」「難しい経済に参加しなきゃいけない」といったイメージが一変して、「SDGsって日常の中で簡単に始められるんだ」と目からうろこが落ちる思いでした。
それからはスーパーで食品や日用品を買うときも認証マークがついているかを意識するようになりました。

―最近は、「倫理的」といった意味のある「エシカル」な消費が注目を集めていますね。
特に若い人を中心に消費の意識が大きく変わってきていると感じます。一人ひとりが「ちょっと高いけど、地球のためにこっちの商品を買おう」と、日々の行動を少し変えるだけで環境や社会に貢献できるのはすてきなことだと思います。
また、そうした場面で「貢献しよう」という意識を持つ人を今以上に増やすためにも、「認証マークのついた商品を買うとポイントが貯まる」ような仕組みも面白いかもしれません。「ポイントを貯めていくと、江戸川区の運営する施設を割引で使えたり、優先的に使えたりする」といった特典があれば、買い物の際にも積極的に参加したくなると思います。私のようにポイント大好き人間はたくさんいますよ。

エシカルなお酒を造る

―日本酒の酒蔵から大量に出る”酒かす”を使ってジンを製造するベンチャー企業「エシカルスピリッツ」を立ち上げたと伺いました。

もともと私はお酒が大好きなのですが、近年は全国にある小さな酒蔵の廃業が相次いでいる状況です。そこで私たちはそんな酒蔵を支援したいと思い、通常であれば酒蔵が産業廃棄物として代金を支払って廃棄しなければならない酒かすを買い取り、その酒かすからアルコール分を抽出してジンを造ることにしたのです。
さらに、出来上がったジンを販売して得た利益で酒米を購入し、酒蔵に差し上げる「循環経済型プラットフォーム」を構築しています。
私たちの仲間の中にはあまりお酒が飲めない人もいますが、「おいしいお酒の文化を途絶えさせないために、廃棄されるものを使って価値のあるものを生み出す」というエシカルな想いに、賛同し協力してくれています。


酒かすからアルコール分を抽出して製造されたジン

男女平等への意識

―SDGsの中に「ジェンダー平等の実現」がありますが、ジェンダーギャップ解消に向けて、講演や研修も行っているようですね。
男女が平等に働ける社会を実現するためには「女性自身が意識を変えていく」ことがスタートだとお話ししています。経済的・精神的に男性に依存している状態では、女性が本当に自立することは難しい。そのため、まずは「自分たちは独立するんだ」という気持ちを持っていただけるようにお伝えしています。
世の中にはこのような考え方に対して反発される方も少なくありません。
しかし最近になり、20~30代の方々は男女平等に理解のある方が増えたようにも感じます。そうした方々がどんどん増えていくことで、みんなが思いやりを持った社会になるのではないかと期待しています。

コミュニティーで支える文化

―江戸川区での共生に関する施策についてどんな印象を持ちましたか?
江戸川区では各地域でお祭りを開催するなど、コミュニティーで支え合う文化があるそうですね。お祭りのような一つの目標に向かって協力していく活動は、私の所属する「エシカルスピリッツ」で、より良いゴールに向かっていく意識と似ているかなとも思います。
また、区内には「なごみの家」という誰もが気軽にさまざまなことを相談できる施設があるとも伺っています。みんなで一つの目標に向かっていくように、一人で困っている人を周囲のみんなが助けることのできる施設があり、区民の誰もが利用できるのはとても素晴らしいことだと思います。

新しいかたちの”集まる場所”を

―区民同士のつながりをさらに強めるためには、どんなことをすれば良いと思いますか?

昔から伝わる”情緒”を活かして新しい考え方をカジュアルに発信

これまでもSNSを使って区の取り組みを発信したり、区民が受けられるサービスを告知したりはしているかもしれませんが、さらに一歩踏み込んで、区民の皆さんがコミュニケーションを取れる機会をつくってみてはいかがでしょうか。最近流行している音声SNSを活用して、「江戸川区民集まれ!」と題して皆さんの集まる場所をつくるのも面白いかもしれませんね。
江戸川区は、いまや都会では失われつつある「情緒」が残っている町だと思います。下町情緒という昔から続く稀有な個性を活かしながら、SDGsのような新しい考え方をカジュアルなかたちで区民の方々に発信していっていただきたいなと思います。

 

Profile
フリーアナウンサー。大阪府生まれ、広島県育ち。1995年、慶応義塾大学卒業後、日本テレビにアナウンサーとして入社。報道、バラエティー、情報番組などジャンルを問わず幅広く活躍。現在はボイスデザイナー・スピーチデザイナーとしても活躍中。著書「たった1日で声まで良くなる話し方の教科書」ほか。

共生社会の実現に向けて江戸川区が立ち上げた会議体「えどがわ未来カンファレンス」の特設ホームページでは、魚住さんのほか先進的な取り組みを行う企業、専門家、研究者などさまざまな方のインタビューをお届けしています。

問い合わせ 共生社会推進係 電話:03-5662-0091

このページに関するお問い合わせ

このページはSDGs推進部広報課が担当しています。

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